高金利のベトナム定期預金が突如、外国人NGに。代替案をベトナム在住者と考えてみた

HARBOR BUSINESS Online / 2019年10月6日 15時31分

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発展目覚ましいベトナム経済。だが、政府の介入もあることも忘れずに

 高金利のベトナムで、外国人が定期預金できなくなった話を前回伝えた。そして引き続き、ベトナム在住のセミリタイア投資家・宮内健吾(仮名)と共に、来年満期を迎えて宙に浮く彼の資産をどこに振り分けていくか、二人で検討してみることにした。

◆高金利のベトナム定期預金、代替案はあるか?

 第一に、「その他の国の定期預金」である。実際、彼のブログでも今後インドネシアとタイで半々に暮らす案を検討中と明かしていた。実際のところ、その案はどうなったのか?

「インドネシアで一番ネックになるのは、観光ビザですね。3、4か月いられればいいのですが、実際には2か月ですから。バリなんかだと生活費も安く、住み心地もいいのですが、インドネシアって日本より人口が多い大国で、しかも多民族国家で民主主義が浸透していますから、民族紛争が起きる可能性が高いですよね。その点、国民の大多数がベトナム人で、良くも悪くも独裁国家のベトナムの方が政治的には安定しているということになります」

◆不動産を所有しても、ネックは交通手段

 次に考えたのは、「不動産」である。これからも間違いなく発展していくベトナムで不動産を一軒所有しておけば、いつか高く転売できる可能性が非常に高い。今のところ、「民泊新法」ができたという話も聞かないので、365日運営可能になる。幸い、民泊のやり方であれば、筆者がいくらでも伝えることはできる。この案はどうか?

「今私が住むホーチミン中心街で、日本で言う2LDKのコンドミニアムを買えば、大体2~3000万円くらいです。さすがに私の全財産をかけて、というのはリスクが大きすぎると感じます。一方で、一千万以下で買えるのもないことはないんです。郊外で、私も見に行ったのですが、これがまた不便なところにあるんですよ。一応スーパーマーケットはありますが個人商店のほうが多く、ホーチミンなのに田舎町という雰囲気です。中心地まで20㎞くらいの距離ですが、朝に渋滞に巻き込まれてしまうと、一時間かかります」

 日本で言う「南北線延伸」みたいな話があれば話は分かりやすいのだが、今のところホーチミンに地下鉄はない。

「聞くと、そんな辺鄙な場所のマンション群が、ベトナム人には一万戸売れたそうです。そこに移り住むためというよりは、明らかに投機目的だと思います。民泊をやるにしても、そもそもそこへ外国人旅行者がどうやってたどり着くのか、が問題になりますね」

◆不動産投資にはそれほど旨味がない

 たとえばホーチミン中心街で2LDKのコンドミニアムを二千万円で買ったとしよう。在宅型で、一部屋を一泊25ドルで貸し、250日入れば6250ドルとなる。1ドル110円で計算すると二千万円は約18万2千ドルということになる。銀行の利子云々を除いても、元をとるのに29年かかる。確かに、この計算だとそこまでおいしい話にはならない。

「それに、不動産を買ってしまうと移動が制限されてしまいますからね。それなら、株に投資するほうが気楽ですよ」

 確かに筆者も千葉県での一軒家購入を通じ、ある意味で合法民泊を運営する権利を買ったことになる。一方でこれからローンがあるため、筆者は数十年後に千葉県我孫子市民として死んでいくことがほぼ確実となった。どちらがいいかは、それぞれの考え方次第である。

 次に検討するのは株だ。個々の株式銘柄に入っていくとキリがなくなってしまうので、ここでは初心者が最も入りやすいとされている「S&P500」連動型のETFについて検討してみることにした。

 本年逝去したバンガード社創業者のジョン・ボーグルが最も簡単な投資として推奨していたのが、「広範な株式市場インデックスに連動する投資信託を、極めて低いコストで取得し、保有し続けること」だった。要は、株式市場全体を買ってしまえ、ということである。

 長期にわたって株式市場に勝つ投資信託を選び出そうとすることは、セルバンテスの言葉を借りれば”枯れ草の山で針を探す”ようなものである。

◆ベトナムはインデックス投資に向いている!?

 そこで、ジョン・ボーグルは、こう注意勧告する。

「枯れ草の山で針を探すな。枯れ草を買え」(『インデックス投資は勝者のゲーム』ジョン・C・ボーグル著/パンローリング刊 pp.163)

「そういうインデックスで投資、というならインドとベトナムがいいかな、とは思いますね。伸びしろが沢山ありますから。中国は、今後一人っ子政策の影響で高齢化が急速に進むため、私自身は買いませんね」

 無論、永遠に上がり続けることが約束されている株式など存在しない。ボーグル自身、いつかS&P500も下がると断言していた。宮内は、今後の値動きをどう考えているのか。

「米国市場はこれ以上伸びない、という方もいますが、私はそうでもないと考えています。たとえば、今ベトナムの田舎でヤシの実のジュースを飲んでいる子は、たぶん二十年後にはコカ・コーラを飲んでいるんですよ。同じく、オンボロスニーカーで走り回ったり、サッカーをしている子は、たぶんその頃にはナイキシューズを履くようになるんですよ。世界にはまだまだ発展の余地があり、米国ブランドが威光を発揮する可能性が高い、と考えると米国のインデックスファンドはまだまだ上がっていくというのが私の予測です」

 投資はあくまでも自己責任だが、実績ある投資家の一つの見解としてお役に立てていただければ幸いな次第である。

<文/タカ大丸>

【タカ大丸】

 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。

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