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【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張!夏の香りが詰まった香味野菜にぴったり「櫛羅 純米 無濾過生原酒」~『伊藤家の晩酌』第二十六夜2本目~

Hanako.tokyo / 2021年8月22日 17時50分

【出張篇】料理家ワタナベマキさん宅へ出張!夏の香りが詰まった香味野菜にぴったり「櫛羅 純米 無濾過生原酒」~『伊藤家の晩酌』第二十六夜2本目~

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回から伊藤家を飛び出し、出張篇を全3回でお届け。「一番好きなお酒は日本酒!」という料理家のワタナベマキさんのお宅にお邪魔し、スパイスを使った料理を作っていただきました。スパイス×日本酒、その相性はいかに!?第二十六夜の2本目は、夏らしいさわやかさですっきり飲める奈良のお酒。

連載第100回目を記念する特別ゲストは、料理家のワタナベマキさん!



娘・ひいな(以下、ひいな)「お知らせがあります。なんと、『伊藤家の晩酌』、この回をもちまして、連載第100回目になりました!」


父・徹也(以下、テツヤ)「イェ〜イ!」


ワタナベマキ(以下、マキ)「すごい!何年やってるんですか?」


テツヤ「2年ちょっとかな?」(ライター注:2019年7月21日に連載がスタートしました)


ひいな「もうそんなに経つんだね。毎週日曜日にコツコツと続けてきたおかげです」


マキ「毎週か。それはすごいね」


テツヤ「サザエさんみたいにね(笑)。でもこの回から、毎週じゃなくて隔週掲載になるんですけどね」


マキ「それでも隔週もすごいです」


テツヤ「記念すべき100回目に、マキさんに出ていただけて本当にありがとうございます」


マキ「そんな記念すべき日に、こちらこそ、ありがとうございます。うれしいです」


ひいな「私、もしかしたら、こんなに長く物事を続けたことないかもしれない」



テツヤ「あはは(笑)。連載100回ってなかなかないよね」


マキ「ないない!」


テツヤ「じゃ、孫の代まで続けていこうかね(笑)」


マキ「それにしても、100回はすごいなぁ」

夏の香り漂う香味野菜と、鮎のほろ苦さが大人の味わい「鮎の塩焼きと香味野菜の和えもの」。



マキ「2品目は、夏らしく鮎を使いました。とてもシンプルに薬味と塩を効かせて焼いた鮎を和えたものなんですけど、アクセントにちょっと辛味を効かせたくて、夏なので青唐辛子を入れました」


テツヤ「このおつまみは、延々と食べてられそうだな。酒が進むつまみですね」


マキ「うん、延々と食べてられると思います(笑)」

強めに塩を振った鮎を、こんがりと焼き目がつくまで焼く。

焼いた鮎は熱いうちに頭と骨はずして、身をほぐし、熱いうちにスダチを回しかけることで臭みをとります。

ミツバ、ショウガ、ミョウガを細かく切って水にさらしておく。青唐辛子はお好みで。

鮎と薬味を和え、足りなければ塩を加えて味を調える。最後にゴマを加えて完成。



マキ「今回は、苦味のある魚のほうが日本酒に合うかなと思って、鮎にしました」


ひいな「苦味をまるごと生かすんですね」


マキ「うんうん」



テツヤ「夏にぴったりなつまみだなぁ。もうこれは全部混ざってるから、ひと口の中にいろいろな味が組み合わさってるんですね」


ひいな「早く!食べたい!」


一同「いただきます!」


テツヤ「あぁ〜。うんうん」
(一同、無言に)

目をつぶって味わう、父・テツヤ。この表情でわかりまよね?



マキ「どうですか?」


テツヤ「っていうか、酒いらないかも?」


マキ「え(笑)?」


ひいな「わかる。おそうめん食べたくなる!」


テツヤ「“何も足さない、何も引かない”って、確かウイスキーのコマーシャルあったけどさ、ほんとにすごいですね。完璧なバランス」


ひいな「青唐辛子が効いてます。すごくおいしい!」


テツヤ「旅館の先付けでこれでてきたら、もうずっとこれでいいってやつですね」


マキ「鮎とスダチの酸味と薬味とのバランスがね」


テツヤ「日本の夏の香りが詰まってる感じがね、もう最高です」


マキ「そうそう」


テツヤ「めっちゃ日本の夏ですね!」


ひいな「本当においしいです!やっぱりお酒飲みたくなってきたので(笑)持ってきますね」

「鮎の塩焼きと香味野菜の和えもの」に合わせるのは、「櫛羅 純米 無濾過生原酒」。

奈良県御所(ごせ)市にある、櫛羅(くじら)という町にある千代酒造。櫛羅の地で育てられた山田錦を100%使用。他にも「篠峯」という銘柄も人気。「櫛羅 純米 無濾過生原酒」720ml 1500円(税込・ひいな購入時価格)/千代酒造株式会社



ひいな「奈良県のお酒です!」


テツヤ「へぇ」


ひいな「『櫛羅』と書いて『くじら』と読みます」


マキ「おもしろい字を書くんですね。どうしてこの名前なんだろう」


ひいな「『櫛羅』っていう町に蔵があるみたいで」


テツヤ「へぇ、そうなんだ」


マキ「すてきなボトル!」


ひいな「そうなんです。このお酒も無ろ過生原酒になります。お注ぎしますね」

無ろ過生原酒の透明ボトルが夏らしく涼しげ。

2本目、乾杯!

いただきます!

口に含み、じっくり味わいます。



一同「乾杯!」


マキ「『櫛羅』、いただきます!」


テツヤ「わ、これ発泡してるじゃん!」


マキ「うん!本当だ!」


ひいな「うん、発泡してるね」


テツヤ「これ、マキさん好きなお酒じゃないですか?」


マキ「うん。好き、好き。この発泡感がいいね、すごく」


テツヤ「これはね、つまみに合わせる前から合うってわかるわ」


マキ「うん、絶対おいしいよね」


テツヤ「ひいな、すごいね」


ひいな「やりましたね」


テツヤ「ツーストライク!」


マキ「あぁ。おいしいなぁ。すごく合う」


ひいな「わぁ、よかった!」


テツヤ「想像力ってすばらしいねぇ」


マキ「本当だね」


ひいな「鮎ってお聞きしたので、ほろ苦さにマッチするんじゃないかなと思ったのと、青唐辛子のさわやかな辛さにすごく合ってるね」


テツヤ「うんうん、合ってる」


マキ「本当においしい。このお酒、微発泡でさわやかなのにすごく深みがある。だから鮎の苦味とも合うというか」



ひいな「そうなんです。苦味と合いますよね。微発泡感もいいし。お酒にも少し苦味があって」


テツヤ「あぁ、わかるわかる。これはもう延々と食べてたいし、ずっと飲んでたいね」


マキ「うれしいなぁ」


テツヤ「この料理は、どういうふうに生まれたものなんですか?鮎を使うことが前提だったんですか?」


マキ「うん。夏のお魚を使いたくて」


テツヤ「魚料理というのが決まってたんですね」


マキ「そう。魚料理がいいなと思って。1品目が豚肉の和えものだから、2品目は焼き目をつけてちょっと香ばしさを出した料理にしようかなと」


テツヤ「魚鮎焼くときて…」


マキ「そうすると酸味入れたくなっちゃって。スダチを」



ひいな「そうやってお料理を組み立てていくんですね。勉強になります!」


マキ「でもね、柚子胡椒にしようか、スダチと塩と生の青唐辛子にしようか、すごく悩んだんです。でも青唐辛子が旬だからフレッシュなほうがいいかなと思って」


ひいな「すばらしいです」


テツヤ「試作はなし?」


マキ「あ、そうですね(笑)」


テツヤ「わ、すごい。脳内調理だ!」



ひいな「脳内調理って言葉が初めて出た(笑)」


テツヤ「想像力ってほんとにすごいね」


マキ「どんな料理かな?って想像しながらのお酒選びってどうでしたか?」



ひいな「スパイスに合うお酒というのは、自分の中で何本かストックがあって」


テツヤ「お!そうなんだ」


マキ「わ、すごい、すごい!」


ひいな「1本目みたいに幅広く合わせられるものと、もうひとつはとがってるところをぶつけるお酒」


テツヤ「あえてね」


ひいな「あとは貴醸酒みたいなまったりしたやつを合わせるとか、いろいろ考えたんだけど、今回は事前にいただいてた情報は“香ばしく焼いた鮎と香味野菜”っていうのをお聞きしていて。まず、香味野菜に合わせるのを考えようと思って」


テツヤ「魚じゃなくて」


ひいな「うん。浜松町にある〈浅野日本酒店〉で相談して。いろいろ飲み比べてみたら、このとがり具合と微発泡な感じは、香味野菜に刺さるかなと思って合わせてみました」


テツヤ&マキ「おぉ〜!」


マキ「刺さる、刺さる」


テツヤ「俺、一度も行ったことないんだけどさ、京都の川床で一杯やってる気分だね、今」


マキ「いいねぇ。川の音、聞きながらね」


テツヤ「もうそうやって気持ちだけでもね、夏を感じないと。すごくさわやかだよね。お酒もおつまみも」


ひいな「ね。本当に夏らしい味わい!」

日本酒の味わいの表現の多様さ。甘み、酸味、苦味……複雑な味わいをどう表現するか?



