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「(体が)反応してくれた」琴桜が年間最多勝確定 いざ21年ぶりの千秋楽大関相星対決制し、悲願の初Vだ!

スポーツ報知 / 2024年11月24日 6時30分

琴桜(右)が上手投げで大の里を破る(カメラ・今西 淳)

◆大相撲 ▽九州場所14日目(23日・福岡国際センター)

 大関・琴桜が初優勝に王手をかけた。大の里との大関対決を上手投げで制し、1敗を死守した。自己最多に並ぶ13勝目で今年の65勝目を挙げ、初の年間最多勝を確定させた。大関・豊昇龍は関脇・霧島につり出しで快勝し、同じく1敗を守った。千秋楽は首位で並ぶ両大関との直接対決が組まれた。大関同士の千秋楽相星決戦は2003年名古屋場所の魁皇―千代大海以来、21年ぶり。豊昇龍が勝てば自身2度目、大関では在位8場所目で初Vとなる。

 琴桜が先輩大関の意地を見せた。互いに右四つを得意とするが右を差せず、逆に大の里に右差しを許した。だが、下がりながらもガッチリつかんだ左上手で振って体勢を崩すと、右手で相手の胸を押しながら土俵下まで吹っ飛ばした。「落ち着いて取り切ることだけを考えていた。(体が)反応してくれた」と振り返った。

 優勝決定戦に進出した1月の初場所に並ぶ自己最多の13勝目。今年の65勝目を挙げ、初の年間最多勝を確定させた。トップで並んでいた大の里に1差をつけ、千秋楽で逆転される可能性が消えた。悲願の初優勝の前にまず1つ“タイトル”を手にしたが「それは後からついてくるもの」と意に介さなかった。

 この日の朝稽古でもピリピリする様子もなかった。優勝を争う最終盤の緊張感の話題には「(高校時代などに)後輩の試合を見るほど心臓に悪いものはない。やっている方が楽」と笑い飛ばす余裕もあり、平静を保てている。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「危なかったが、いい立ち合いができたから慌てず上手を取れた。ここまで来ると、勝つことが一番大事」と評価。千秋楽は豊昇龍との一番だ。大関同士の千秋楽相星決戦は21年ぶりで、1敗と好成績同士の激突に「私が言ってはダメだが、来場所は2人ともアレだね」と“ダブル綱取り”にも期待を寄せた。

 初Vへ、いやが応でも期待は高まるが、琴桜は「意識しようがしまいが変わらない。しっかり集中してやれば、結果としてついてくる」と平常心を強調した。祖父の元横綱・琴桜が最後に優勝した1973年名古屋場所以来、51年ぶりに琴桜が賜杯を抱く風景は目前だ。(三須 慶太)

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