「眼の外傷」の手当に<ゲル材>~戦場から生まれた新たな応急処置の術

ヘルスプレス / 2018年1月14日 14時0分

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「眼の外傷」の応急処置に迅速に使用できるゲル材を開発(depositphotos.com)

 米南カリフォルニア大学眼科部門のJohn Whalen氏らの研究チームは、戦場で眼に外傷を負った兵士の視力を守る特殊なゲル材を開発したとする研究論文を『Science Translational Medicine』12月6日号に発表した(「HealthDay News」2017年12月6日)。

 Whalen氏らが開発したのは、低温では液状だが眼に塗布するとシール状に固まるゲル材。ウサギを用いた実験では、眼の穿通性外傷にこのゲル材を塗布したところ眼圧が改善し、使用後4週間にわたって炎症や感染は認められなかった。動物実験で有効性が認められた段階だが、2019年にヒトを対象とした臨床試験を開始し、安全性を検証する予定だ。

 眼の外傷は、即座に手当てをしなければ失明の恐れがある。Whalen氏らは「このゲル材があれば、戦場のような眼科医による治療をすぐに受けられない環境でも迅速に応急処置ができる可能性がある」と説明する。

戦場に限らずさまざまな状況で使用できる

 使用法は、低温で保存しておいた液状のゲル材を眼の受傷部分に塗布するだけだ。ゲル材は眼の温度でシール状に固まるため、迅速に外傷をふさぐことが可能だ。応急処置を受けた患者が眼科医による手術を受ける時は、冷水をかけるだけで除去できる。

 Whalen氏らは、塗布する前にゲル材短時間で冷却できる専用のシリンジも開発している。したがって、ゲル材を前線まで持ち運び、近くにいる兵士が眼に外傷を負った兵士の応急処置を行えるとしている。

 Whalen氏らによると、戦場で即席爆発装置の使用が広がっていることから、戦場での眼の外傷は増加している。今回のゲル材の開発は、米国国防総省が眼の外傷の新たな治療アプローチの開発を求めたことがきっかけになった。

 なお、Whalen氏らは「事故で一度に多数の傷病者が出た時や、眼科手術を行える施設がない地域の救急外来などでも、眼の外傷に対する応急処置にこのゲル材を活用できる可能性がある」と語っている。戦場に限らずさまざまな状況で使用できるかもしれない。

「眼の外傷」は必ず眼科医の診察・検査を受けよう

 政治的・宗教的な対立・抑圧が止まない限り、この地上から戦火が消える日は遠い。戦場で負傷する兵士は絶えない。だが、眼の外傷は、戦場だけでなく平時の生活シーンでも頻繁に起きている。

 目の外傷は、どのようなケースが多いだろう? 液体や粉末状のものが目に入った、固形物が目に入った、眼球や目の回りを切ったり刺した、眼球や目の回りを打撲した、理由は思い当たらないが目が痛いなどのケースがある。

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