中国人ツアー客殺到の質流れ品フェアに同行。日本の良質な中古品で、変わる中国人の中古品へのイメージ

HARBOR BUSINESS Online / 2019年6月24日 15時31分

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奥の金属探知機通過後にあるルイ・ヴィトン中心のブランドエリア

◆中国人ツアーの同行で国内最大級の質流れ品フェアへ

 大型のショルダーバッグを我先に取り合い両肩がショルダーバッグで一杯になっていた。ここはスーパーマーケットのバーゲン売り場ではない。6万円以上する高級ブランド「ルイ・ヴィトン」キャンバスやダミエ生地のショルダーバッグを爆買いしていたのだ。

 著者は中国大連からのツアーグループへ同行し、6月14日から16日まで東京モノレールの流通センター駅前で開催された質流れ品フェアへ行ってきた。

「シッチーのチャリティフェア」は1974年(昭和49)から年2回開催される日本最大級の質流れ品フェアで、50店以上の質屋が10万点の流れ物や未使用品などのブランド品を出品。新品の3分の1から9割オフで購入できるとあり大人気イベントとなっている。

 特にここはヴィトンが多いことでも知られる。会場奥、4分の1くらいをヴィトンのバッグや財布、キーケースなどが占めている。

◆10年前から外国人の間でも評判に

 10年ほど前から評判がインターネットで拡散し、台湾人、香港人、シンガポール人などが増え始めたようだが、この数年は中国人が頭抜けて増えている。しかも、著者が同行したようなツアーで来場する人たちも目立つ。

「全体の半分くらいが中国の人でしょうか、ヴィトンコーナーに限れば8割くらいが中国人のお客さまかと思われます」(会場スタッフ)

 訪れた日は大雨に見舞われた2日目だったが、スタッフによると初日14日は身動きが取れないくらいの人が来場したらしい。

 現代中国人は普段、財布を持たないので、折りたたみ財布や長財布などは目もくれず、大型のショルダーバッグ狙いのようで「1人6点まで」の注意書きが目に入らないのか、大量のバッグを爆買いしている。

 ヴィトンのショルダーバッグは6万円から10万円ほどで売られていた。同行したグループの50代女性は、両肩に6つのバッグを下げて会計カウンターへ。支払いはスマートフォンのQRコードを表示しピッと「アリペイ(支付宝)」決算で完了。支払い金額を見ると39万円ちょっとだった。

 こんなにヴィトンのショルダーバッグを買ってどうするのかと聞いてみると、親戚や友人にプレゼントしたり売ったりするとのこと。若い人は「タオバオ」などで転売する人も多いという。

◆即買いする中国人客の「日本への信頼度」

 中国人は他人から見えるものを重要視する傾向があり、ブランド品は大きなものを男女問わず好む。自家用車だったり、サングラス、洋服、装飾品、腕時計、最新のアイフォーン、そして大型のカバンなど他人から見えるものにこだわる。逆に外から見えない下着や靴下などはあまり重要視しない。

 ショルダーバッグを漁っている現場を見ていて思ったのは、即買いしていることだ。ヴィトン製品であれば、シリアル番号を確認したり、金属金具の加工、縫い目などをチェックするのが真贋判断のポイントになるが、それもせずにポンポン選んでいるように見える。

「信用」が乏しい中国国内であれば、仮にヴィトン専門店であってもショーケースから取り出して触りまくって事細かく納得するまで確認するのが日常的であるが、ここではそんな光景が見られない。

「だってここすべて本物でしょ?だったら確認しなくても平気でしょう」若い女性はそいう言い放った。かなり日本を信頼していくれているようだ……。中古品であることも特に気にしていないようだ。

 また、中国人訪日客で多く聞かれるのは会計時のトラブルであるが、

「ほとんどがQRコード決済なので特にトラブルもありませんね。通訳もすぐ呼べるので大丈夫です」(会計担当スタッフ)

 今回、同行させてもらったツアーの中国人たちは平均所得よりも高い、いわゆる富裕層に当たる人たちで、他の中国人客も同じような所得層なのだろうか、それらも多少影響していると思われる。

◆中国人の「中古品」へのイメージが変わってきている

 このような質流れ品フェアに中国人が増えているのは単に所得が上がっているだけではない。中国人の中古に対するイメージが根本的に変わってきてることも関係している。

 「中国語で中古は『二手』と表記しますが、基本的にダメダメで使い物にならないというイメージで誰も買いません。日本のように衣類や本、家電などを中古で買うという習慣は中国にはありません」(同行ツアーガイド)

 中国で中古で売買されてそれなりのニーズがあるものは、携帯電話やマンションの部屋などがある。携帯電話、スマホは中身を代用品に入れ替えた新古品のように売られており、中国の多くの住宅は内装を個々に工事するので、中古で買って内装を一からすべてリフォームしてしまうのが一般的で、中古に信頼を置いていないので徹底的にやる人が多い。

 また、日本のような中古車も少なく、洪水の後には浸水した中古車が並ぶから絶対に買ってはいけないなどを信じ込んでいる人も少なくない。

 そんな中国における中古のイメージが日本へ来てから変わったのか、日本へ行った人から聞いて変わったのか定かではないが、日本の中古品は高品質だという認識に変わりつつあるようだ。

 このフェアへ訪れる前に宿泊先ホテル近くの「ブックオフ」へ案内したら、「このDVDは新品ではないのか?」と目を丸くして驚いていたのが印象に残る。

 流通センター隣りの大井競馬場で定期開催される日本最大規模のフリーマーケットにも中国人客が年々増えている。今後、中古フェアやフリマへ中国人が殺到する光景が日常化する日もそう遠くないのではないだろうか。

<取材・文/我妻伊都 Twitter ID:@ito_wagatsuma

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