1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

[再現!文学ごはん]横溝正史『白と黒』の「イクラのサンドイッチ」

&GP / 2016年12月8日 21時0分

写真

[再現!文学ごはん]横溝正史『白と黒』の「イクラのサンドイッチ」

水面から死体の両足が直立していたり、ゴムマスクを装着して生活している人がいたり、悪魔が来りて笛を吹いたり…

<呪われた村ババーン!>とか、<閉ざされた村の因習ドドーン!>とか、<謎の老婆ズッキューン!>とか、そんなゴシックでおどろおどろしいイメージが先行しがちな横溝作品ですが、この『白と黒』で名探偵・金田一耕助が活躍する舞台はなんと「団地」。

登場人物も、ホステス出身の若奥様とか、洋裁店のマダムとか、現場監督とか、役者志望の青年とか。全体にとても昭和らしい風景の中で、謎が謎を呼ぶミステリが描かれます。

またこの『白と黒』は、食べ物の描写が多めです。

豪華な懐石、若妻が振舞うチキンライス、朝の和定食など、基本的にとてもおいしそうなものが多いのですが、ひとつだけ気になるブツが。

それが「イクラのサンドイッチ」です。

 

■ひとくち目はやはり面食らいます!

物語の中盤で、団地の子世代である若者たちが朝から紅茶とサンドイッチでピクニックをするシーンで出てきます。

ハムや野菜、炒り卵など定番サンドイッチに混じって、いきなり「イクラ」! とにかく食べてみなければ。

bungou - 5

材料はイクラとパンとバター。さすがに醤油漬けのイクラではアレなので、甘塩イクラを選びました。

またパンは食パンに加え、重くて酸っぱい黒パンも用意しました。これは「キャビアと黒パン」の組み合わせからの連想です。

普通にサンドイッチにします。

bungou - 39

……美味しい? のか? いや、よくよく考えるとかなり美味しいです。

というのも、やはりイクラと言えばお米とセットの味が叩き込まれているので、少し面喰らうのです。

しかし一瞬の違和感の壁を突破すると、バターの塩気、イクラの艶めかしさ、パンの香ばしさが渾然一体となってなかなかいい感じ。

ただしパンはミルキーなものや、甘いものは避けた方が良さそうです。食パンでも、なるべくそっけない味のものを選びましょう。

また黒パンのイクラサンドは文句なしに絶品!

噛みしめるライ麦の旨味と、イクラのプチプチした食感が完璧に合っています。ホームパーティーのフィンガーフードなどにも使えそうな逸品です。

ちなみに『白と黒』ですが、団地に住む人々の秘密を暴く怪文書、美貌のマダムの悲惨な死、キーワードとなる「白と黒」が意味するところは……。

などなど、絡み合う謎がとても面白い作品です!

【参考・引用元】
>> 横溝正史『白と黒 金田一耕助ファイル18』(KADOKAWA)

 

(取材・文/くぼきひろこ

C くぼきひろこ/ライター

美食・カルチャー・ライフスタイル・クルマ・ゴルフ・巷の美女etc……対象は様々に、雑誌・ウェブサイト等の各種媒体にて活動中のフリーライター。「人の仕事のすべて。そして、その仕事から生み出されるすべてのモノゴトが面白い!」と津々浦々の興味津々で取材・執筆を行う。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください