韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第7回>

HARBOR BUSINESS Online / 2019年3月6日 8時33分

写真

統一教会1万人集会で来賓として祝辞を述べる山本朋広(PeaceTVより)

 2017年、安倍政権と統一教会(世界平和統一家庭連合)の癒着構造は加速する。5月、自民党本部や首相官邸に教団の北米会長一行が招かれ、直後の1万人信者集会では複数の自民党議員が来賓挨拶、7月には自民党議員団が教団の引率でアメリカを外遊、そして8月の組閣ではこれらの“行事”に協力した議員が要職に就いた。

◆教団北米会長一行による日本ツアー

 同年5月7日から12日にかけて統一教会の金起勲(キムギフン)北米大陸会長が、教団系列のワシントンタイムズ財団と現役米下院議員を含む世界平和国会議員連合のVIPを引き連れて来日し『ファクトファインディングツアー』を行った。

 金会長一行は、7日に自民党本部を訪問し、高村正彦副総裁や田中和徳国際局長と会談。

 9日には、京王プラザホテルでの『日本─アメリカ国会議員有職者懇談会』に参加し、国会議員6人と歓談。そのうちの2人は長尾敬と安全保障委員会理事の中村裕之と判明した。

 そして10日、菅義偉官房長官から招待を受けて首相官邸を訪問。12日に日本を発つまでに「政府の要職者」とも会談した。

 これらは、同月19日、韓国で開かれた『天地人真の父母様主管 韓・日・米 希望前進大会勝利特別報告会』の場で直接、壇上の金会長から韓鶴子総裁に報告された。

 高村副総裁は同教団の顧問弁護士をしていた時期があり、訴訟の代理人も務めていた。田中国際局長も2016年10月、川崎駅前で駅頭活動を行った際に教団系日刊紙『世界日報』を配布していたことが発覚している。

 この件について、週刊朝日を介した取材に高村は「党本部の要請で会った。米国の議員団と聞いていたが、どういう団体なのかよく分からなかった。国会議員になる前に統一教会の弁護をしたことは事実だが今は関係ない」と答えている。田中も「党からの要請で国際局長として会った。昨年、世界日報を配ったのは他の郵便物と誤って配っただけ」と弁明した。そして首相官邸に金会長一行を招待したとされる菅官房長官は「ご質問中の当議員に関わる事象は、一切承知していません」と否定した。

◆「皆様方の応援をいただき当選」組織票当選議員が感謝

 2016年12月、韓鶴子総裁は「1万人の食口(信者)基盤」つまり「信者数1万人の達成」を果した都道府県に赴き大規模なフェスティバルを開催するとして、伝道強化を発令。

 第一弾として開かれたのが17年5月14日母の日、東京有明コロシアムでの1万人集会『孝情文化フェスティバルin TOKYO』だ。

 同集会では、教団2世による政治団体・勝共UNITEの小村聡士代表が2世信者の代表として「真の父母様」と崇める教祖夫妻への思慕をスピーチ、忠誠を宣言した。その他、2世信者グループのダンスや街頭で偽装勧誘を行う信者による合唱なども披露された。

 そして徳野栄治教団会長による主催者挨拶の後に、来賓として紹介されたのが「公務ご多忙の中、駆け付けた」自民党の宮島喜文参議院議員と山本朋広衆議院議員だ。

 宮島は前年の参院選において同教団の組織票の上積みで当選。山本は後援会が統一教会がらみと指摘されており、15年の教団名称変更の際に文科大臣政務官を務めていた議員。

 来賓挨拶で宮島は「昨年7月の参議院選挙で皆様方の応援をいただき当選させていただきました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございました」と発言。そして教祖・文鮮明の自叙伝を「何度も読み深く感動した」と付け加えた。参院選当時、筆者の取材に対し教団のとの関わりを完全否定してみせた宮島の「完全自白」だ。

◆「我々自民党に対して大変大きなお力をいただいています」

 注目は次に登壇した山本の来賓挨拶の内容だ。山本はこう述べ、同教団との密接な関係をアピールした。重要な内容を含んでいるのでほぼ全文を掲載する。

「日頃より世界平和統一家庭連合の徳野会長、また世界平和連合の太田会長を始め本当に皆様には我々自民党に対して大変大きなお力をいただいていますことを改めて感謝を申し上げたいと思います。おかげさまで安倍政権も5年目を迎えまして『長期安定政権』そのように評価をいただいているところでございます。皆様には引き続き、我々に大きなお力を賜りたいと思います。本日は、母の日ということで、わたくしも皆様より一足早くお先にマザームーン(韓鶴子)に先ほどカーネーションの花束をプレゼントさせていただきました。今、大きな拍手をいただいてたいへん僭越なのですが、今までわたくしの実の母にもあんな立派な花束を贈ったことがないな、あまり親孝行ができてないと反省をしていたのですが、よく考えますとわたくしの母はわたくしにとっての母でしかありませんが、マザームーンは今日お集まりの皆さまにとっての母でありますので、花束が多少大きくて立派でもわたくしの母は許してくれるのではないのかなと、そのように思っております。今日は母の日ということで、マザームーン(韓鶴子)から皆様にいろんな話があると思います。そして皆さまからマザームーンへ対しての感謝の思いがマザームーンへ伝わる。おそらくマザームーンにとっても、そして今日ご参集の人たちにとっても今日は特別な日になるだろうと確信をしております」

 自民党を代表して統一教会とその政治組織の会長へ感謝を述べ、韓鶴子を「マザームーン」と慕う山本の挨拶は続く。

「さて本日、わたくしがお招きをいただいた一つの理由としましては、実は昨年ILCインターナショナル・リーダーシップ・カンファレンスにおきまして、世界平和国会議員連合を作ろうという議決がなされました。そして昨年の7月にキックオフとしてネパールで第一回の会合が開催され、わたくしも日本の国会議員団の一員として参加をしてまいりました。その後、世界各地でこの世界平和国会議員連合の支部がヨーロッパ、アフリカ、北米、南米とずっと開催をいたしまして、そして今年の2月に全世界でこの支部が設立をされ、その報告を兼ねて韓国で世界平和国会議員連合の会合が行われ、わたくしもその会合にまた国会議員団の一員として参加をさせていただきました。日本の国会議員としてはこのキックオフ、そしてゴール、この会合、両方とも参加をさせていただいたのはわたくし一人でした」「皆さまにも引き続きお力を賜りまして世界平和に貢献をして参りたい」「今日はマザームーンとともに皆さまと特別な一日を過ごしたい」

◆「どこへ行かされることやら」ボヤく御用聞き議員

 松下政経塾出身の山本は初出馬の2005年衆院選において、京都2区で前原誠司に破れたものの比例復活。09年の衆院選は前原に惨敗し落選。11年、神奈川4区に鞍替えし出馬、選挙区では落選するも比例で復活した。14年、17年も同様に比例復活と一度も選挙区で勝っておらず党の力を借りて当選している議員だ。

 前稿で記した17年2月に韓国で開かれた世界平和国会議員連合の総会に出席していたのはこの山本だった。山本の他に参加していたのは武田良太、柳本卓治、そして民主党(当時)の鈴木克昌。4人の国会議員は韓鶴子から直接“国家復帰”(※前回記事参照。統一教会を日本の国教にするという野望)を指令され、その任務を担ったということになる。

 そして筆者が注目したのは、ネパール大会に関する山本のSNSでの投稿だ。山本はネパールへ渡航する際、羽田空国から「はてさて、今回はどこに行かされることやら。。。」と書いている。つまり、世界平和国会議員連合アジア創設大会への参加は山本の意思ではなく誰かの指示によるものだったということだ。それは自民党二階幹事長だったのか、選挙区で勝なかった京都から神奈川へ呼び寄せた菅官房長官、または安倍首相なのか、その答えはこのあと、山本がどう処遇されていったかを辿ると見えてくる。

◆逃げる国会議員たち、潮目は変わらず

 教団やそのフロンド組織との緊密ぶりを得意げに語り、隠そうともしない山本の発言を筆者は、ある種の驚きをもって聴いた。それは、自民党の国会議員がここまで踏み込んだ発言をしたことだ。党を代表して述べたとも取れる山本の発言は、統一教会と自民党の関係性を「創価学会―公明党」のように同教団を支持母体として今後は自民党が公けに認めるのでないかと思わせるものだったからだ。

 両国会議員に質問書を送ったところ、宮島の政策秘書からは「大変申し訳ないが鈴木エイト様の質問とかいろんなことは今回から全てお断りしようという形になりました。その理由も含めて取材拒否という形を取らせていただきたい」と返答があった。山本からは何ら回答がなかったため、山本の国会事務所に電話したところ、政策秘書は質問書を受け取った山本が内容を読んで「答える必要がない」「特に回答する必要性はない」と発言していたと明かした。

