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【宏太’Sチェック】補強、監督の熱量…すべてが甘ちゃんだったコンサドーレ…J1復帰には大きな覚悟が必要

スポーツ報知 / 2024年12月12日 6時0分

8日の柏戦で、決勝ゴールを決めた札幌・近藤

 最終の柏戦(8日、1〇0)で、ミシャを勝って送れたのはすごく良かった。前半5分の近藤の決勝点は、まさにミシャのサッカー。縦にボールは入り、味方がキープできそうだなという判断の下、周りが上がって行き、連動して素晴らしいゴールになる。ただ1―0で勝つのがミシャのサッカーではない。追加点を取れないのが今シーズンを象徴していた。

 9年ぶりにJ2で戦うことになったが、一番の要因は全てにおいて中途半端だった。昨オフ、田中駿汰のような核になる選手が抜かれたが、中途半端な補強しかできなかった。ミシャも監督として、就任した頃の熱量を持っていたかというと、ちょっと落ち着いた感じがした。ボール回しやポゼッションはすごくうまくなったが、大きなポジションチェンジもなくなった。タフに戦うためにキャンプでめちゃめちゃ走れるチームにしたかといったらそうでもない。全てが甘かったんじゃないか。夏場に補強をし、大崎やミンギュなどははまったが、シーズンが終わった時点でこういう選手をと考えて取るのと、シーズン途中で困ったから探しに行くような選手は全然違う。やることが中途半端だったら、J1では中途半端どころか最低な結果になる可能性の方が高いのだから。

 厳しい言い方をすれば全てが甘ちゃんクラブ。最高責任者は代わるが、結果が出なかったら責任を取る覚悟を持ってやっているのかと。選手は命を削って戦っている。それなのに周りが仲良しこよしでやっていてはバランスなど取れない。今回、菅や駒井のような稼働率の高い選手が契約満了となったが、切る方の責任はどうなのかと。選手が納得する姿勢は見せていかないと。そういうところも中途半端のままなら、来年も中途半端になるし、そういうクラブになってしまう。

 監督は代わるが、これまでミシャが培ってきた形を継続する方針なら、タフに戦えてチームを引っ張れて、チャンスにもピンチにも全部顔を出す駒井のような選手は一番必要だと思う。ただ、ミシャ色が濃かった選手を出すということは、今までやってきたことを壊してでもチームを変えたいという表れだと思っている。J2を勝つのは簡単ではない。中途半端にポゼッションしても、攻め切れずにカウンターでやられていては泥沼にはまる。新監督の考え方にもよるが、守備的にするなど割り切って戦うことも必要。まずはJ1に戻るためにどうするかというのを一番に考えること。ちょっと立て直しつつなどと考えてたら、シーズン移行もあり、J1復帰は相当先になる。金銭面が厳しいのは分かるが、来年はクラブ全体で大きな覚悟が必要な年になる。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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