地方温泉街の空き物件を不動産投資が救う!? ワーケーション需要で利回り52%に!

HARBOR BUSINESS Online / 2021年1月19日 8時31分

写真

投資価格150万円・家賃 6.5万円。りのさま氏が見つけた温泉街の戸建て。100万円と格安なのは接道が取れない再建築不可のため。外観がくたびれた印象なので購入後に外壁塗装を実施。利回り52%物件に

 世界的に猛威をふるい続ける新型コロナウイルス。その脅威は我々の生活様式のみならず、住まいのあり方や価値観をも一変させてしまった。そんな新時代の不動産投資の“新たな勝ち筋”をしぶとく稼ぎ続ける大家たちの投資術から探る。

 今回取材したのはIT企業で役員として働きながら、副業でマッチングアプリの会社も経営する不動産投資家・りのさま氏。温泉街の格安物件がテレワーク需要に見事にマッチングし、絶好調だという。不動産購入のポイントはどこなのか、その戦術を聞いた!

◆地方温泉街の空き物件がお宝化。ワーケーション需要で高利回りに

 100万円で購入した温泉街の格安物件がテレワーク需要に見事にマッチングし、絶好調の不動産投資家がいる。IT企業で役員として働きながら、副業でマッチングアプリの会社も経営するりのさま氏だ。

「’20年の7月に購入した某温泉街の戸建てで、内覧時に未掲載物件を紹介されたんです。最初は別の300万円の物件に内覧を申し込んでいたのですが、イマイチだったので断ったところ『ワケあり物件でよければ、こういうのもあるけど……』と紹介されたのが100万円の戸建てでした」

 紹介された物件は再建築不可で外観がやや古びているものの、最も修繕費がかかる水回りが一新されており、それが購入の決め手となった。

「自分でリフォームを発注したら軽く100万円を超える内容なので、それだけで買いだと判断しました。物件価格も100万円なら5万円でも2年賃貸に出せば投資資金は回収できてリスクは小さいです。最終的には50万円分のリフォームを行いましたが、家賃を6万5000円に設定。利回りは52%となりました」

◆湘南、鎌倉、熱海と比べて人気度は劣るが、その分賃料相場は割安

 コロナ禍では「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた「ワーケーション」という造語が話題になるなど、新しい生活様式が取り沙汰されており、これが客付けにおいて追い風となった。

「これまで地場の管理会社は、『こんな場所、地元の人しか入居しませんよ』といった態度だったのですが、今年の5月あたりから『最近、東京からテレワークの人が来るんですよ』と言い始めました。この街は湘南、鎌倉、熱海ほどのネームバリューがないので正直自分は半信半疑でした」

 りのさま氏が物件を持つ某温泉街は都心からの移住先としても人気の湘南、鎌倉、熱海と比べて人気度は劣るものの、その分だけ賃料相場は割安。そこがコロナが生んだ移住希望者に刺さったようだ。

「熱海に住みたいけど賃料が高い、でも憧れの温泉街で生活したい層にハマりました。完全リモートに移行した、東京のIT企業で働く人が今は入居しています。東京の家を残したまま2拠点生活をしているので、このくらいの家賃なら大きな負担とならず最適だったのでしょう」

 入居者は物件徒歩圏の日帰り温泉で温泉ライフを満喫しているとのことだ。

◆不動産投資を始めたキッカケは節税

 そもそも、りのさま氏が不動産投資を始めたキッカケは節税だった。

「副業でマッチングアプリの運営をやっており、本業の収入を合算するとそれなりの所得になっていました。何か効率的な節税方法はないかと探して不動産投資にたどり着いた感じです」

 投資知識を身に着け、千葉県の戸建てを数百万円で現金購入してスモールスタートで投資を開始した。

「最初は安ければどの街の物件でも買っていましたが、それだと物件が分散して管理会社と深い関係が築けない。今は自宅のある城東エリアと僕が好きな某温泉街に物件を集約しています」

◆放置されている邸宅も将来はシェアハウスに

 いい物件と出合うため、サイトを検索して少しでも気になる物件があれば内見を申し込み、購入に至らずとも無駄足だったとは考えない。

「買い付けを入れないときも、自分が欲しい物件の条件を伝えておくと、後日『こんな物件があるよ』と紹介されることがあります。僕のような普通の個人投資家にいわゆる川上物件は流れてこない。内覧数をこなして関係者と仲良くなる機会を持つことが重要です」

 温泉街の不動産投資に手応えを感じているりのさま氏、次なる投資も前向きに検討中だ。

「以前は地方でのシェアハウス経営は厳しいと思ってましたが、今回の件で温泉街の駅近戸建てにワーケーション需要があるとわかりました。これまで使い道に困って放置されてた6LDKのような大きな戸建ても、家具・ワークスペースつきのシェアハウスに改装したら、お試し移住などの需要が取り込めそうです」

 りのさま氏にとって温泉街のワケあり物件は、源泉以上に熱いスポットになっているようだ。

<テレワーク時代の新戦術>

地元不動産との関係を築き温泉街の格安物件を入手。ワーケーションに完全対応!

【兼業不動産投資家・りのさま氏】

IT企業役員+マッチングサイト運営+大家業の三足のわらじで稼ぐ40歳。主な投資エリアは城東エリアと地方温泉街。戸建て7戸、アパート6棟46部屋の計53戸保有。家賃年収3000万円。

<取材・文/栗林篤 伊藤綾>

×


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング