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製造工程も見学できるライカファンの聖地、ドイツ・ヴェッツラーの「ライツパーク」

GOTRIP! / 2018年2月4日 16時30分

フランクフルトから北へおよそ70キロ、ドイツ・ヘッセン州にヴェッツラーという町があります。

ドイツ文学に詳しい人なら、その名を聞けば文豪ゲーテを思い浮かべるはず。というのも、ヴェッツラーは彼の出世作である「若きヴェルテルの悩み」の舞台となった町だからです。

1772年、法律家見習いとしてヴェッツラーにやってきたゲーテは、一人の美しい女性シャルロッテ・ブッフに恋をします。しかし、シャルロッテはすでに婚約者のいる身。叶わぬ恋に苦しんだゲーテは失意のままヴェッツラーを去り、のちにこの体験をもとに「若きヴェルテルの悩み」を書きあげました。

そんなゲーテゆかりの地として知られるヴェッツラーですが、この町にはほかにも世界に誇れるものがあります。

それが、カメラマニアが愛してやまないドイツのカメラメーカー「ライカ」の本拠地。

ちなみに「ライカ(Leica)」というブランド名は、考案者のエルンスト・ライツ(Ernst Leitz)の名前の一部と、「カメラ(Camera)」という単語の一部を組み合わせて生まれたものです。

ライカカメラ社の本社は1988年にヴェッツラー近郊の町ゾルムスに移転していましたが、ライカカメラが100周年を迎えた2014年、エルンスト・ライツ社発祥の地であるヴェッツラーへと戻ってきました。

ヴェッツラーの郊外には、ライカカメラ社の社屋やライツカフェなどがある「ライツパーク」があり、ライカファンの聖地となっています。

2018年5月ごろには、ライカで撮影された写真や、カメラやその設計図などがデザインされた壁紙など、部屋の中でもライカワールドが楽しめるホテル「arcona LIVING ERNST LEITZ HOTEL」が開業予定。さらに魅力がアップするライツパークからますます目が離せません。

ライカの本社社屋は、カメラのレンズや双眼鏡をイメージしたという円形のスタイリッシュな建物。内部には「World of Leica Experience」と題したミュージアムがあり、誰でも自由に見学できます。

展示スペースに足を踏み入れると、まず目に留まるのはフォトギャラリー。展示内容は3ヵ月ごとに替わり、展示の入れ替え時には、ギャラリー部分の壁をすべて塗りなおすといいます。

さらに、社屋天井のガラスはギャラリーに陰ができないよう特別仕様。さすがライカ、その世界観を表現するためには妥協を許さないようです。

その奥には、1910年代から2010年代までの100年間を36枚の写真で振り返る、「36 AUS 100」のコーナーも。

チェ・ゲバラやモハメド・アリなど、誰もが一度は耳にしたことがある人物も登場する、ライカと35ミリカメラを使った写真の数々を通して、過去100年の歴史に触れることができます。

ライカファンなら真っ先に向かうであろう場所が、ライカカメラ第1号の「ウル・ライカ」をはじめライカの記念碑的モデルが並ぶコーナー。

1914年に生まれたウル・ライカは、なんと200万ユーロもの価値があるということで、展示されているのはレプリカ。オリジナルは金庫に大切に保管されているそうです。

面白いのは、時期によって展示が入れ替わるというスペースには、歴代のライカの主要モデルに加え、世界各国で作られたライカの模造品も展示されていたこと。

ライカの模造品をあえて展示するのには、「ライカが世界各地でこぞって真似されるだけのブランド力があった」ということを示す意味があるのだそう。日本で作られた模造品もありました。

エントランスの裏側には、ライカ製品の製造工程を見学できるコーナーもあり、ライカファンなら感激すること間違いなしの光景が広がっています。

作業場と見学エリアはガラスで隔てられているものの、至近距離で技術者たちの作業風景が見られるうえ、パネルで作業工程の説明を読んだり、モニターで作業風景のアップを見ることもできるのです。

筆者にとって印象的だったのが、思いのほか女性の技術者が多いこと。かなりのベテランと思われる人も多く、「世界のライカで誇りをもって働いているのだろうな」ということが想像できます。

そして製造工程の見学の後には、ライカカメラやレンズ、双眼鏡など歴代のライカ製品がずらりと並び、ライカブランドの軌跡をたどることができるようになっています。

製造工程を見た後に出来上がった製品を目にすると、特別感もひとしおです。

もうひとつ、ファンにとってたまらないのがライカストア。

カメラや双眼鏡といったライカの現行製品はもちろんのこと、カメラをかたどったキーホルダーやUSBスティック、タンブラー、Tシャツなど、レアなライカグッズが揃う店内は、まさに宝の山です。

ここまでご紹介してきたエリアは、営業時間中なら誰でも予約なしで自由に見学可能。

加えて、社屋のさらに奥にあるカスタマーケア部門なども見学できるガイドツアー(有料)も実施されています。ただし、専任のガイドがいるわけではなく、ライカ社員によるガイドのため、事前の予約が必要。

ガイドツアーでのみ見学できるエリアは写真撮影禁止のため、ツアーで見られる風景は実際に参加してのお楽しみです。

ライカ本社を見学した後は、ライツパーク内にあるライツカフェでひとやすみといきましょう。飲み物やデザートのほか、サンドイッチやスープなどの軽食もいただけます。

総合的にライカの世界が体感できるヴェッツラーのライツパーク。ライカファンにとっては、きっと夢のようなひとときになるに違いありません。

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

「THE WORLD OF LEICA AT THE LEITZ PARK」
https://us.leica-camera.com/World-of-Leica/Leitz-Park2/The-World-of-Leica-at-the-Leitz-Park

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