奈津子×安蔵靖志の「最新家電」丸わかりニュース:2017年3月
&GP / 2017年4月5日 20時0分
奈津子×安蔵靖志の「最新家電」丸わかりニュース:2017年3月
元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。第6回は2017年3月に発表された家電製品を中心に紹介します。
安蔵:3月初旬に、「Jake Dyson」の発表会がありましたね。Jake Dyson(ジェイク・ダイソン)といえばダイソン創業者であるジェームズ・ダイソン氏の子息で、ジェイク氏が独自に開発した「Jake Dyson Light」は現在ダイソンの傘下に入っています(現在は「dyson csys desk」としてラインアップ)。
▲LEDデスクライトの「dyson csys desk」
奈津子:デスクライトはすごくスタイリッシュだと思っていましたが、今度はB to B向けのオフィス照明ということですね。
安蔵:「Cu-Beam(キュー・ビーム)」という名前で、オフィスを中心に販売していくとのことです。
▲オフィス向けに販売していく予定のLE照明「Cu-Beam(キュー・ビーム)」(写真上)と、カットモデルを持つジェイク・ダイソン氏
奈津子:発表会でジェイクさんが語っていた「日本の家庭の照明にびっくりした」というエピソードが印象深かったです。
安蔵:「どのリビングにも円球型の白く浮かぶ明かりがあることに違和感があった」というものですね。確かにあの円形のシーリングライトは日本ならではというか、日本人の「合理性」が生み出したものという感じですね。
奈津子:私自身も日本の家庭で育ってきたので、言われなければその違和感に気がつきませんでした。でもオフィスの照明についても同様で、「青白い無機質な蛍光灯の光の下で朝から晩まで働いていたらうつ病になるし自殺したくなるだろう」と話していたのを聞いて確かに……と思いました。
安蔵:私は仕事場で色合いを変えられるLED照明を使っていますが、照明って結構重要ですよね。
奈津子:私自身も締め切りで追い込まれているときほど照明は気にしています。自律神経が安定していないと、むちゃくちゃな文章になっちゃうんですよ。
安蔵:基板の熱を「ヒートパイプテクノロジー」を使って冷却することで1つの大型LEDを使って「複数の影ができない」、「効率のよい照明」を作りだすことに成功しました。
▲1個の大型LEDを拡散させるスタイルを採用。LED背面の基板を冷却する「ヒートパイプテクノロジー」によって長寿命化を実現しているという
奈津子:光の印象は“きれいなピラミッド型”で、光が明確な三角形になってみえるのが新鮮でした。手動ではあるものの、シャッターを自在に手で調節して光量や照射する光の面積をデザインできるのは新しいですね。また、壁(アップ)と床(ダウン)への反射をうまく生かして、空間そのものをデザインしているのも印象的でした。
▲1個のLEDの光を拡散させているため、複数のLEDを使う照明と違って複数の影ができることがない
安蔵:会議用とか通常の就業時間向けとか、さまざまな用途に合わせて光を調節できるというのは面白いですね。
奈津子:28万円前後という価格は、オフィス用であることを考えると妥当なのかもしれませんが……。一般住宅にも導入しやすい価格になるといいですよね。
■衣類スチーマーなら忙しい朝の衣類メンテもラクラク?
安蔵:奈津子さんも愛用しているパナソニックの「衣類スチーマー」、最新モデルが出てきましたね。今回は大々的に発表会を行いました。お笑い芸人、ロバートの秋山竜次さんがトータル・ファッション・アドバイザー「YOKO FUCHIGAMI」に扮して登場し、パナソニックの商品企画担当者と軽快なトークを繰り広げました
▲パナソニックの商品企画担当者の清藤美里さんと、トータル・ファッション・アドバイザー「YOKO FUCHIGAMI」ことロバートの秋山竜次さん
奈津子:YOKO FUCHIGAMIさんのトークは神ががっていましたね。あんなにご自身のキャラクターと、 製品の魅力とをちゃんとうまくミックスさせてトークできるなんて凄いです。パナソニックの衣類スチーマーは2つ前のモデルから愛用していますが、あれを購入してから私の「アイロンがけライフ」が一変しました。
▲パナソニックが4月21日に発売する「衣類スチーマー NI-FS530」(予想実勢価格1万2000円前後)
安蔵:衣類スチーマーって以前からありますけど、スチームを噴射するだけでなく「アイロンがけ」ができるっていうのはなかなかないですよね。
奈津子:かけ心地が軽いのに、本当にすぐにシワが取れますし、シャツなら2〜3枚一気にいけます。アイロン台を使わずにハンガーにかけたままでできること、除菌・脱臭ができることが大きな魅力です。
▲しわしわのワイシャツだが……
▲衣類スチーマーをかけることでみるみるしわが伸びていく
安蔵:撮影現場でプロのスタイリストさんが使っているところはよく見ますね。
奈津子:そうなんですよ。新製品ではスチームの立ち上がりが30秒から24秒に短縮された点と、スチームが広がりやすくなったこと、自動ヒーターオフ機能が付いたのが大きな違いです。忙しい朝には、これらの新機能は特に助かります。
▲約30年前にパナソニックが発売した衣類スチーマーも展示されていた
安蔵:2年ぐらい前から使っているそうですが、使い心地はどうですか?
