米国にあるベネズエラの石油会社CITGOの押収が米連邦裁で判決。断たれるベネズエラの収入源

HARBOR BUSINESS Online / 2018年8月20日 8時31分

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photo by Mike Mozart via flickr(CC BY 2.0)

 8月に入って、米国デラウエア州の連邦裁判所は、ベネズエラ石油会社PDVSAが米国に唯一持っている石油会社「CITGO」の押収を認める判決を下した。(参照:「Clarin」)

 どういうことかというと、CITGOはベネズエラ政府が収入源として頼れる石油会社なのである。そのため、今回の判決もベネズエラの資金源を断とうとする米国政府の策であろうと思われる。

◆チャベス政権下の強引な国有化が発端

 今回の判決を下すに至ったのは、2008年にカナダの鉱山会社クリスタレックスの米国子会社が、ベネズエラにある南米最大の金鉱床のひとつとされているラス・クリスティーナスでの金の採掘を手掛けることになっていた。

 ところが、当時のチャベス大統領は環境保全の為と労働者が搾取されているとして、クリスタレックスに付与していた採掘許可を取り下げて国有化に踏み切ったのである。

 チャベスはボリビアで起きていた資源ナショナリズムを真似たもので、外国企業によるベネズエラでの自然資源の開発を停止させる方向に動いたのであった。クリスタレックスはその被害者となったのである。

 クリスタレックスは当初、世銀による仲介でベネズエラ政府と和解の道を模索したという。しかし、解決は見られず訴訟という形でこの損害による賠償金14億ドル(1540億円)の支払いを請求していた。(参照:「El Mundo」、「La Patilla」、「Clarin」)

◆判決は下ったが、今後に残る問題

 今回の判決でクリスタレックスの言い分が認められて、同じように被害を受けた他社も同様に賠償の請求に動くための道が開けた。しかし、差し押さえの為の具体的な法的手段が明確にされていない為、どのような形で損害賠償金を受け取ることができるのか不確かな状態にあるという。

 しかも、昨年ベネズエラ政府は国債などの償還をしておらず、その額は650万ドル(7兆1500万円)になるという。(参照:「Clarin」)

 更に、事態を難しくしているのは、ロシアの石油会社ロスネフトから15億ドル(1650億円)の融資を受けるのと交換でベネズエラ政府はCITGOの49.9%の株をロスネフトに譲渡しているのである。残り51.1%の株価を保障に2020年満期の社債発行を実施している。(参照:「Infobae」)

 ベネズエラ政府がロスネフトに49.9%の株を付与した時に、さらに同社から融資を受けるのに、残りの株も譲渡して米国にロシアの企業が突如出現するのではないかと懸念されていたが、それは現在まで実現されていない。

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