 両議員の逃げの姿勢は、支持母体と政党の関係として「統一教会―自民党」という図式を認めるどころか、これまでと同様に同教団との関係が発覚した途端に「知らぬ存ぜぬを決め込む」というものだった。いくら裏では緊密な関係を築き上げても、当の政治家からは表立っての関わりを否定されるというのが教団の置かれている立場を表している。

 また、この集会には宮川典子衆議院議員(自民党)と亀井静香衆議院議員(当時・無所属)も祝電を贈っていた。宮川の秘書は祝電を贈った経緯について「会員からの依頼によりお送りしました」と回答、13年に宮川のインタビュー記事が世界日報に掲載されたことについても認めたものの、教団との関係や選挙支援については否定し「教団に便宜を図る関係にはない」と答えた。しかし、宮川に関してはその後も統一教会のイベントに出席していたことをメディア関係者に目撃されている。

◆北村経夫が4年越しの“恩返し”

 有明大会の夜、京王プラザホテルで開かれた『真の父母様御来日歓迎及び東京1万名大会祝勝会』に自民党の参議院議員・北村経夫と中川雅治が出席、来賓として祝辞を述べた。北村は2013年の参院選全国比例区において統一教会の組織票8万表の上積みで当選した議員だが、この時まで約4年間全く当選の見返りとなる“恩返し”を行っていなかった。そのため同教団と勝共連合の幹部からは「誰のおかげで国会議員になれたと思っているんだ」と不満の声が上がっていたが、ようやく義理を果たしたことになる。“恩知らず”を改めた北村は今夏の参院選への危機感から再び教団との距離を縮めていく。

 中川と教団の関係については後述する。

◆“事実誤認”報告で韓鶴子を喜ばせた日本の総会長

 有明大会の翌日、筆者は統一教会と自民党の関係について「潮目が変わる可能性がある」とツイートした。すると前述の報告会で宋龍天・全国祝福家庭総連合会総会長が筆者の当該ツイートを大型モニターに示し「今まで、日本で最も強力に家庭連合(統一教会)に反対してきたインターネット新聞を出している言論人が、今回PeaceTVで生中継された大会を観ながらツイッターを通して中継していました。ところが、それほどまでに反対していたその言論人が変化しました。ツイッターで、創価学会と公明党の関係のように、今後、家庭連合の影響力が大きくなると分析をしたのです」と韓鶴子に報告を行った。

 また宋総会長は、徳野会長に促された山本朋広が韓鶴子に特大のカーネーションを贈呈している画像を示した他「大会に参加したマスコミの反応」として、集会を取材した朝日新聞とフジテレビの記者の発言として以下の内容を紹介した。

朝日新聞「青年から老人まで、老若男女を問わず多くの人達が並んで参加していることにとても驚きました。一昨年の幕張出帆式でも似たような光景を目にしましたが、今回はそれを凌駕する大盛況であり、壇上に立たれた韓総裁のカリスマ性を肌で感じました」

フジテレビ「完全な満席で成された長大な大会だったので本当にびっくりしました。韓総裁を通して家庭連合にもっと深く関心が湧きました」

 しかし、両メディアに確認したところ、そのような発言は一切していないことが判った。この件について筆者の取材に教団サイドは「事実と異なる内容が誤って宋総会長に伝わってしまった」と釈明している。

◆教団の引率でアメリカ外遊する国会議員団

 8月1日、UPF-JAPANの会長に就任した梶栗正義が韓国での特別集会で驚くべき報告を行った。同年7月13日~15日にアメリカで開かれた教団の大規模イベントや日米韓の国会議員会議に、同教団幹部の引率によって現職国会議員8名(自民党7人・民進党1人)を含む12人の議員団が参加、その成果を発表したのだ。

 この国会議員団が参加したのは、ワシントンDC米下院議会での『韓日米の国会議員カンファレンス』NY国連本部での『韓日米有識者懇談会』そして韓鶴子をメインスピーカーに迎えNY MSGで開かれた超宗教フェスティバル『真の父母様MSG大会』だ。

 議員団に参加した人物のうち、判明しているのは以下の国会議員。

自民党衆議院議員:山本朋広、竹本直一、穴見陽一、御法川信英、武田良太

民進党衆議院議員:鈴木克昌

 集合写真には他にも2名の現職国会議員が写っていたが、誰かは判然としない。

 現職の国会議員以外の4名のうち2人は香田洋二元自衛艦隊司令官と大野功統・元防衛庁長官だと判明した。地盤を長男の大野敬太郎衆議院議員に継がせた大野元防衛庁長官は、継続して同教団のイベントに数多く出席している人物だ。

