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「証拠もないうわさを立てられ無断で荷物を調べられた」関西学院大アメフト部員主張も大麻所持で協会から重大処分

スポーツ報知 / 2024年8月31日 5時35分

会見の冒頭に頭を下げる(右から)関学大アメリカンフットボール部の大村監督、池埜部長、小野ディレクター(カメラ・朝田 秀司)

 日本アメリカンフットボール協会は30日、関西学院大の5選手が6~7月に行われたU20(20歳以下)日本代表のカナダ遠征の際に重大な規律違反を犯したとして、30日付で資格停止などの処分を科したと発表した。選手の1人は大麻含有製品とみられる物質を所持、使用したため日本代表の選抜資格を無期限停止とした。他の4人は1~2年の日本代表の資格停止。同日、記者会見した関学大は5選手の帰国後に大学が行った尿検査で陰性となったことなどから、薬物使用の事実は認定できないと説明した。

 甲子園ボウル34度制覇の名門校が衝撃の処分を受けた。関学大は同日に大阪市内で会見し、池埜聡部長が「大変重く受け止めています。深くおわび申し上げます」と謝罪。ただ、経緯の説明を行った小野宏ディレクターは「協会とは見解の相違がある。大麻を使用している可能性はないと認識している。(協会に対し)処分の撤回も含めて検討を求めたい」と主張した。

 カナダ遠征では禁煙が厳守だったが、疑惑の5選手のうち3人(A、B、C)が水蒸気を用いた電子たばこの一種を現地で購入、うち2人(B、C)が使用。選手らは果実フレーバーと主張した。

 日本代表チームが帰国した翌7月3日に、関学大アメフト部に外部から情報が寄せられ、学校側は5選手に複数回にわたる聞き取り調査を実施。同5日に尿検査を受け全員が陰性。同8日には日本協会が調査を開始したとの通告を受け、代表の選手、スタッフ全員に対して行ったアンケートから毛髪検査を受検するように要請を受けた。対象5選手のうち3人(選手C、D、E)は8月1日に日本協会管理の下で毛髪検査を受けて陰性判明。ただ残り2人(選手A、B)は期限の同10日までに受検を承諾せず、選手Bは19日の検体採取の結果、陰性となったという。無期限活動停止となった選手Aは「(他の代表選手から)大麻を吸っていると証拠もないうわさを立てられ、無断で荷物を調べられた」と主張。同協会が求めた毛髪検査に応じなかったため、これが疑惑を深め、処罰の要因にもなっているとみられる。

 チームは活動を続け、関西学生リーグには予定通り参加する。関西学生連盟の幹部によると、新たな処分は検討していない。8月中旬の合宿に参加していた部員166人にも尿検査を行い、全員が陰性だったことから、9月3日に初戦を迎える秋季リーグ戦に向けて準備を進める。7年連続日本一がかかった新シーズンに暗雲が垂れ込めた。

 関学大・小野ディレクター「(外部からの情報提供は)大麻を吸っていたのではないかという具体性のあるものが複数届いているが証拠はない。当該選手は『心当たりはない』ということだった。疑いをかけるなら証拠がないと人権侵害になる。日本協会の倫理規定により検査を受けない=黒という判断をされた可能性がある。処分の撤回も含めて検討を求めたい」

 ◆日本協会、重大な「規律違反」

 日本協会は、日本代表のカナダ遠征の際に重大な規律違反を犯したとして、倫理懲罰規定にのっとり関学大の5人に30日付で資格停止などの処分を科したと発表した。

 選手Aは大麻含有製品とみられる物質を所持、使用したため日本代表の選抜資格を無期限停止とした。さらに大学側には選手Aの無期限活動停止を勧告した。

 Aを除く他の4選手の具体的な違反内容は公表せず、選手Bを日本代表の資格停止2年とし、C、D、Eの3選手を1年の同資格停止とした。いずれも厳重注意とし、Bには6か月間の対外試合出場停止を大学側に勧告した。

 スポーツ報知の取材に、日本協会は「日本協会の事業(カナダ遠征)の中で起こった規律違反なので協会が処分するということ」と説明した。昨年に違法薬物事件が発覚した日大は廃部となったが「協会が廃部を勧告することはない。日大の件とは全く違う」と補足した。

 ◆関学大発表の処分経緯

 ▽6月22~30日 カナダ・エドモントンでのU20世界選手権に関学大から10選手が参加。

 ▽7月3日 帰国後、関学大の選手が大麻使用したとの情報提供が同大学に届く。調査を開始し、選手5人に複数回の聞き取り調査、当該以外の代表選手、スタッフへの聞き取りも実施。

 ▽同5日 選手はいずれも大麻使用を否定し、尿検査を実施して全員が陰性。大学は大麻使用がなかったと判断。

 ▽同8日 日本協会に選手の大麻使用の情報提供があり、同協会が調査開始。協会は代表選手、スタッフ全員へのアンケート調査をもとに聞き取り調査を行い、関学大の当該5選手に分析機器を用いた毛髪検査を受検するよう要請。

 ▽8月1日 当該5人のうち選手C、D、Eは毛髪検査を受検。選手A、Bは協会が設けた期限の10日までに承諾の意思表示をせず。

 ▽同13日 毛髪検査を受検した3選手の陰性を確認。選手A、Bには日本協会の要請に従わなかったとして「無期限活動停止」処分を決定する。

 ▽同14日 選手Bが毛髪検査受検を申し出て19日に受検、28日に陰性を確認。選手C、D、Eは練習への復帰に向けたプロセスに入る。

 ◆関学大アメフト部 1941年創部。チーム名は「FIGHTERS(ファイターズ)」。関西学生リーグ1部に所属し、リーグ優勝は60回。甲子園ボウル(全日本大学選手権)は、昨年史上初の6連覇など優勝34回を誇る。日本選手権も優勝1回。チームカラーは青と白。ホームグラウンドは「関西学院第3フィールド」。

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