望まない妊娠を防ぐため<赤ちゃんロボット>で性教育したところ......

ヘルスプレス / 2016年9月25日 11時17分

写真

<赤ちゃんロボット>は10代の妊娠を促す?(shutterstock.com)

 日本のみならず世界で進む少子化。だが一方で、10代の<若年妊娠>が社会問題化している国も多い。

 特にアメリカやイギリス、オーストラリアなどは、欧米諸国のなかでも10代の妊娠率が高く、さまざまな政策を試みている。

 たとえば、イギリス政府は1999年から、子どもたちを対象に「セックスと人間関係に関するガイダンス」を設け、気軽に医療制度を使えるようにするなど取り組んできた。

 また、オーストラリアをはじめとする世界89カ国では、育児を疑似体験できる「赤ちゃんロボット」を性教育に取り入れている学校がある。

 新生児の世話がどれだけたいへんな苦労をともなうかを体験することで、軽率な性行為による<望まない妊娠>を防ぐのが目的だ。

 ところが「赤ちゃんロボット」には、実は10代の妊娠を抑制する効果がなかった。そればかりか、逆に出産を増加させる可能性があったとの報告が先月、英医学誌『The Lancet』に発表された。
<母親体験>で10代の妊娠率が倍に!

 今回の実験で使われたのはRealityworks社の「RealCare Baby」という乳児シミュレーターロボット。コンピューター搭載で、排泄をしたりお腹が空いたりするだけでなく、機嫌が悪くなるといった感情表現の機能も付いている。

 生徒は数週間のプログラムで赤ちゃんロボットと生活を共に送り、母親を疑似体験するというものだ。

 ロボットのメーカーでは、性教育・ティーンの妊娠防止・育児のスキルアップ・児童虐待防止・幼児の健康管理などを利用シーンに挙げているという。

 今回の研究は、2003年から3年間にわたり、豪ウエスタンオーストラリア州で13~15歳の少女約3000人を対象に行われた大規模なものだ。

 このうち、1267人に赤ちゃんロボットを週末だけ貸し出し、それ以外の1567人は一般的な性教育を受けさせ、その後、被験者が20歳になるまで追跡調査を実施した。

 その結果、一般的な性教育を実施したグループで20歳までに妊娠したのは全体の4%。それに対して、赤ちゃんロボットを使ったグループで20歳までに1回でも妊娠した人の割合は全体の8%という結果になった。

 なんと倍近くの差が現れ、赤ちゃんロボットは10代の妊娠を抑制するどころか、妊娠を促す効果がある可能性が指摘されたのだ。

 この結果に関する理由は不明だが、研究主任のSally Brinkman氏は「この類の研究としては、過去最大規模。善意のプランにも予期しない結果を生み出す可能性があることを浮き彫りにした」とコメント。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング