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WBA世界バンタム級王者・井上拓真「日本と世界の差を見せる」同学年の堤に闘志 来月13日に3度目防衛戦…単独インタビュー

スポーツ報知 / 2024年9月25日 8時0分

スポーツ報知のインタビューに応じ、ファイティングポーズを決める井上拓(カメラ・佐々木 清勝)

 プロボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上拓真が24日、横浜市内の所属ジムでスポーツ報知の単独インタビューに応じた。来月13日に東京・有明アリーナで行われる3度目の防衛戦では、同学年の堤聖也に圧倒的な差をつけて勝つと宣言。兄で世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(31)=大橋=と同じバンタム級のWBC王者の中谷潤人(26)=M・T=の対戦を望む声が高まる中、防衛に成功して兄の前に自身が立ちはだかる決意を明かした。

 試合を約3週間後に控え、拓真の目は自信に満ちあふれていた。現在はスパーリングを中心に調整し、順調に進んでいるという。

 「何ラウンドやったかは数えていないけれど、10ラウンドもやったし、8ラウンドも何回もやった」。

 日本王者の堤とは同い年。1995年12月26日生まれの拓真に対し、堤は同年12月24日生まれと誕生日も近い。神奈川・綾瀬西高2年時にはインターハイ準決勝で対戦し、熊本・九州学院高の堤に3回にスタンディングダウンを奪うなど完勝した。「タフで気持ちが強い。高校の時もそうだった」と笑顔で振り返り、12年ぶりの再戦でも完勝を目指す。

 「何もできなかったと思わせる。日本(王者)と世界(王者)の差を見せつけたい」

 10月13、14日の2日間にわたる7大世界戦では、ほかにWBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29)=畑中=、WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(29)=倉敷守安=、WBOライトフライ級王座決定戦に臨む岩田翔吉(28)=帝拳=と3人の同学年選手が出場することもモチベーションだ。

 「世代最強は俺だっていうのを見せつけていきたいですし、世代トップであり続けたい」

 その先も見据える。拓真は米老舗メディアの「ザ・リング」でパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強ランキング)9位に入る中谷を強く意識。その中谷も対戦候補として「拓真」の名前を口にしているが、ファンや海外メディアなどで兄・尚弥との対戦を期待する声が大きくなっていることには顔をしかめる。

 「思うところはある。ナオ(尚弥)との前に俺だろって」

 兄・尚弥も成し遂げたバンタム級統一を目指す拓真は3度目の防衛を果たし、来年中に中谷との統一戦を望む。

 「(中谷)の周りの評価が上がれば上がるほど、僕が食ったときに僕の評価が一気に上がる」

 尚弥も「そこ(拓真)の壁はでかいんじゃないかな。皆さん中谷がバンタム級1位と言うが、井上拓真は結構くせ者ですよ」と話している。拓真が強さを証明し、目標のバンタム級統一に歩み出す。(戸田 幸治)

 ◆井上拓真(いのうえ・たくま)1995年12月26日、神奈川・座間市生まれ。28歳。綾瀬西高では高校総体など2冠。2013年12月プロデビュー。15年7月、東洋太平洋スーパーフライ級王座獲得。18年12月、WBC世界バンタム級暫定王者。19年11月にウバーリ(フランス)に敗れ、プロ初黒星。23年4月にWBA世界バンタム級王座決定戦でソリス(ベネズエラ)を破り王座奪取。身長163センチの右ボクサーファイター。

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