◆“公務”で統一教会幹部と外遊する国会議員たち

 そしてまたしても注目すべきは山本のSNSでの投稿だ。山本は渡米直前、成田空港から「これから出張です。さて、今回はどこに行くのか」と投稿している。「出張」とは「公務など職務で自分の勤務先でないところに臨時に出向くこと」という意味だ。つまり山本は「公務」として統一教会幹部とともにアメリカ外遊をしていたことになる。さらに「どこに行くのか」と、山本は自身の予定すら把握しておらず、教団任せの旅程ということだ。公務として統一教会お抱え外遊に出かける国会議員、これを見逃すことはできなかった。

『韓日米の国会議員カンファレンス』での記念写真には「徳野英治・日本家庭連合(統一教会)会長」「金起勲・家庭連合北米会長」「梶栗正義・UPF会長」「太田洪量・国際勝共連合・世界平和連合会長」「松田幸士・世界平和青年連合会長」ら統一教会関係者の顔も確認できる。

 竹本直一のオフィシャルブログ『たけちゃんブログ』にはワシントンDCの米下院議会をバックに、これら教団幹部と笑顔で記念写真に納まる恥知らずな代議士らの姿が掲載されている。

◆「200名を超える議員たちがご父母様に侍っていた」

 同特別集会で梶栗正義UPF会長は韓鶴子にこう“国家復帰”の成果を報告している。

「日本からも日本の国会議員をワシントンDCに連れて行ってNYのお母様に挨拶をさせる、このような計画を立てたわけです。日本からは8名の現職国会議員、1人の前長官、元海上自衛隊長官を含む3人の専門家、この12名を連れてアメリカを訪ねました」

「昨年、日本の国会議員連合を創設することを通して少し態度が変わってきました。私たちが計画するところに積極的に参加しようという姿勢が見えるようになってきました。今回も『アメリカにこのような企画があるのだけれど行きませんか』と勧めると、積極的に自分の日程を調整して『アメリカに行きたい』と言う議員がいました。以前、勝共連合の活動が活性化していた時と同じような、その当時は200名を超える議員たちがご父母様に侍って(はべって)いたのですが、その時と同じような雰囲気になっています」

「日本のVIPたちは3日路程を歩み、『オリン・ハッチ上院議員などアメリカの要人とゆっくり会えて意見交換できたのは韓鶴子総裁の世界平和国会議員連合のおかげ』『このような機会であるならば同僚や後輩に機会を与えたい』『真の父母というものを私も学んでみたい』と話す議員もいました。『これからさらに真の父母について勉強していきたい』という議員たちとともに日本において議員連合を育てていきたいと思っています。多くの先輩たちとともに国家復帰に向かって仕事をなしていきたいと思っています」

◆示し合わせた回答拒否

 6人の国会議員に質問書を送付したが、回答は得られなかった。各議員の事務所に問い合わせたところ、武田の秘書は「答える予定はございません」御法川の秘書も「回答しないということになっています」と、示し合わせたかのような返答。なんとも不自然な対応だ。宮島喜文の秘書の回答と併せて考察すると、自民党は党の判断として筆者からの取材には「回答しない」と取り決めでもしたのだろうか。

◆新閣僚に統一教会ずぶずぶ議員が抜擢

 2017年8月3日に発足した第3次安倍第3次改造内閣。その顔ぶれを見ると近年、統一教会と関係の深い議員が抜擢されていた。

 まず環境大臣に任命され初入閣した中川雅治。元環境事務次官で自民党政調副会長、自民党総務会長代理、参議院運営委員長・参議院国家安全保障特別委員会委員長などを歴任してきたが、その裏で中川は、統一教会やその関連団体との昵懇関係を続けてきた。これまでに発覚した中川と同教団との関係を以下に列挙する。

・11年12月2日、東京蒲田の大田区民ホール・アプリコで教祖の四男・文國進をメインスピーカーに開かれた教団フロント団体主催『アジアと日本の平和と安全を守る全国大会』に来賓出席し「自民党政調副会長としてきました」と挨拶。

・参議院運営委員長・参議院国家安全保障特別委員会委員長を兼任中の13年7月2日、参議院議員会館で開催された『日韓有識者特別懇親会 東アジアの未来と日韓協力の展望』に教団幹部と列席。主催はやはりフロント組織・平和大使協議会。議員会館会議室使用の便宜を図ったのも中川だと思われる。

