トルコ・イスタンブール最古のビザンツ建築、ユスティニアヌス帝が聖人に捧げた教会「キュチュック・アヤソフィア」

GOTRIP! / 2019年11月2日 6時30分

トルコ共和国最大の都市、イスタンブールは、かつてビザンツ帝国の帝都コンスタンティノープルとして栄華を極めました。

イスタンブールには、ビザンツ時代の歴史ある建造物がいまでも残っており、博物館として一般公開されているものや、街中に当時のままの面影を残しながら建っている記念碑などが数多く見られます。

イスタンブールの観光でまず外せないアヤソフィア博物館は、聖堂からモスクに、そして無宗教の博物館に転用された代表的なビザンツ建築のひとつですが、そんなアヤソフィアを建設したユスティニアヌス1世が建設したもののなかに、「キュチュック・アヤソフィア」があるのは、あまり知られていません。

「キュチュック・アヤソフィア・モスク(Küçük Ayasofya Camii)」は、小さなアヤソフィアという意味です。あのアヤソフィア大聖堂と同じく、コンスタンティノープル陥落後に教会(聖堂)からモスクに改修されました。「キュチュック・アヤソフィア」は博物館には転用されず、現在でもムスリムの祈りの場として利用されている現役のモスクです。

「キュチュック・アヤソフィア」は536年にユスティニアヌス帝によって「聖セルジウス・バッカス教会」として建設されたのが起源です。アヤソフィア博物館よりも歴史は古く、イスタンブールに現存する最古のビザンツ建築として、マルマラ海岸沿いに静かに佇んでいます。

ユスティニアヌスがまだ皇帝になる前、当時の皇帝ユスティヌスに暴動を仕掛けたとして処刑されるところでした。ユスティニアヌスが処刑に課される前のある夜、二人の聖人セルジウスとバッカスがユスティヌスの前に突如現れ、ユスティニアヌスを処刑しないように伝えました。その結果、ユスティニアヌスは処刑を逃れ、数年後の527年に皇帝になることができました。ユスティニアヌスは、自身が皇帝になることを手助けしたこの二人の聖人に、教会を捧げるべく建築したという伝説が残っています。

コンスタンティノープルが陥落し、オスマン帝国の領土になってから約60年後の1513年、当時のトプカプ宮殿のハレムの宦官長ヒュセイン・アーによって、教会はモスクに改修されました。1740年には大宰相ハジュ・アフメト・パシャによって泉亭が増築され、1762年には初めてミナレット(尖塔)が建てられ、時代が経つごとに、教会はよりいっそうモスクらしい姿に変わっていったのです。

モスクに転用されたものの、教会の内部には古代ギリシア語の碑文が残っていたり、所々にビザンツ時代の面影を感じることができます。真っ白な天井や壁面と、青の絨毯のコントラストが美しい空間です。トルコ史上最高の建築家と評されるミマール・スィナンが、リュステム・パシャ・モスクを建設する際に、この「リトル・アヤソフィア」の建築構造を手本にしたというくらい、当時としては珍しくユニークな造りであったことは言うまでもありません。

イスタンブールを訪れたら、ぜひ「リトル・アヤソフィア」にも立ち寄ってみてください。この街が辿った複雑な歴史や、ユスティニアヌス帝の秘められた思いを、きっと感じることができるはずです。

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名前 キュチュック・アヤソフィア・ジャーミィ
住所 Küçük Ayasofya Mh., Küçük Ayasofya Cami Sk. No:20, Istanbul 34122

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