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【番記者の視点】広島との天王山に敗れた町田 黒田剛監督とキャプテンが感じた「認めざるを得ない差」

スポーツ報知 / 2024年9月29日 15時5分

前半、指示を出す町田・黒田剛監督(カメラ・岩田 大補)

◆明治安田J1リーグ▽第32節 広島2―0町田(28日・Eピース)

 【町田担当・金川誉】完敗だった。優勝を争うまさに天王山で、町田は広島に敗れた。黒田剛監督が「経験の違いなのか、われわれはJ1初挑戦であるため、優勝を争うような領域まで到達していないことを印象づけました。優勝の経験がないメンバーが多くいることを含めて、後手に回ってしまいました。広島さんとの差を認めざるを得ないという総評です」と語ったほどだった。試合前の時点では、勝ち点59で並んでいた両チームの差は、何だったのか。

 まず前半3分の失点。これが試合の流れを決定づけた。立ち上がりから広島は、町田の左サイドに何度もボールを送った。そして広島の右MF中野が素早いタイミングで上げたクロスを、FWパシエンシアが合わせて先制。黒田監督は広島のうまさを認めた上で、クロスを簡単に上げさせてしまった左SB林、そしてマークを簡単に外してしまったDFドレシェビッチの対応がともに町田の守備コンセプトから外れていたことを指摘。「言葉を選ばずに言えば、このスタジアムの雰囲気に圧倒された印象です」と表現した。

 キャプテンのDF昌子は、試合開始直後にわずかな“異変”を感じ取っていた。前半1分、林がハイボールに競り合った際、かなり遅れたタイミングで相手と接触するファウル。「あれ? と思った。いつものあいつの感じとは、違うなと思った」。堅実な守備が売りの林が見せた、わずかな気負い。その隙を広島は見逃さなかった。さらに同23分、広島のクイックリスタートから再び左サイドからクロスを許して失点。マークに付ききれなかった昌子は「あの2失点目がなければ、まだチームは息を吹き返せたはず。僕のせいです」と自らのプレーを悔やんだ。

 失点後の試合展開も、町田にとっては歯がゆい時間が続いた。攻撃を急ぎ、粗くなったパスワークは広島MF松本らに次々と潰され、セカンドボールでも後手を踏んだ。前戦の起点となる韓国代表FWオセフンは、エアバトラーのDF荒木、体の寄せ方やファウルのもらい方が抜群にうまいDF佐々木に無力化され、前半のみで交代。一番の敗因は失点に絡み、チームをカバーすることができなかった自身と強調した昌子は、その上で「広島さんのしたたかさ、というべきなのか、うちの経験不足、弱さなのか…。後者でしょうね。今回は、力不足を感じましたね」とつぶやいた。

 リーグ最少失点の堅守を軸に、前戦の高さやセットプレーを生かして先制点をもぎ取って逃げ切る、というのが町田の必勝パターン。しかし広島は立ち上がりにパワーをかけて先手を奪い、その後も隙を見せなかった。サポーターが紫色に染めたエディオンピースウイング広島の雰囲気も含め、相手に傾いた流れを強引にでも変える力は、今の町田にはなかった。

 大一番に敗れ、広島との勝ち点差は3に広がり、神戸にも抜かれて3位に転落した。昌子は「僕らが下を向き、自分たちから崩れると、転がり落ちるのはあっという間だ、と(黒田)監督もシーズン中盤にかけて言っていた。まだ6試合ある、と思って(広島に)付いていくだけ」と気持ちを切り替えた。J1初挑戦で優勝争いに加わった歴史的なシーズンもいよいよ佳境。このビッグマッチの敗戦から得た教訓を、生かす試合はまだ6試合残っている。

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