新型コロナ騒ぎで“火の車”。だけど、だから気づくこと

HARBOR BUSINESS Online / 2020年3月16日 15時32分

写真

トイレットペーパーやマスクを求めて、開店前の薬局の前に並ぶ人々

 てぇへんでぇ、てぇへんでぇ。コロナで世間は沸きかえる。でもって、町は静まりかえる。学校だって静まりかえる。世界経済、火の車。日本経済、火の車。いろんなビジネス、火の車。多くの家庭が、火の車。

 花の都のお江戸から、千葉の田舎に移住で2年。ここにもコロナが及んでいる。俺の講演、中止になった。温泉・図書館、ふと行くと、なぜだかみんな閉まってる。横浜に住む母親の電話を取ると、トイレ紙なく、我が家の在庫を送れって。

 いろんな経済ピンチな時。いろんな商売ピンチな時。いろんな家計がピンチな時。それを思うと心が痛む。だけど意外と田舎では、のほほ〜んと焦りがない。地元の人も焦りがない。移住者たちも焦りがない。俺もちっとも焦りがない。買い占めなんてなんのその、どうにかなるから焦らない。

 都会と田舎の温度差の、その違いとはなんだろう。考えてみると見えてくる。この世にはびこる「ねばならない」、どうもおかしな「暮らし方」、それしかないのか「働き方」。

◆〇〇ないとホントに困る?

 トイレの紙が売り切れて、ティッシュペーパー売り切れて、行列・買い占め、みな困る。そもそもそれって絶対必要? 便利と快適、慣れきって、少しの工夫もできないの? 

 トイレ、昔はどうしてた? 新聞ガミをくしゃくしゃに、四角く切って、用済ます。終わった紙は燃やすゴミ。庭があるなら燃やせばいい。田舎にいたなら外行けば、葉っぱはたくさん手に入る。

 鼻をかむにもチリ紙で、テーブル拭くにもチリ紙で、なんでもかんでもチリ紙で、それってホントはおかしくない? 布があれば用は済む。ハンカチあれば用は済む。手ぬぐいあれば用は済む。台拭きあれば用は済む。世界の森を守るにも、使い過ぎこそご法度に。

 マスクがなくて、てぇへんでぇ。マスクがなけりゃ、口ふさげない? 使って捨てるに慣れすぎて、少しの知恵もわかないの? 手ぬぐいだっていいじゃんか。ハンカチだっていいじゃんか。自分で作ればいいじゃんか。洗って何度も使えばいい。

◆免疫上げる暮らしとは

 普段の食べ物、ひどくない? 冷凍食に加工食、簡単便利はいいけれど、微栄養素が少なくて、滅菌・殺菌・抗菌の、添加物たち盛りだくさん、腸の菌を殺しちゃう。腸内細菌減っちゃって、免疫力が下がっちゃう。

 発酵食品、食べますか? ホンモノの味噌、ホントの醤油、仕込んだ梅干し、手作り漬物。多くの菌を体に入れて、腸内細菌元気にしよう。

 普段に海藻食べますか? ワカメにコンブにトコロテン、メカブやヒジキやモズクやフノリ。海藻たちを食べていると、ウィルス感染抑制し、症状だって緩和する。

 薬を少し控えましょう。抗生薬はなおさらに。腸内細菌絶滅で、ウィルスが入る隙だらけ。タバコはこの際、止めましょう。タバコが症状、助長する。お年寄りの重篤が、多い理由にこれもある。

 手洗い、うがい、大切だけど、洗いすぎにはご注意を。人の体と共生する、菌が体を守っている。常在菌が働いて、ウィルス撃退してくれる。すべてを洗い流したら、ウィルスがスっと体内へ、抵抗もなく入りやすい。

 たまには外で太陽浴びて、たまには土に戯れて、たまには体を動かして、汗をかいて循環高める。そういう普通の暮らし方、していないから免疫下がる。

◆都会ほどにリスクが高く、田舎ほどに自由になる

 

 都会は家が狭すぎて、都会は人が多すぎて、広い空間、なかなかない。田舎は風が通り抜け、人はたいてい少なくて、家はたいてい大きくて、人との距離が程よくて、ウィルス感染低めてくれる。

 田舎に人は少ないが、コミュニティが程よくあり、足りないものを補い合い、時には気軽に助け合い、いざとなっても、焦りがない。「どうにかなる」の拠り所ある。

 子どもの世話に困っても、ご近所さんに頼めばいい。親類縁者がいなくとも、じっちゃん・ばっちゃん、たくさんいる。コミュニティを作っていれば、気軽に頼める仲間がいる。 

 学校休みにするよりも、通勤電車、止めたらいい。密集、密閉、極まりない。そもそも通勤しなければ、仕事ができないオカシサよ。そもそも雇ってもらわねば、給料もらえぬオカシサよ。

 田舎は満員電車がない。そもそも電車の数少ない。移動手段は車がメイン。農業、漁業、小商い、人と接する必要ない。いわゆる“ナリワイ”、いいじゃんか。

 仕事が減って辛いけど、時間ができて、悪くない。消費を減らし、お金を使わず、できた時間で何かする。できた時間で友増やす。できた時間で家族と遊ぶ。できた時間で野菜育てる。できた時間でコメ育てる。できた時間でモノ作る。工夫や知恵やモノづくり、稼ぐ以外の安心深める。

 都会ほどにリスクが高い。田舎ほどに自由になる。時代の先は、その流れ。1つの仕事にとらわれる、そんな時代が終わりを告げる。小さな仕事で3つ4つと、暮らしに合わせ、稼ぐ、稼がず。1つがダメでも他がある、働き方のレジリエンス。

◆新型コロナが何かを伝えている

 この世にはびこる「ねばならない」、どうもおかしな「暮らし方」、それしかないのか「働き方」。それらを論じてみたけれど、この際新型コロナで考え直す。そんな機会にしなければ。

 ベストセラーの「ワークシフト」、そこに書かれていることは、「いずれ移動が難しくなる」。それの真偽は別として、いずれそうなる可能性。資源は無尽蔵にない。移動少しでいい暮らし、消費少しでいい暮らし、労働少しでいい暮らし。それこそホントの豊かな暮らし。

 きっと少しは“ホッとしている”。そんな人が多くいるはず。高速化する経済が、拡大目指す目標が、長時間の労働が、ストレス過多の仕事場が、少し緩まる安堵感。

 取り残されたら怖いから、一生懸命しがみつく。取り残されてしまったら、置いてけぼりに怖さ覚える。だけど誰もがスピード緩めば、時間と安らぎ、取り戻せる。そろそろ変えたいこの社会。この災いをキッカケに。

 田舎に移住で気づくこと。人の距離が程よい安堵、互いが支え合う安堵。世間に翻弄されない安堵、工夫や叡智がある安堵。食べものたくさんある安堵、いのちを脅かされない安堵。進歩の裏で失われた、生存のための安堵たち。

 この世にはびこる「ねばならない」、どうもおかしな「暮らし方」、それしかないのか「働き方」、そろそろ見直す時期なはず。進歩で叡智を捨てちゃいけない。さらなる進歩と同じくらい、失くした叡智が必然となる。

 持続可能な人の暮らしへ。持続可能なすべてのいのちへ。新型コロナで気づいたあなたから。

【たまTSUKI物語 第24回】

文/髙坂勝

【髙坂勝】

1970年生まれ。30歳で大手企業を退社、1人で営む小さなオーガニックバーを開店。今年3月に閉店し、現在は千葉県匝瑳市で「脱会社・脱消費・脱東京」をテーマに、さまざまな試みを行っている。著書に『次の時代を、先に生きる~まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ』(ワニブックス)など。また、筆者の「誰にでも簡単に美味しい料理ができる」調理方法とレシピをYoutube「タマツキテキトー料理 動画&レシピブック」で公開中。

【sosa project】

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング