中国、最新鋭の大型ロケット「長征五号」の打ち上げに失敗。今後の宇宙計画への影響は?

HARBOR BUSINESS Online / 2017年7月7日 8時46分

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 中華人民共和国(中国)は7月2日夜、中国南部の海南島にある文昌宇宙センターから、最新鋭ロケット「長征五号」を打ち上げた。しかしその約1時間、国営の新華社通信などは、飛行中にトラブルが起きたとし、打ち上げは失敗したと報じた。

 長征五号は昨年11月に1号機が打ち上げられたばかりで、今回が2機目の打ち上げだった。ロケットは太平洋に落下したとみられ、またロケットに搭載されていた、先進的な技術を採用した人工衛星の試験機「実践十八号」も失われた。

 今回は、長征五号や実践十八号の特徴と、今回の失敗による、今後の中国の宇宙開発への影響について解説したい。

◆中国最大・最新鋭のロケット「長征五号」

 長征五号は昨年11月に初めて打ち上げられた最新鋭のロケットで、中国が運用するロケットの中で最大、世界でも2番目に強力な打ち上げ能力をもつ。その能力をいかして、大型の人工衛星や、月・惑星探査機、さらには宇宙ステーションといった、大きく重い積み荷を打ち上げることを目的としている。

 中国は1970年代から宇宙開発を続けてきているが、現在主力となっているロケットは、その当時に開発されたものを、機体やエンジンを改良して使い続けている。そのため信頼性は比較的高いものの、これ以上の抜本的な改良はできず、打ち上げ能力をさらに高めたり、コストダウンをしたりといったことが難しくなった。

 おりしも、中国のみならず世界中な傾向として、人工衛星は大きく重くなり、さらにロケットのコストダウンも求められるようになった。それに対応できる新世代のロケットとして新たに開発されたのが、今回失敗した長征五号を含む、新型長征ロケットである。

 新型長征ロケットは、長征五号の他に、長征六号と七号の大きく3種類がある。このうち長征五号は特大の人工衛星や月・惑星探査機、宇宙ステーションといった大きくて重い積み荷の打ち上げに、長征六号は小型衛星に、そして長征七号は、中型~大型の人工衛星や有人宇宙船などを打ち上げる主力ロケットとして使われる。

 またこの長征五号、六号、七号は、機体の形も大きさも異なるものの、使っているエンジンやタンクなどの一部を共有しており、大量生産による低コスト化や信頼性の向上などが図られている。

 長征五号は2016年11月に初の打ち上げを行い、成功。今回が2号機にして、初めての失敗となった。ちなみに長征六号は2015年に1機、長征七号は2016年と今年に1機ずつ打ち上げられて成功しており、今回の失敗は、これら次世代の長征ロケットの中で初の失敗でもあった。

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