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「もう一回、こけてこい」指揮官のハッパで初心に帰った浅野翔吾が9球粘っての押し出し四球に「よっしゃー!」

スポーツ報知 / 2024年9月28日 5時5分

6回1死満塁、押し出し四球を選び雄たけびをあげる浅野(カメラ・相川 和寛)

◆JERA セ・リーグ 巨人3―1中日(27日・東京ドーム)

 腹の底からほえた。1―0の6回1死満塁。浅野翔吾外野手(19)は、フルカウントから低めに外れる152キロ直球を見極めると「よっしゃー!」とベンチへ雄たけびを上げ、力強く右拳を握った。「ここ最近守備のミスとかでチームに迷惑をかけていたので、何とか点が取れて良かった」。9球粘り、4分5秒に及んだ勝負の末に勝利を大きく近づける押し出し四球をもぎ取った。

 まさに執念だった。打席中、ベンチの阿部監督は胸を右手で叩き「気持ちで負けんなよ」のメッセージ。3球で追い込まれるとノーステップ打法に変更し「四球でもヒットでも何でも良い」と際どい外角球にファウルで食らいついた。

 守備で飛球の目測を誤り、転倒した25日のDeNA戦(横浜)以来、2試合ぶりの先発出場。試合前の全体ミーティングでは指揮官から「びびらずやれ。もう一回、こけてこい」と愛のこもったハッパをかけられ「気持ち的に楽になって頑張れました」。早出練習は自主トレ中からシーズン序盤にかけて使っていた赤バットを握り「気持ちを前面に出す」という初心を思い起こした。

 5回には中前打を放って2出塁。マジック1で迎える28日の広島戦へ「ミスを恐れず、どんどん積極的なプレーをしていければ」と誓った。過酷な優勝争いを経験しながら、日増しにたくましくなっている19歳に、初の歓喜が迫っている。(内田 拓希)

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