木村ミサ行きつけ!ふらっと立ち寄りたい、下北沢〈ヽ-TEN-〉でいただく1杯
Hanako.tokyo / 2021年8月24日 12時0分
みなさまこんにちは。木村ミサです。猛暑とゲリラ豪雨が交差して、空も夏バテで気まぐれな日々。ぜひお茶で一服してくれたら晴れやかな日常が続くのではないでしょうか。そんなことを考えながら今回ご紹介するのは、下北沢にオープンしたばかりのお店〈ヽ-TEN-〉。それではまいりましょう。
再開発でうまれ変わった下北沢南西口。真新しい改札から降りて道を下ると“日常の「、(てん)」に一服いかがですか」と書かれた大きなのれんが見えます。なんだろう…と気になって見ていると、店主が笑顔で迎えてくれる。ここは、元々〈八雲茶寮〉にいた店主の青木さんが、今年の3月に始めたばかりのお店。下北沢はよく行くなじみのある街なので、ここは行かねば!と使命感で訪れてから定期的に通っている、とっても大好きなお茶屋さんです。
【本日の1杯目】ブレンドティー3種飲み比べ「桃とほうじ茶」「大葉と酢橘と釜炒り茶」「赤紫蘇と紅ひかり(和紅茶)」
左から「桃とほうじ茶」「大葉と酢橘と釜炒り茶」「赤紫蘇と紅ひかり(和紅茶)」各600円
〈ヽ-TEN-〉ではオリジナルブレンドティーの種類が豊富。元々〈八雲茶寮〉にあるお茶のコースで、お食事に寄せて季節に合わせたブレンドティーを提供していたことがきっかけで、お茶を楽しんでもらいたいという想いから始めたそう。それぞれ、お茶と合わせるものによって温度や淹れ方を変えているのだとか。数ある中から、「桃とほうじ茶」「赤紫蘇と紅ひかり(和紅茶)」「大葉と酢橘と釜炒り茶」をチョイス。
「桃とほうじ茶」は、ほうじ茶を煮出し、冷めたところに岡山県総社産のフレッシュな桃でフレーバーをつける。桃ジュースのような香りを感じながら一口いただくと、しっかりほうじ茶の香ばしさがありながらも、熟した桃を齧ったときのじゅわっと果汁が広がります。見た目もほうじ茶なので、まるで果樹園でお茶をいただいているような不思議な感覚。しっかりお茶の旨味が感じられます。甘みを一切入れていないのも、お茶を楽しんでもらいたいというこだわりから。想像してもらうより、ぜひ飲んで体験していただきたい1杯です。
「大葉と酢橘と釜炒り茶」は、私が初めて訪れたときに頼んだ1杯。酢橘が好きなので、文字から“おいしい”が漂っています。たっぷりのフレッシュな大葉と酢橘、宮崎県産の釜炒り茶を水出しで抽出しています。大葉の青々としたさわやかさに、釜炒り茶の雑味のない香ばしさを酢橘がきゅっとまとめてくれている。どのブレンドティーも総じて、合わせた素材がアクセントとなり、お茶の旨味を引き出してくれます。
最後は「赤紫蘇と紅ひかり(和紅茶)」のブレンドティー。個人的に、めちゃくちゃハマって最近よくテイクアウトするお気に入りの1杯です。和紅茶は鹿児島県知覧産の茶葉を低音で抽出しているので苦味も少なく、まろやかさがしっかり引き出されています。赤紫蘇の香りと和紅茶のまろやかさがさっぱりと飲みやすく、ゴクゴク飲めちゃう。〈ヽ-TEN-〉の「いただき」をお供に飲んだら、またさらに“おいしい”の向こう側へ連れて行かれるのではと、妄想。今度はその組み合わせでいただこう。
「お茶って色々な種類があるけど、どんな味なんだろう…」と気になっている方は、ぜひ飲み比べしてみてはいかがでしょうか。
【本日の2杯目】「抹茶×みちのく りんごジュース」
「抹茶×みちのく りんごジュース」小500円、大650円
長年、下北沢にいるなかで出会った人や、お茶を通して出会った人とのつながりを大切にしたいという店主の想いから、茶葉などもできるだけ下北沢の老舗のお茶屋さんや、知り合いの農園さんのものを使用するように。この「みちのくりんごジュース」も、知り合いのご実家の農園で作ったりんごジュースを使った、ご縁からできた1杯なのです。
うっとりするような可憐な見た目から、ポテンシャルの高さを感じます。抹茶とりんごジュースって、一体どんな感じなんだろう…?と、わくわくしながらいただくと、りんごジュースの甘みと抹茶のほろ苦さが、緻密な割合によってどちらも引き立て合いながら共存していることに驚き、思わず笑みが溢れる。抹茶が主役になるほうが多いイメージなのに、あなたは脇役で主役を引き立てることもできるのね。ますます抹茶のファンになりました!
【本日の甘味】「和菓子セット(玉蜀黍のきんとんと抹茶)」
「和菓子セット(玉蜀黍のきんとんと抹茶)」1,100円
こちらもつながりを大切にしている青木さんが、前職で一緒だった和菓子職人さんにお願いしたもの。新潟の和菓子ブランド〈nui〉の和菓子で、季節によって内容は変わります。今回は、旬の玉蜀黍のきんとんと合わせて抹茶のセットで。このころんとかわいらしいビジュアルから、どんな味を奏でるのだろう。
この表情できっと、衝撃が走ったことが伝わるかと。甘さ控えめながらも、玉蜀黍の素材の甘さがはっきりしています。つぶつぶの食感もたまに現れたりして、なにこれ、楽しい…!まるでがぶっと玉蜀黍にかじりついたような気持ちになります。それでいて、黄色くてかわいらしいビジュアル。それに合わせるお抹茶との相性も抜群。なんてポテンシャルの高い末恐ろしい子なのでしょう。お仕事頑張った日のご褒美に、一口ずつ噛み締めながらいただきたい、特別な和菓子。
10年近くなじみのある街・下北沢で、ペットボトルだけではない、本来のお茶の味を飲んでいただきたいという想いから始まった〈ヽ-TEN-〉。下北沢とお茶を通して出会ったつながりを、お茶を通して感じることができます。今年オープンしたばかりなのに、いつも行くたびに常連さんがお茶をしばきながら楽しく談笑する声が聞こえる。まるで、ずっとここにあったかのような安心感さえある。お茶と人との縁を大切にしている〈ヽ-TEN-〉にしか紡げないお茶のかたち。本日の一杯、召し上がれ!
〈ヽ-TEN-〉
東京都世田谷区北沢2-19-2
03-6453-2168
不定休
https://www.instagram.com/ten.shimokitazawa/
※緊急事態宣言期間中の9月12日(日)まで休業中。それ以降の営業時間についてはインスタグラムなどでご確認をお願い致します。
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