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【京都】若手作家たちの“工房兼ショップ”に注目。常に進化を続ける、ものづくりの現場へ。

Hanako.tokyo / 2021年9月22日 18時55分

【京都】若手作家たちの“工房兼ショップ”に注目。常に進化を続ける、ものづくりの現場へ。

伝統から新潮流が生まれる京都の工芸。工房とショップを同じ場所に構え、マイペースで創作する若手作家に注目を。制作の現場を間近に見られれば、作品への理解も愛着もさらに湧きそう。

【鍛金】無機質に見える金属に、手の温かみを感じる作品。〈Ren(レン)〉/浄土寺

入口近くのさまざまな道具が並ぶ作業台。鍛金作業をする時はカンカンと金属を打つ音が外まで響く。

蚤の市などで集めた古道具と作品がセンスよく並ぶ店内。

銅のやかん66,000円~。

左から、持ち手が真鍮、先が洋白のスプーン小2,640円、フォーク小、スプーン大各2,860円、フォーク大3,080円。

中根さんは美術工芸高校で彫刻を学んだ後、結婚指輪の制作に従事。2014年京都に工房を構え、指輪やオブジェ、カトラリーを制作。「鍛金は手を動かした分だけ形になるのが魅力」という。不定期で企画展を開催。次は9/18~26予定。

〈Ren(レン)〉
京都府京都市左京区浄土寺下南田町36
11:00~19:00不定休
※HPにて要確認

【うちわ】京うちわの基本を大切に、遊び心のあるデザインを提案。〈蜂屋うちわ職店〉/鹿ケ谷

細い竹骨を放射状に並べていく蜂屋さん。「京うちわは繊細さとしなやかさが大切」と話す。

京都の西洋民芸店〈グランピエ〉のオリジナル生地を使った草木染木版水玉うちわ各3,300円。今の暮らしに合うデザイン。

哲学の道に近い路地奥の一軒家が工房兼店舗。老舗〈阿以波〉で京うちわの基本を学び、2019年に独立。京都の黒谷和紙や故郷・山形の月山和紙から、着物の古裂(こぎれ)やインドの草木染、パキスタンの木版などを使ったうちわがそろう。紙や布を持ち込んでセミオーダーも可能。

〈蜂屋うちわ職店〉
京都府京都市左京区鹿ケ谷法然院西町40
080-6020-8859
10:00~17:00 月~金休

【清水焼】ふたつの窯の融合から、独自の焼き物が生まれる。〈蘇嶐窯(そりゅうがま)〉/清水五条

1.ろくろで陶土を成形する蘇嶐さんと、削って表面を整えるまどかさん。職人として刺激し合い支え合うことで、結婚20年目にしてますます仲良し。

食卓が和む縄文シリーズの箸置き。ビーナス、遮光器土偶など各4,400円。

高貴なイメージの京都青磁と、生活雑器として愛される小石原焼の飛鉋(とびかんな)の技法を融合させた日常使いの器が人気。新作の縄文シリーズは息子が作った火焔(かえん)土器をきっかけに、妻・まどかさんが縄文土器の魅力にはまって誕生。オブジェやカップ、盃などがそろう。

〈蘇嶐窯(そりゅうがま)〉
京都府京都市東山区清水4-170-22
075-561-8004
10:00~17:00 日休

若手作家たちの、 工房兼ショップへ。

常に進化を続ける京都のものづくりの現場。今注目は、工房とショップを併設した若手作家たちの動きだ。〈Ren(レン)〉の中根嶺(れん)さんは、金工作家。東京の会社で結婚指輪づくりに従事した後、京都・西陣で独立。5年の節目に左京区へ移転した。元家具店の倉庫だった物件を1年かけて自ら改装。光と風が通り抜ける心地いい空間の一角に、作業机を置く。「基本的には工房メイン。毎回テーマを決めて、1〜2カ月に一度ギャラリーとして開きたい」と中根さん。

京うちわの美しさに魅せられ、老舗の〈阿以波(あいば)〉で修業の後、路地奥の長屋の一軒に自分の城を構えたのは、〈蜂屋うちわ職店〉の蜂屋佑季(ゆうき)さん。靴を脱いで上がる部屋で、材料の和紙や道具を間近に見られる。京都・清水の4代目・涌波蘇嶐(わくなみそりゅう)さんと、福岡・小石原焼で14代続く窯元出身の妻・まどかさんが始めた〈蘇嶐窯〉も工房とショップが一体化。作り手の顔が見えて、話もできる。その距離感とマイペースな創作活動が、時代に心地よく寄り添う。

(Hanako1200号掲載/photo : Yoshiko Watanabe text : Natsuko Konagaya)

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