半年で5000万円の利益を出した[金先物トレード術]とは? 東京商品取引所トレードバトル’19年覇者の主婦トレーダーが降臨

HARBOR BUSINESS Online / 2020年7月20日 8時31分

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 アフターコロナ相場で株価が急回復するなか、過去最高値を更新し続けているのが金価格だ。東京金先物取引で昨年トップトレーダーに輝いたアリーシュ氏が今後の買い場をレクチャー!

◆[金先物トレード術]を盗め!

 コロナショックを経て回復した株価は、第2波の懸念から足踏み状態。その最中に値上がりし続けている商品があるのをご存じだろうか? NY証券取引所で9年ぶりの高値をつけた金だ。この金の取引で荒稼ぎしているのが、SPA!初降臨のアリーシュ氏。

「ここ3年で3億円近く稼ぎました。夫には『おれが何十年もかかって稼いだ金を一気に稼いだな』って言われましたね」

 アリーシュ氏は昨年、東京商品取引所主催のリアルトレードコンテストで優勝した主婦トレーダー。大会期間中の半年間の利益は4569万円。すべて金の先物取引で稼いだ利益だった。

「投資を始めたのは’08年頃。株をやりながらパートで働こうかと考えていたときに、金投資の広告が目にとまり、地金を買ったんです。リーマンショック直後でした」

 100年に一度と言われた金融危機の直後、世界の中央銀行は一斉に金融緩和へと動きだした。

「リーマンショックで700ドル割れまで売られたNY金先物価格は3年後、史上最高値1923ドルまで上昇しました。それで、私は夫にロレックスを買い、スーツを購入して、ネクタイもエルメスやジバンシィに替えて亭主改造計画を進めたんです。そうしたら、夫が大出世して計画に費やした金額以上のリターンがあった(笑)」

 今回のコロナショックを受けてアメリカが開始した金融緩和は当時よりも大規模。FRB(連邦準備制度理事会)は「’22年までは現行の金利水準を維持」と明言している。今、金はリーマンショックに次ぐバブルの様相を呈しているのだ。その兆候は昨年から顕著になっていたという。

「米中貿易摩擦と英国のブレグジット(EU離脱)交渉の難航で、リスクオフ相場に傾くと予想していました。東京金先物価格は5000円を超えるだろうと考え、4200円台で買いを入れたのです」

 その東京金は昨年末に5300円台まで上昇。このトレードで、アリーシュ氏はコンテストで優勝を果たしたのだ。

◆現物株を担保にして東京金先物で勝負!

 このような金高騰を受けて、近年、金の取引を行う投資家が増えている。だが、FX感覚で少額から取引できるCFD(差金決済取引)のNY金が一般的。なぜ、アリーシュ氏は東京金先物なのか?

「もともとは株を取引していたので、現物株を担保にして取引できる東京金先物が魅力的だったんです。それに、商品先物は資金効率が高いですから」

 CFDだと最大レバレッジは20倍だが、商品先物なら40倍程度。また、商品性の違いもある。一般的に金価格の指標とされるNY金。1トロイオンス(約31.1g)単位のドル建て商品だ。これに対して、東京金はグラム単位の円建て商品。当然、NY金に連動するが、為替レートの影響も受ける。

「今は金融緩和中ですから、余ったお金が金にも流れてきやすい。先進国は軒並みコロナ対策で財政支出を拡大させており、財政赤字の拡大懸念からも円高が進みやすいため、NY金に比べて東京金の上昇が遅れる可能性があります。ただ、長期的には東京金も大きく上昇するでしょう」

 さらなる値上がり余地があるのならば、買い場はいつなのか?

◆新規買いのチャンスがあるなら夏場

 「’18年のトルコショックのときにはNY金市場で一時的に買い玉より売り玉が多くなり、その売り玉が踏み上げられる格好で、NY金が高騰しました。でも今の先物市場は買い玉が多く、踏み上げ相場の兆候はありません。新規買いのチャンスがあるとすれば閑散相場で円高にもなりやすい夏場。ただし、今年は11月に米大統領選が控えているため、それまでは底堅いでしょう。5500円を目安に押し目買いです。目標はNY金で1850ドル。そのとき為替が107円なら東京金は6365円です。でも私は円高予想。1850ドルに達しても為替が100円を割っていたら6000円にも行かないかもしれません」

 むしろ短期で爆益を狙うなら売りに妙味があるかもしれない。

「米大統領選の前後で急騰したら一旦売り場になると予想しています。私は7000円程度までの上昇にも耐えられるようにして売るつもりです。月足チャートでは、ローソク足が移動平均線から大きく乖離していて、暴落リスクも見えてきていますから」

 ただし、売りはあくまで短期間の勝負に徹すること。世界的な金融緩和が続くなかでは、急落してもすぐに買いが入りやすいためだ。

「リーマンショック後の相場で学んだのが、金融緩和の影響です。実際に、首尾よく暴落して今年末に東京金が5000円台前半まで下がる局面があれば、今度は買い場に。そこで押し目をつけて、来年にかけてもう一段の上昇相場が訪れることでしょう」

 アリーシュ氏の相場観を参考に、東京金にチャレンジしてみよう。

【アリーシュ氏 先物トレーダー】

兼業トレーダー。リーマンショック後に投資を開始。株などを経て商品先物へ。昨年開催のリアルトレードコンテンストでは先物歴6年ながら半年間で4569万円を稼ぎ優勝を果たす

取材・文/高城 泰(ミドルマン) 図版/ミューズグラフィック

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