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天理大、今年1月に亡くなった戦友へささげる開幕戦勝利 10人退部の苦境も日本一目指す…関西大学ラグビー

スポーツ報知 / 2024年9月23日 5時0分

前半9分、モールからボールを持ち出してトライを奪う天理大フッカー寺西(手前、カメラ・森脇 瑠香)

◆関西大学ラグビー第1節 ▽天理大22―7摂南大(22日・東大阪市花園ラグビー場)

 開幕節の4試合が行われ、昨季全国4強の天理大、京産大が順当に白星発進を決めた。天理大は昨季7位の摂南大に22―7と苦しみながらも、今年1月に亡くなった戦友へ勝利を届けた。4年連続Vを狙う京産大は同大に97―24で大勝。関学大は8トライ(T)を挙げて関大との関関戦を49―17で制し、近大は9Tで立命大を59―31と下した。

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 全員が前を向いて、戦い続けた。天理大は前半2分、フランカー上ノ坊悠馬(4年)=市尼崎=が早々と先制T。幸先よくスタートしたが、計4Tにとどまった。昨年7位の摂南大にまさかの苦戦。SO筒口允之(まこと)主将(4年)=長崎南山=は「思うようなプレーができなくて、ミスが多くて、自分の心に勝てなかった」と唇をかんだ。

 戦友へささげる開幕戦だった。今年1月、現4年の同級生、CTB上野颯汰さんが突如帰らぬ人となった。小松節夫監督(61)は「親御さんから連絡があり、息子が帰ってこないと。(チームの)集合日も来なくて捜索願を出したら…」と下を向いた。自死とみられるが、遺書はなかったという。

 命を絶った明確な原因が分からず、選手は動揺した。カウンセラーを招いて一人ずつメンタルケア。2月は部活自体を休みにし、気持ちを新たに再出発した。それでも9月までに10人が退部。「いろんな事情が重なった。こういうのは初めて。なかなか難しいですよ」と、小松監督は肩を落とした。

 4年ぶりのリーグVへ向けて苦境は続くが、1勝、勝ち点5に変わりはない。「関西で1位、日本一を目指して頑張ります」と筒口主将。天国にいる上野さんにも聞こえるよう、力強く誓った。(森脇 瑠香)

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