ひいな「このお酒の第一印象が『とがっていて、おいしい!』しかなくて(笑)、ほかの方はどういう評価をされているのかを調べてみたの」


テツヤ「うんうん。気になるね」


ひいな「あるサイトでは、香りはふわりと穏やか。かつ、熟したメロンのように上品って書いてあって」


テツヤ「わかる。ちょっと苦味がある感じがメロンっていうか」


マキ「瓜っぽい?ちょっとした苦味があるのかも」


ひいな「果物じゃない感じありますよね。キュウリっぽさというか」


マキ「あるある。塩もみしたキュウリも合うと思うな」


ひいな「あぁ、いいですね。ほかには生酒らしいピチピチ感にピリッとした辛味と存在感のある酸味が特徴的、って書いてあって。鴨肉や白味魚に合うと」


テツヤ「お!」


マキ「合ってた!」


ひいな「こりゃ、合うわけだと」

日本酒×料理の大成功のマリアージュに、マキさんもおおよろこび!



ひいな「鮎を塩強めで焼いたとおっしゃってましたけど、このお酒はしょうゆとか味噌とかじゃなく、塩味が合うと思います」


マキ「うんうん、確かに塩が合いますね」


テツヤ「香味野菜のさわやかさと鮎の香ばしさにスダチの酸味と鮎の苦味と、いろいろな味が絡み合って複雑な味わいだもんね」


ひいな「日本酒も、甘みと苦味と酸味といろいろな味があるから合うのかな」


マキ「うんうん。飲めば飲むほど、複雑な味がする」



ひいな「このお酒の豆知識をひとつ」


マキ「はい!知りたい、知りたい」


ひいな「『櫛羅』は山田錦という酒造好適米を使ってるんですけど、奈良県御所(ごせ)市の櫛羅地区でつくられた山田錦100%なんです。山田錦といえば、兵庫県の特A地区のものが一番有名なんですけど、そこと比べて、櫛羅地区は、砂っぽくて肥料も水も抜けやすいんですって」


テツヤ「そりゃ、田んぼに適してないだろうね」


マキ「お米がつくりにくい場所ってことだよね?」


ひいな「そうなんです。そんな場所で育った山田錦なんです」


テツヤ「もしかして、そういう場所だからこそ生命力があるっていうか、旨味が凝縮するのかな?ほら、トマトとかもお水を与えない農法とかあるじゃないですか」


マキ「そうですね。そのほうが甘みが増したりね」


テツヤ「本当においしいもん、このお酒」


マキ「ずっと飲み続けられます」


テツヤ「マキさんお気に入りの近くの酒屋さんで売ってるといいんですけど」


マキ「そうですねぇ。あるといいんだけど」


テツヤ「日本酒って、自分が行く酒屋にどんな種類のお酒があるかによりますよね」


マキ「そうそう。だから、知らないお酒がまだまだいっぱいある。いいお酒を教えてもらっちゃいました!」


ひいな「こちらこそ、勉強になりました!」


テツヤ「新たな扉をマキさんが開いてくれたね」


マキ「うれしい。鮎って香りも味わいも広がるお魚だから、ほんとに日本酒と合うと思います」


テツヤ「マキさんが日本酒好きって一般的に知られてるんですか?」


マキ「いや、そんなに…」


テツヤ「お酒を飲むイメージないですもんね」


マキ「そうそう。でも私の料理を食べたことある人には、『お酒飲むんでしょ?』って言われる(笑)」


テツヤ「お酒飲む人にはすぐわかるんですね(笑)。これからは酒のお仕事もぜひ」


マキ「こんないいお仕事ないです!」


テツヤ「いやぁ最高でした。ほんとに」


マキ「わ〜い!」

ワタナベマキ
保存食や乾物を使った料理に定評があり、ライフスタイルを紹介した著書も多数。近著に『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版)、8月10日に『ワタナベマキのスパイス使い』(グラフィック社)を発売したばかり。

【ひいなのつぶやき】
料理を分割して考えると、日本酒のペアリングもやりやすくなることが今回、わかりました!塩味・苦味・香味×「櫛羅」。正解が生まれました!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita

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