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日本人初の米殿堂入りが確実視されるイチロー氏は史上2人目の満票当選となるのか…得票率トップ10を紹介

スポーツ報知 / 2024年11月20日 16時59分

イチロー氏

 元マリナーズのイチロー氏が19日(日本時間20日)に発表された米野球殿堂候補に名を連ねた。現役引退から5年経(た)ったことで候補に入り、全米記者協会会員による投票で、殿堂入りか否かは来年1月に発表される。

 日本人選手の候補入りは野茂英雄氏、松井秀喜氏に次いで3人目。だが、野茂氏は6票、松井氏は4票の得票数だったため、1年で候補から消えた。メジャー25位の通算3089安打しているイチロー氏は、資格1年目での殿堂入りが有力視されている。

 過去、同投票で満票当選(特別表彰などは除く)となったのは、通算652セーブの記録を持つ元ヤンキースのM・リベラ氏(2019年)ただ1人だ。

 ちなみに昨今では、選手の価値を測定する数値としてWARというものがある。計算法も様々だが、ここでは米データサイトの「Baseball Refernece」の数値を使用してみる。リベラ氏はリリーフ投手のため、WARは56・3とやや低め。それでも、ヤンキースの5度のワールドチャンピオンを締め括った鉄腕に全員投票という結果となった。

 ちなみにリベラ氏に続く得票率10傑を見てみると

2位 D・ジーター氏(遊撃手・ヤンキース)2020年99・7%

打率3割1分、260本塁打、1311打点、358盗塁 WAR71・3

3位 K・グリフィー氏(外野手・主にマリナーズ)2016年99・3%

打率2割8分4厘、630本塁打、1836打点、184盗塁 WAR83・8

4位 T・シーバー氏(投手・主にメッツ)1992年98・84%

311勝205敗、3640奪三振、防御率2・86 WAR109・9

5位 N・ライアン氏(投手・主にエンゼルス)1999年98・79%

324勝292敗、5714奪三振、防御率3・19 WAR81・3

6位 C・リプケン氏(遊撃手・オリオールズ)2007年98・5%

打率2割7分6厘、431本塁打、1695打点、36盗塁、WAR95・9

7位 T・カッブ氏(外野手・主にタイガース)1936年98・2%

打率3割6分6厘、117本塁打、1944打点、897盗塁、WAR151・5

8位 G・ブレット氏(三塁手・ロイヤルズ)1999年98・2%

打率3割5厘、317本塁打、1596打点、201盗塁、WAR88・6

9位 H・アーロン氏(外野手・主にブレーブス)1982年97・8%

打率3割5厘、755本塁打、2297打点、240盗塁、WAR143・1

10位 T・グウィン氏(外野手・パドレス)2007年97・6%

打率3割3分8厘、135本塁打、1138打点、319盗塁、WAR69・2

 10傑のうち5人は最近20年間の選手だ。近年は禁止薬物がらみの選手に対しては厳しいものの、資格取得初年度の殿堂入りが増えている。日本同様に、かつてはベテラン記者の厳しい目で1年目に投票しないというケースが少なくなかった。通算打率3割2分5厘、361本塁打、1537打点をマークし、現役13年間でヤンキースの10度のリーグ優勝に貢献したあの外野手、J・ディマジオ氏が資格取得後の2年は75%の当選ラインを越えずにいたことでもうかがえる。

 イチロー氏の通算成績は打率3割1分1厘、117本塁打、780打点、509盗塁でWAR60・0。この数字にさらに価値を付けるのは、イチロー氏のメジャーデビューが27歳162日だったことだ。その年齢からプレーして積み重ねているところは注目すべき点だろう。

 少ない長打や高くない出塁率に関して、投票する記者がどう判断するのか―。個人的には90%超えの得票率を期待している。

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

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