侍ジャパン井端弘和監督続投決断！２６年ＷＢＣへ「最強チーム結成し連覇へ全身全霊ささげる」

２６年ＷＢＣまで続投が決まった侍ジャパン・井端監督

　侍ジャパンの井端弘和監督（４９）が２６日、２０２６年の第６回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）まで続投することを明かした。侍ジャパン強化委員会から続投を打診されて熟慮していたが、ＺＯＺＯマリンでロッテ・オリックス戦を視察後に重大決断を表明。ドジャース・大谷翔平投手（３０）らを軸にしたドリームチームを結成し、ＷＢＣ連覇を目指す。

　先の目標がはっきりと見えた。侍ジャパン強化委員会から２６年の次回ＷＢＣまでの続投を打診された井端監督は自分と向き合いながら考えてきたが、ついに大きな答えを出した。指揮官として、ＷＢＣ連覇の偉業に挑む道を選んだ。

　「先ごろ、ＮＰＢから２０２６年ＷＢＣまで契約延長の要請を受け、熟慮を重ねた結果、受諾することにしました。大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いでいます。前回２０２３年のＷＢＣでは侍ジャパンが世界一奪回を果たし、日本中が熱くなりました。次回２６年も最強チームを結成し、連覇を飾れるよう全身全霊をささげ臨みます」

　ロッテ・オリックス戦視察後の所信表明。正式発表は後日となるが、高まる気持ちを抑えられなかった。

　誓った２６年の「最強チーム」結成と連覇を目指す上で、構想のど真ん中にいるのは前回大会制覇の原動力となったドジャースの大谷だ。すでに母方の祖父母が日本人のガーディアンズのクワン、母方の祖父が日本人のブルワーズのイエリチも２６年ＷＢＣでの侍ジャパン入りを熱望。現時点では大会規定の緩和が必要になるが、なされれば大きな戦力となることは間違いない。指揮官は今秋ドラフトの目玉、明大の宗山も高評価しており、今後の成長次第では２６年の主力になっている可能性もある。

　昨年１０月の就任発表時、任期は今年１１月の「ラグザスｐｒｅｓｅｎｔｓ　第３回ＷＢＳＣプレミア１２」までが前提だった。昨年１１月のアジアＣＳ制覇、兼任するＵ１５監督として今年８月のＵ１５Ｗ杯で優勝したことなどで経験を積み、自信をつけて、ＮＰＢ側も評価。ともに思いを１つとして既定路線だった続投が決まり、改めて目指すのは常勝侍ジャパンで「１１月にはプレミア１２があります。まずは、この大会に全神経を集中し、最高の結果を残せるよう精進します」と井端監督。重圧をはね返して、前に進む。

　◆井端　弘和（いばた・ひろかず）１９７５年５月１２日、川崎市生まれ。４９歳。堀越から亜大を経て９７年ドラフト５位で中日入団。ベストナイン５度、ゴールデン・グラブ賞７度受賞。２０１３年ＷＢＣ日本代表。同年オフに巨人へ移籍し、１５年限りで現役引退。巨人のコーチなどを経て、昨年１０月に侍ジャパンの監督就任。プロ通算１８９６試合で打率２割８分１厘、５６本塁打、５１０打点。右投右打。

一貫したチーム作りへプラス

　常勝化を目指す侍ジャパンにとって「１０年先を見据えていかないと常に強いチームはつくれない」との信念を持つ井端監督の続投決断は確実に朗報といえる。

　同監督は、全世代の「今」を把握しようと昨年１０月の就任以前からプロ、アマを問わず精力的に現場に足を運んできた。「いい選手がいる」と聞けば、地方の少年野球までチェックするほど。優勝した８月のＵ１５Ｗ杯でバントのサインをほとんど出さなかったのも「小技は、自分に必要だという強い思いがないと身につかない。将来、伸びる選手ばかりだから」。目先の勝利よりも近未来、常勝トップチームの主軸を担うような打者への成長を望んで、思い切って打たせた。

　３月の欧州代表との強化試合で明大・宗山ら大学生４人を招集したのも、２６年ＷＢＣなど将来の侍ジャパンを背負ってほしいという思いから。多くの若手を登用予定のプレミア１２の結果に左右されず大会前の早い段階で続投が決定したのは、後任選びなどで空白期間が生じることなく、井端監督の下、次回ＷＢＣを見据え一貫したチーム作りができるという大きな利点がある。今後は大谷ら大リーガーとの関係強化などにさらに注力して「最強チームでＷＢＣ連覇」の実現に動く。