奈津子:これだけ買って良かったと心から思える家電はそうないですね。以前からラジオやさまざまな媒体で紹介していますが、紹介されて購入した友人からも本当に反応がいいです。あえて文句を言うなら、水を入れるための付属のカップと、アイロンを置くための台が100パーセント行方不明になるというところですかね(笑)。
安蔵:それは奈津子さんの問題では……?(笑)
奈津子:そうなんですけど。新生活シーズンは出会いの季節でもありますので、この衣類スチーマーでこまめに衣類をケアして「清潔感」を手に入れ、出会いをしっかりゲットしてほしいですね。
▲YOKO FUCHIGAMIさんの等身大パネルと記念撮影する奈津子さん
■声で相談する「AIoT家電」が今後さらに増える予感
奈津子:シャープの「AIoT冷蔵庫」もかなり興味深い製品でしたね。
▲シャープが2017年3月に発売したAIoT冷蔵庫「SJ-TF49C」(実勢価格35万円)
安蔵:シャープはすでに「ヘルシオ AX-XW300」で「AI(人工知能)」+「IoT(インターネット家電)」を組み合わせた「AIoT」製品を出してますから、今回が第2弾ということになります。
奈津子:音声で買いたい食材や生活用品をメモできる「買い物メモ」や、食材を話すだけでレシピを教えてくれる「献立相談」機能などは便利だなと感じました。
▲「おはなし」ボタンを押して音声認識機能を利用する
安蔵:ちょっと音声認識が甘いかなというのと、買い物メモなどは「しょう油と卵と牛乳と鶏肉」……みたいな感じに複数の品目を一気に認識してくれるようじゃないと使いづらいかなと感じました。
奈津子:確かにそういう部分は感じましたが、着眼点はいいと思います。それに私からの献立相談に対してちゃんと旬の野菜を使ったレシピを紹介してくれたのは感動しました。これならキッチンライフが楽しくなりそうです。
安蔵:買い物メモとか提案してくれたレシピとかは、スマホ・タブレット向けの「COCORO KITCHEN」アプリで確認できるので、買い物や料理がしやすくなりそうですね。
▲スマホ・タブレット向けの「COCORO KITCHEN」アプリで買い物メモやレシピなどを確認できる
奈津子:ただ、シャープの大きな特徴の一つ「メガフリーザー」がベースになっていないところはちょっと惜しいなと感じました。
▲最下段に野菜室を配置するオーソドックスなスタイルを採用。冷凍室を大きくしたシャープ独自の「メガフリーザー」ではない
安蔵:開発期間の問題もあるようですが、冷凍庫が大容量で使いやすい「メガフリーザー」はシャープの強みですから、そこは採用してた方がよりシャープらしい製品になった気がしますね。
奈津子:コミュニケーションロボットの「RoBoHoN(ロボホン)」やヘルシオもそうですが、もう少しスムーズにお話ができるようになることを早急に期待したいです。そうすることで、より普及に弾みが付くのではないかと思います。
■薄型テレビは「音」が進化
安蔵:東芝とLGエレクトロニクスから最新の薄型テレビが発表されましたね。東芝はその昔人気だった「重低音BAZOOKA(バズーカ)」を搭載し、LGは最近話題のサラウンド音響技術「ドルビーアトモス」を搭載してきました。
奈津子:東芝のREGZA BZ710Xシリーズは「重低音」をはじめとする音質の迫力もそうなんですが、「美肌」を売りにしているのが印象的でした。
▲「美肌」を売りにする東芝「REGZA BZ710Xシリーズ」
安蔵:美肌といっても、スマホで自撮りする場合に肌をすべすべな感じに加工する美肌とは違って、素のままを生かすという感じでしたね。
奈津子:そうなんですよ! デモ映像ではモデルさんの肌にうっすらと鳥肌が立っているのが、RZ710Xシリーズではよく分かるんですよ。美肌エンジン搭載モデルと非搭載の前のモデルでは、その表現力が段違いなのがよく分かりました。テレビにも出させてもらっている立場としては、気が引き締まる思いです。これからはもう、毛穴は隠せませんね……(笑)。
▲「美肌リアライザー」によって、従来モデル(写真右)に比べて肌の質感がアップしている
▲こちらはBZ710Xシリーズに搭載している「重低音BAZOOKA」
▲本体下部に大型スピーカーを配置している
安蔵:確かに、フルハイビジョンになってファンデーションのきめが細かくなったという話は聞きましたが、4Kでさらに美肌エンジンまで載ってくると、さらに要求水準が上がりますね。また、LGの有機ELテレビの印象はいかがでしたか。
奈津子:何よりもまず、その薄さに驚きました。自発光になるだけで、あんななに薄くできるのでしょうか……。有機テレビの凄みを感じました。
▲LGエレクトロニクスが2016年4月上旬に発売する有機ELテレビ「OLED 65W7P」(予想実勢価格100万円前後)
▲ディスプレイ用のパネルと一体化していたため分かりにくいが、厚さは3.9mmとのこと
安蔵:液晶テレビもかなり薄くなっていますけど、有機ELはバックライトが不要な自発光デバイスなので、薄型化するのにはやはり有利ですよね。
奈津子:とにかく海や山、川など自然を映した映像の美しさに目を見張りました。ほかのメーカーに比べて「パキッ」とした、解像感のある印象を受けました。
安蔵:最近は4Kテレビが暗い映像からまばゆい光まで再現する「HDR(High Dynamic Range)」規格に対応したことが話題になっていですが、LGのテレビは他社に先駆けて、HDRの上位規格である「Dolby Vision(ドルビービジョン)」に対応したんですよね。また、テレビとしては世界で初めて搭載したサラウンド技術の「Dolby ATMOS(ドルビーアトモス)」も注目ですね。
▲ドルビーが用意するデモ映像とドルビーアトモスのサウンドを体験した
奈津子:ドルビーアトモスはよく見るデモ映像でしか体験できませんでしたが、音が上下左右、自分の周りを自由自在に動き回るような不思議な感覚を味わえました。画面下にあるスピーカーから、あれだけ動き回るような音を生み出せる仕組みというのは不思議でなりません。ドルビーアトモス対応のコンテンツをたくさん楽しんでみたいですね。
▲インビジブル(前から見えない)スピーカーで立体的な音響を実現するのはなかなか不思議な体験だ
■ダイソンの空気清浄機はフィルターが進化!
安蔵:先ほどはジェイク・ダイソンのLED照明を紹介しましたが、ダイソンの空気清浄機「Pureシリーズ」からも最新モデルが登場しましたね。
▲ダイソンが4月5日に直営店や直販サイトなどで販売を開始し、4月26日から一般発売する「Dyson Pureシリーズ」3モデル。左から「Dyson Pure Cool Link」のタワーファン(予想実勢価格6万4800前後)、テーブルファン(同49800円前後)、「Dyson Pure Hot+Cool Link」(同7万2800円前後)
奈津子:今回はフィルターが高性能化したということなんですね。
安蔵:そうですね。活性炭の量が約3.3倍に増やしただけでなく、トリス緩衝液でコーティングすることによってホルムアルデヒドの捕集能力と分解能力が向上しているそうです。
▲今回のモデルではフィルターが高性能化したのことだ
奈津子:ホルムアルデヒドというと、シックハウス症候群の原因とされている物質ですよね。
安蔵:そうです。フィルター自体は従来モデルでも使えるとのことなので、既存のユーザーにとってもうれしい進化ですね。
▲「Dyson Pure Hot+Cool Link」を分解したもの
奈津子:発表会には元水泳オリンピック選手の寺川綾さんが登場して、遠征先での体調管理の秘訣なども話されていました。個人的には最近出張やロケ撮影が多いので、空気に気を付けるとか加湿に気を付けるといった考え方はとても勉強になりました。
▲ダイソンの空調家電製品開発責任者のドミニク・メイソン氏と、元水泳オリンピック選手の寺川綾さん
(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。
なつこ/女優・タレント
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」
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