【高校野球】北照・木田武杜の公式戦初打席初スイングが決勝打に…全道地区予選小樽地区1回戦
スポーツ報知 / 2024年9月23日 6時30分
◆高校野球◇全道地区予選 ▽小樽地区1回戦 小樽双葉4-5北照(22日・小樽市営桜ケ丘)
2地区で4試合が行われた。小樽地区では12年ぶりのセンバツ甲子園出場を目指す北照が4点ビハインドをはねのけて、小樽双葉に5―4で逆転勝ち。3年生野球部員が奏でる応援歌を背に、途中出場の5番・木田武杜(たけと)一塁手(2年)が公式戦初打席で決勝打を放った。
ベンチ、スタンドが一体となって逆転勝利を収めた。9回。犠飛で同点に追い付き、なおも2死二塁で打席に入った北照・木田は初球の内角高め直球に反応した。公式戦初打席、初スイングで捉えた打球は左翼フェンス直撃の適時二塁打。自称「守備の人」が、途中出場から一振りで試合を決めた。
序盤から失策が重なり、4回までに4失策で4失点。上林弘樹監督(45)が「(就任後)一、二を争うくらい弱い」というチームは序盤から守備、走塁でミスが相次いだ。指揮官は「負けると思ったので、冬が頭をよぎった」と苦笑いを浮かべるが、6回に5番・小田剣心一塁手(2年)の適時打などで2点を返し、反撃開始。2番手の島田爽介(1年)が5回以降を無失点に抑えると、1点ビハインドの土壇場に試合をひっくり返した。
スタンドでは3年生の野球部員13人が楽器を持ち、逆転劇を後押しした。鏡稟太郎投手(3年)が昨秋、部員の少ない吹奏楽部の顧問に対し「自分たちがやります」と言ったことがきっかけで、今夏大会後から兼部する形で正規部員2人とともに練習開始。卒業後に野球を続けない生徒を中心に1日最長3時間の練習を約1か月続けてきた。楽譜すら読めない状況からスタートして、今では9曲の応援歌を演奏できるまでに成長。決勝打の木田は「打席でも応援は聞こえていた。力になった」と感謝した。
この日、初めてお披露目された“新応援団”。地区予選だけでなく、全道大会が開催される大和プレミストドーム、そして全国の大舞台でも演奏してもらうのが一つの目標で、「3年生をセンバツに連れて行きたい」と木田。目指すは12年ぶりの秋全道の頂点。先輩をまだ“引退”させるわけにはいかない。(島山 知房)
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