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奈津子×安蔵靖志の「最新家電」ニュース:2016年総まとめ

&GP / 2017年1月10日 20時0分

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奈津子×安蔵靖志の「最新家電」ニュース:2016年総まとめ

元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。第3回は2016年12月に発表された家電製品を紹介します。また、2016年を振り返りつつ、2017年の家電業界の展望や期待について語ります。

■約10万円のマッサージチェアにヒットの予感……!?

安蔵:ここ2~3年の間の大きな動きとして、「マッサージシート」のヒットがありました。大きくて重くてインテリアにも合いにくいマッサージチェアに比べて軽くて持ち運びしやすく、ソファーなどに置くだけで使える手軽さ、そして価格の安さがヒットの大きな要因でした。

奈津子:私がナビゲーターを担当するラジオ番組(FM東京「Skyrocket Company」の「家電で快適! 生活向上委員会」コーナー)でも、何度かマッサージシートを紹介しました。確かに「これなら買ってもいいかな」って思える感じですね。

安蔵:ドリームファクトリーの「ドクターエア 3Dマッサージシート」などがブームの火付け役になったわけですが、古くからのファンに注目されたのはフジ医療器の「マイリラ シートマッサージャー」(実勢価格3万3680円)でしょう。ファミリーイナダやパナソニックなどと並ぶ人気メーカーの1社がマッサージシートに参入したのは大きなインパクトでした。

matsuan170110_01 ▲フジ医療器が2016年11月に発売した「マイリラ シートマッサージャー MRL-1100」(実勢価格3万3680円)

奈津子:マイリラ シートマッサージャーは本体だけでなく、専用チェア(実勢価格1万4280円)を別売で用意しているのも特徴的ですよね。

安蔵:そうなんです。でも専用チェアと併せて購入すると約5万円と、そこそこの金額になってしまいます。そこで「どうせならもっと本格的なマッサージチェアを……」というユーザーに向けて出したのが、12月に発売した「ロースタイル マッサージチェア H AS-LS1」というわけです。

▲フジ医療器が2016年12月に発売したマッサージチェア「ロースタイル マッサージチェア H AS-LS1」(実勢価格9万9800円) ▲フジ医療器が2016年12月に発売したマッサージチェア「ロースタイル マッサージチェア H AS-LS1」(実勢価格9万9800円)

奈津子:これを初めて見たとき、電撃が走りました。ヒットの香りがプンプンしましたね。

安蔵:30万円、40万円が当たり前のマッサージチェアの中で、実勢価格が約10万円というのはかなりお買い得感があります。首から足の先まで徹底的にもみほぐす本格的なマッサージチェアというよりは、インテリア性を重視したライトなスタイルですが。このカテゴリーはパナソニックやファミリーイナダ、ドクターエアなどもラインアップしていますね。

奈津子:座面が低いので部屋に置いても圧迫感がなさそうですし、丸みのあるフォルムは都会的ですよね。どことなくドラえもんの道具のような印象を受けました。開放感のあるデザインなので、インテリアにこだわる方や狭い部屋に住む方にもピッタリなように思います。そもそも、マッサージ機能を使っていないときに普通の一人がけソファーとして腰掛けるのも快適に感じました。これって結構重要な気がします。

matsuan170110_03 ▲「座面が低くなっているので、部屋に置いても圧迫感をあまり感じなさそうです」

安蔵:腕やふくらはぎまでエアーでマッサージしてくれるような本格派には及びませんが、肩や背中のマッサージ機能はなかなかの本格派ですよね。

奈津子:私は以前SDN48に在籍して、連日のようにAKB劇場で踊りまくっていたのですが、体のケアがパフォーマンスにかかわるので、マッサージにはかなりこだわりを持つようになったんです。疲労した筋肉が骨にへばりついてカチカチに固まってしまった状態だと、ストレッチをしてから寝ても、疲れがどうにも取れないんですよ。

安蔵:それは大変だ……。

奈津子:このマッサージチェアの場合、首肩周りをもみほぐす「首肩もみメカ」と、背中を広範囲にもんでくれる「背腰ローリングメカ」を組み合わせた「ダブルソリューション」を採用しているので、カチカチになりやすい首肩周りと背中・腰周りをいい感じにほぐしてくれると感じました。

▲首肩周りをもみほぐす「首肩もみメカ」と、背中を広範囲にもんでくれる「背腰ローリングメカ」を組み合わせた「ダブルソリューション」を採用している ▲首肩周りをもみほぐす「首肩もみメカ」と、背中を広範囲にもんでくれる「背腰ローリングメカ」を組み合わせた「ダブルソリューション」を採用している

安蔵:首肩もみメカの高さを細かく調節できるので、家族でも使いやすいですね。

▲AS-LS1のリモコン ▲AS-LS1のリモコン

奈津子:背腰ローリングメカのもみ玉部分と、座面に配置した「ダブルヒーター」の温かさにも癒やされましたし、骨盤周りのエアーマッサージで骨盤がぎゅっと締められるのがすごく気持ちよかったです。

安蔵:あと、魅力的に感じたのがBluetoothスピーカーですね。

▲AS-LS1は左右のスピーカーにサブウーファーを加えた2.1chスピーカーを内蔵している ▲AS-LS1は左右のスピーカーにサブウーファーを加えた2.1chスピーカーを内蔵している

奈津子:これは個人的に一番感動しました! 実際に私は大好きなエリッククラプトンの「Change The World」をリピートで聴きまくりましたが、頭の周囲に配置された2.1chスピーカーから出る音楽を聴きながら体がほぐされていく体験は最高ですね。音質がものすごく良いわけではないですけれども、自分の大好きな音楽を聴いたり、よりリラックスしたいときには川のせせらぎや鳥のさえずりなどの自然音を聴いたりと、使い分けるとよさそうですね。

▲スマホとのペアリングも簡単にできるため、奈津子さんの私物のiPhoneで音楽を試聴した ▲スマホとのペアリングも簡単にできるため、奈津子さんの私物のiPhoneで音楽を試聴した

▲本体右側面には有線接続できるアナログ宇音声入力端子も備えている ▲本体右側面には有線接続できるアナログ宇音声入力端子も備えている

安蔵:発表会ではマイリラ シートマッサージャーの最新モデル「MRL-1100」(実勢価格3万3680円)や「マイリラ フットマッサージャー MRL-F1」(同2万7800円)なども展示していましたね。

奈津子:フットマッサージャーは想像以上に力が強くて驚きました。お店でマッサージしてもらっているような気分を味わえました。

▲マイリラ シートマッサージャーの最新モデル「MRL-1100」(実勢価格3万3680円) ▲マイリラ シートマッサージャーの最新モデル「MRL-1100」(実勢価格3万3680円)

▲2016年11月発売の「マイリラ フットマッサージャー MRL-F1」(同2万7800円) ▲2016年11月発売の「マイリラ フットマッサージャー MRL-F1」(同2万7800円)

▲2016年12月発売の「体幹トレーナー FF-100」(同3万9800円) ▲2016年12月発売の「体幹トレーナー FF-100」(同3万9800円)

■LED電球がすべてスマホ対応になる……!?

安蔵:続いては、フィリップスのLED照明「Philips Hueシリーズ」です。Hueはスマホやタブレットなどから家庭内LAN経由で照明の色や明るさを自在に変えられるという“IoT照明”ですが、新たにエントリーモデルの「Hue ホワイトグラデーション」が登場しました。

▲フィリップスが2016年12月に発売したLED照明「Philips Hueシリーズ ホワイトグラデーション」 ▲フィリップスが2016年12月に発売したLED照明「Philips Hueシリーズ ホワイトグラデーション」

奈津子:元々Hueというのは、スマホやタブレットからじゃないと操作できなかったんですよね?

安蔵:そう、「Hueブリッジ」と呼ばれる機器をWi-Fiルーターなどに有線で接続し、それを経由してスマホアプリから操作するというものでした。Webサービスと連携すると「特定のアドレスからメールが届くと赤色でお知らせ」とか、「特定の場所の天気予報が雨だったら青色でお知らせ」みたいなこともできるのですが、ちょっとマニアック過ぎる感じはありました。

奈津子:それがスマホなしでも操作できるようになったというわけですね。

安蔵:そうなんです。Hue ホワイトグラデーションにはHueシリーズの裾野を広げるという意味で2つの大きな特徴があります。1つは「ネットワークなしの単体で動くこと」、もう1つが「白色系で色を変えられて安い」ということです。

奈津子:ネットワークの設定とかスマホアプリのダウンロードとかをしなくてもすぐに使えて、しかも安いってことですね。

安蔵:その通りです。これまでのHueは赤や青、緑など約1600万色もの中から自在に色合いを選べるのですが、Hue ホワイトグラデーションは青みがかった昼光色から赤みがかった電球色まで白色系の中だけで色合いが選べるようになっています。その代わり安いのが特徴です。

ちなみにHueブリッジとHueランプ3個が付属する従来の「Philips Hue スターターセット V2」の実勢価格は2万6800円で、ランプ1個は7400円。Hueブリッジとランプ2個、リモコン1個が付属する「Philips Hue ホワイトグラデーション スターターセット」は同じく1万4880円で、ランプ1個は3880円です。ランプ1個の価格は従来の約半額といったところですね。

奈津子:私も実際に試してみましたけど、「Dimmerスイッチ」(単品の実勢価格は2800円)と呼ばれるリモコンで簡単に色合いや明るさを変えられるのが便利に感じました。電池式なので配線不要ですし、磁石か両面テープ、ねじで固定の3つの中から選べるのがうれしいです。難しい初期設定が不要なところもいいと思いました。女性はそういうの、特にいやがりますからね。

matsuan170110_13 ▲スターターセットに付属する「Dimmerスイッチ」を使うと、明るさや色合いを変えられる

安蔵:スターターセットには家庭内LANにつなげられるHueブリッジも付属していますが、シングルランプとDimmerスイッチさえ用意すればどの部屋でもDimmerスイッチ1つでオン・オフや色合いの変更ができるのは楽だと思います。それで便利だなと思ったら、スターターキットもしくはHueブリッジ単体を後日購入してネットワークに接続し、スマホ連携するというアップグレード方法もあります。

奈津子:「光が人々の生活に影響を及ぼす」という考えに基づいて作られたというところをとても興味深く感じました。光の色合いや明るさを時間帯によって変えることで、生活サイクルを整えるという考え方はとても共感できます。自律神経を整える事はアンチエイジングにもつながりますし、私自身も寝る前は照明を暗くしたりして結構こだわっている方なので、すごく気になりました。忙しい現代人は、自宅で過ごす際の明かりこそこだわるべき点のように思います。これによって疲れの取れ具合が絶対に違うと思います。

▲Hue ホワイトグラデーションは日常のシーンに合わせた4つの「ライトレシピ」を用意している ▲Hue ホワイトグラデーションは日常のシーンに合わせた4つの「ライトレシピ」を用意している

■2017年の家電業界はどうなっていく?

安蔵:奈津子さんは2015年から「家電女優」として活動をスタートして、2016年には活躍の場を広げましたね。2016年の1年間を通して取材して、どんな家電に注目しましたか?

奈津子:2016年は「VR(Virtual Reality:仮想現実)元年」と言われて、普段は家電にはそこまで興味のない友人からも「VRっていうのがスゴイらしいね!」と盛り上がっていたのが印象的でした。

私自身もHTCでVRゴーグルの「HTC Vive」を体験取材しましたし、9月に開催された「東京ゲームショウ」でもたくさんのブースでVRを体験させていただきました。異次元に没入できるような感覚は単純に本当に楽しかったです。

▲千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ 2016」の取材の模様 ▲千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ 2016」の取材の模様

安蔵:サムスン電子も「Galaxyシリーズ」向けのVRゴーグル「Galaxy Gear」を発売するなど、スマホ向けVRというのも注目されましたね。まだまだ各社とも荒削りではあるものの、今年はさらに飛躍するのではないかと期待できますね。

奈津子:各メーカーそれぞれにコストや技術面での問題、ゴーグルを衛生的に保つ方法など(これは特に切実に感じました)、課題は多いと思います。でも少しずつこうした課題をクリアして精度が上がっていけば、今後はエンターテイメント業界だけでなく、医療面やビジネスシーンでも大きな革命が起きるだろうなと思いました。

余談ですが、「PlayStation VR」向けの“萌え系”VRコンテンツ『サマーレッスン』にふんだんに盛り込まれた萌え要素には脱帽しました……。

安蔵:私が印象的だったのは、ちょっと硬いですが「業界再編」ですね。シャープが台湾のホンハイ精密工業に買収され、東芝の白物家電事業は中国のマイディアグループ(美的集団)に買収されるなど、業界再編の動きが加速しました。

奈津子:2012年には旧三洋電機の冷蔵庫・洗濯機部門が中国のハイアールグループに買収されましたけど、その流れがさらに強まった感じですね。

安蔵:そうです。世界一の家電メーカーである中国のハイアールグループもそうですけど、ホンハイ精密工業はEMS(電子機器の受託生産)メーカーとして世界最大ですし、マイディアグループもかなりの規模です。これらの傘下に入ることで部品などの購買力が飛躍的にアップしてコストを下げられますし、これまで進出していなかった国や地域にも販路を広げられる可能性も出てきます。そういう意味ではシャープ、東芝の今後の活躍は期待できるのではないかと思います。

奈津子:2016年はコミュニケーションロボットの「RoBoHoN(ロボホン)」や調理家電の「ヘルシオ グリエ」、蚊をキャッチする「蚊取空清」など、シャープは話題の製品を数多く送り出してきたのが印象的でした。

▲シャープが2016年9月に発売した「ヘルシオ グリエ AX-H1」(実勢価格3万6000円) ▲シャープが2016年9月に発売した「ヘルシオ グリエ AX-H1」(実勢価格3万6000円)

安蔵:苦境にあえいでいる中でもこれだけ話題の製品を作り出しているのですから、2017年も大きく期待できますね。それは東芝も同じです。奈津子さんは2017年の家電業界、どんな風になっていくと思いますか?

奈津子:前述したVRについても言えることなのかもしれませんが、家電業界全体の大きな流れとしては、「モノ」だけではなく「ライフスタイル」や「価値観」をメーカー側が提案することを意識しはじめた時代になってきたように思います。

この1年、たくさんの家電製品の発表会に参加させていただきましたが、ほとんどのメーカーが声高に提唱していたテーマのひとつでした。

安蔵:「モノ」ではなく「コト」……つまりユーザーは製品そのものが欲しいのではなく、その製品によって生まれるライフスタイルの変化を求めているということですよね。

奈津子:おそらく今年はその傾向がより一層色濃くなっていくのではないかと思っています。ある人にとっては「高くて意味を感じないモノ」が、別の人にとっては「心地よさの対価として、納得して購入して使用しているモノ」という現象が増えるかもしれませんね。バルミューダの「ザ・トースター」や「ザ・ポット」、バーミキュラの「バーミキュラ ライスポット」、アイロボットの「ルンバシリーズ」などが特にその傾向が強いように感じました。

▲バルミューダが2016年10月に発売した「バルミューダ ザ・ポット」(実勢価格1万1000円)と、2015年5月に発売した「バルミューダ ザ・トースター」(同2万2900円) ▲バルミューダが2016年10月に発売した「バルミューダ ザ・ポット」(実勢価格1万1000円)と、2015年5月に発売した「バルミューダ ザ・トースター」(同2万2900円)

安蔵:私もここ数年の流れとして感じているのが「一点豪華主義」というキーワードです。昭和の高度経済成長期から続く「多機能化」と「軽薄短小化」の流れが、ここに来て一気に変わったように思います。多機能ではなくても、メインの性能が高くてデザインも良く、部屋に置きたいと思わせるような“所有欲”を感じさせるものが人気になっているような印象ですね。まさにバルミューダやバーミキュラ、アイロボットのルンバなどもそうですし、その流れはダイソンあたりが作ったのかなという感じがします。

奈津子:その“一点”が見つかれば、まだどのメーカーにも大きなチャンスがあるということですか。

安蔵:そうです。新たなライフスタイルを生み出すような製品の登場に、今年も期待したいですね。

(取材・文/安蔵靖志 奈津子)

profile-654x720 あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。

 

 

natsuko_profile なつこ/女優・タレント

ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」

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