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無罪確定の袴田巌さんが9年ぶりにボクシングの“聖地”後楽園ホールで観戦  姉ひで子さん「58年戦ってやっと勝ちましたの」

スポーツ報知 / 2024年11月29日 19時29分

記者会見で贈られた名誉チャンピオンベルトを見つめる袴田巌さん(右。左から中谷潤人、姉・ひで子さん=カメラ・相川 和寛)

 1966年に静岡・清水市(現・静岡市)で一家4人が殺害された事件を巡るやり直し裁判(再審)で無罪判決が確定した元プロボクサーの袴田巌さん(88)が29日、プロボクシング興行が行われた東京・後楽園ホールに、姉・ひで子さん(91)とともに来場、試合を観戦した。

 長く支援を続けてきた日本プロボクシング協会(JPBA)が招待したもので、袴田さんがプロボクシング会場を訪れたのは2015年3月以来。1960年に19戦の年間最多試合の日本記録を持つフェザー級の元日本ランカーだった袴田さんにとって9年ぶりの来場。南側の観客席で観戦した。来場を紹介されるアナウンスが流れると、会場から温かい拍手が起きた。

 袴田さんは9月26日、静岡地裁での再審公判において「無罪判決」が言い渡され、その後、検察が控訴を断念、袴田さんは「完全無罪」を獲得した。JPBAでは支援委員会を設置し、後楽園ホールに「袴田巖シート」を設置、袴田さんがいつでも試合を観戦しに来られるよう準備してきた。

 第2試合終了後、ひで子さんが、世界主要団体の一つ、WBCから袴田さんに贈られた「名誉チャンピオンベルト」を持参してリングに登壇。世界3階級制覇王者でWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)もリングに上がり、「無罪確定おめでとうございます。これからも健康に過ごしていただきたい」などの言葉を贈った。

 ひで子さんは「58年戦ってやっと勝ちましたの。蝶ネクタイとかして、後楽園ホールに来るのを楽しみにしていましたが、5分前に急に機嫌が悪くなって…(リングには上がらなかった)。これも病気の後遺症。本当に楽しみにしていました」とあいさつ。改めて「無罪判決で、死刑囚ではなくなりました。58年戦ってこられたのも応援と支援のおかげで今があります。ありがとうございました。これからも元気になるべく長生きしていきたいと思います」と話すと、大きな拍手が起きていた。

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