・同年10月16日、さいたまスーパーアリーナに2万人の信者を集めて開かれた教団の大規模イベント・韓鶴子講演会『統一教会日本宣教55周年、日本教会創立54周年記念大会』に柳本卓治参議院議員と来賓出席し挨拶。

・翌14年10月11日、八王子市文化芸術会館で日本統一教会の徳野英治会長の特別講演会『祝福原理大復興会』に萩生田光一と出席し、来賓として挨拶。

・そして16年11月17日の世界平和国会議員連動創設大会出席、17年5月14日の京王プラザホテルでの『真の父母様御来日歓迎及び東京1万名大会祝勝会』への来賓祝辞へと続く。

◆副大臣に副幹事長、教団との関係が重要ポスト登用への条件なのか

 副大臣や党役員にも疑惑の議員が多く登用された。

 防衛副大臣兼内閣府副大臣に就任したのは、韓鶴子総裁を「マザームーン」と慕う山本朋広。直近の教団への「貢献度」からみると、その関係の深さは突出していた。

 外務副大臣には、教祖から「海洋摂理」を託された『(株)海洋平和CEO』佐藤健雄の甥で、2016年6月に同社の株主総会で講演した「ヒゲの団長」佐藤正久参議院議員が就任。

 10年に統一教会の依頼で国会質問を行った秋元司は、国土交通副大臣に任命。

 13年8月、衆議院議員会館国際会議室で開かれたワシントンタイムズ財団主催の国際学術セミナーに出席し発表を行った土井亨は復興副大臣に。

 そして武田良太は自民党幹事長特別補佐に任命、翌月には副幹事長も兼ねることとなった。同教団との関連が深い議員が、軒並み安倍内閣や党の要職に抜擢されたことになる。恰も同教団への貢献度の積み重ねが閣僚ポストへの登用に繋がっているかのようにも思える。

◆韓国を「嘘吐き泥棒」呼ばわりの自民党国防部会長

 山本朋広は、2018年10月に防衛副大臣を離任、以降現在も自民党の国防部会長を務めている。その国防部会長としての発言が波紋を呼んだのは記憶に新しい。

 問題の発言が飛び出したのは今年1月31日、自民党本部で開かれた国防部会・安保調査会合同会議の冒頭だった。

 国防部会長の山本が、韓国軍駆逐艦によるレーダー照射否定とその後の韓国側の抗議について「韓国政府はこれ以上、嘘を吐かない方がいい。自らを貶めているだけだ」と韓国を非難。

 さらに長崎県・対馬で2012年に相次いだ韓国人窃盗団による仏像窃盗事件を挙げ「考えてみると罰を受けて当然だが、韓国はいまだに日本の仏像を盗んで返さない。『嘘吐きは泥棒の始まり』ではなく、泥棒がただ単に嘘を吐いていただけだ」「礼節をもって韓国に相対していたにもかかわらず、韓国政府は嘘を吐く、虚偽の内容を公表する、約束を反故にする、こともあろうに向こうがこちらに謝罪を求めてくる。無礼であると言わざるを得ない」「嘘つきを越えて韓国は今、納得できない主張を展開している。いくら考えが甘くても限度がある」と憤懣やるかたない様子で語ったのだ。

 舌鋒鋭く韓国を「嘘吐き泥棒」と糾弾する一方で、霊感商法や偽装勧誘など数々の社会問題を引き起こしてきた韓国発祥の教団最高権力者に対し「マザームーン」と媚を売る人物が日本の政権与党の国防部会長に納まっている。

◆防衛副大臣を直撃

 2017年8月以降、何度も山本の事務所に質問書を送ったが、一度も回答はなかった。

 そこで迎えた同年10月、筆者は地元大船駅で衆院選の選挙運動を行う山本本人を直撃取材した。統一教会との関係を追及された防衛副大臣はどう答えたのか。

 次稿では、筆者の直撃を受けた山本朋広の反応、1万人集会に続々と参加する国会議員たち、そして菅官房長官子飼いの衆院予算委員会与党筆頭理事が勝共UNITEの改憲大会に激励に訪れていたことなど、2017年衆院選前後に起こった事象を検証する。(文中一部敬称略)

<鈴木エイト(やや日刊カルト新聞主筆)・Twitter ID:@cult_and_fraud>

すずきえいと●滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング