家に届けてもらえるお守り!?【全国】歴史文化が刻み込まれた立体の民芸お守り8選。
Hanako.tokyo / 2021年1月3日 12時0分
お守り、絵馬、御朱印などの授与品は、本来は寺社にきちんと参拝していただくべきもの。しかし、なかなかお参りできない今、寺社とのご縁を繋いでおければ、心強く過ごしていけそう。そこで今回は家にいながら授けていただけるお守りや授与品を集めました。12月28日(月)発売 Hanako1192号「幸せをよぶ、神社とお寺。」よりお届け。
蔵六面工房の「カセドリ人形」/山形
山田民芸工房の「起き上がり小法師」/福島
野上家の「瓦猿」/和歌山
五代目 両村の「金天だるま」/愛媛
よしを民芸店の「鹿面」/愛媛
筑前津屋崎人形巧房の「モマ笛」/福岡
豊泉堂の「福獅子」/大分
スタジオde-jin(デージン)の「シーサー」/沖縄
1.蔵六面工房の「カセドリ人形」/山形
山形県上山市では、毎年2月に「カセ鳥」という祭りが行われる。この人形のようにミノをかぶった「カセ鳥」が街を練り歩き、火伏せや商売繁盛を願う人々がそれに水をかけるものだ。モチーフとなる神「カセ鳥」は、この時期だけ他界からやってくる来訪神。こちらの張り子人形にも願いが込められている。問い合わせは電話にて。1,800円。
2.山田民芸工房の「起き上がり小法師」/福島
「七転び八起き」のことわざを体現し、押し倒しても自力で起き上がる小法師は、会津地域で最も古く約400年前から作られているという民芸品。家族の健康や子宝を願って買い求められる。〈山田民芸工房〉では、豆粒サイズからさまざまな大きさを作っており、電話で1つから注文可。写真は右から正月120円、豆250円、小350円(各税込)。
0242-23-1465
3.野上家の「瓦猿」/和歌山
かつて瓦職人の町として栄えた和歌山市田中町で、職人の内職として作られ始めた。子供を表す桃を抱えた子宝・安産祈願のお守りだ。妊娠したら1体授かり、無事出産が終わったらもう1体を買い合わせて奉納するしきたりがある。「変わらざる」とかけて、商売安泰・順風満帆を祈って買う人も。電話かFAXで受付、代引きで発送。1,500円(税込)。
073-425-1988
4.五代目 両村の「金天だるま」/愛媛
頭のてっぺんが平らに形成され、金色に塗られた張子のだるま。学業成就や金運など、さまざまな運を呼び込んでくれるとされ、愛媛県松山では古くから親しまれている。お腹の模様は白い部分が太陽、緑の部分は松葉を表現し、縁起のいい装いだ。現在は五代目の両村信恵さんが製作。販売は〈Nowvillage〉オンラインショップなどにて。800円。
089-922-3534
5.よしを民芸店の「鹿面」/愛媛
愛媛県宇和島で350年以上続く民俗芸能、八ツ鹿踊りにちなんだお面。〈よしを民芸店〉の宇都宮よしをさんの先代が考案し、約50年もの間作られていない期間があったが、川端さんの熱望により復活を遂げた。現在では人気のあまり品薄になることも。八ツ鹿踊りのように優美で繊細な気持ちをまとえそう。2,500円(小)。電話、HPで受付。
0895-24-6812
6.筑前津屋崎人形巧房の「モマ笛」/福岡
福岡県津屋崎では昔、ふくろうのことを「モマ」と呼び、先を見通す能力のあるこの鳥をかたどった笛がお守りに。かつては神社でも授与されていた縁起物で、玩具としてだけでなく、お年寄りが気道のトレーニングにも実用していたという。〈筑前津屋崎人形巧房〉ではサイズ違い、光沢の有無などで制作。写真は中サイズの光沢あり1,600円(税込)。
0940-52-0419
7.豊泉堂の「福獅子」/大分
除厄・豊作祈願のため豊後地方一帯に舞わせたとされる獅子がモチーフ。七つの災いを取り払い、七つの福を運んでくれる「七難即滅七福即生」の縁起物だ。紅白一対で、作家の宮脇弘至さんが成形から色付けまで手作業している。セレクトショップ等で扱われるが、いずれも売り切れが続く。宮脇さんも問い合わせに対応してくれる。1,000円。
0977-21-1040
8.スタジオde-jin(デージン)の「シーサー」/沖縄
現在では陶製や漆喰製が多く見られるシーサーは、本来は災いを防ぐために村落の入り口に設置された、頑丈な石製だった。〈スタジオde-jin〉では琉球石灰岩を好んで用い、ほっこりと味のある作品に仕上げている。写真はタテガミシーサー(小)3,800円。ほか、HPには、個性さまざまなシーサーを紹介。サイズ別にオーダーできる。注文は電話かメールで。
098-887-7466
info@de-jin.com
優しいパワーを与えてくれる立体のお守りは、近年増加中。
だるまや人形など、祈りが込められたものは寺社の授与品だけではなく、民芸品の中にも地域住民のお守りとして大事にされてきたものがある。「授与品であるか民芸品であるか、それには大した意味はないと思うんです。人々が祈りを込めて大切に作ってきたお守りには力があります」とは、長く縁起物をウォッチしてきた編集者の川端正吾さん。「この10年を振り返ると、作り手が途絶えてしまったものもありますが復刻されたものも多いんですよ」。郷土玩具の良さが見直されるにつれ、継ぎ手が現れたり、制作を再開したりするところが増えた。地域の伝承を取り入れ、新たなお守りを作る職人もいるそうだ。「近ごろは女性人気も高まっているので、かわいらしいものも増えました。同じ工房でも代替わりすると違った表情になることも。それも含めて面白いですね」
家に送っていただく時の注意点は?「寺社の授与品なら、返納の必要なものは可能な時期に参詣すること。また、授与や販売の時期が限られているものも多いので、待つ楽しみも味わいましょう」心も和ませてくれるものを傍に、一年の開運を祈ろう。
Navigator…川端正吾(かわばた・しょうご)
編集者。祖母の家が兵庫県城崎温泉の民芸品店であったことから、縁起物のファンに。雑誌『BRUTUS』では全国から集めたものを紹介。
※掲載品は送料別です。
(Hanako1192号掲載/photo : Natsumi Kakuto text : Kahoko Nishimura, Wako Kanashiro)
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