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誰よりも4区にこだわる「最速の地元民」が箱根駅伝親子優勝&区間賞で国学院大初V&3冠目指す

スポーツ報知 / 2024年12月14日 6時0分

箱根駅伝壮行会で意気込む国学院大の選手たち(カメラ・堺 恒志)

 第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で初優勝と史上6校目の3冠を狙う国学院大は13日、東京・渋谷区の渋谷キャンパスで壮行会を行った。4区沿道の神奈川・二宮町出身の辻原輝(ひかる、2年)は「地元で区間賞を獲得したい」と元気よく話す。父・幸生さん(47)は神奈川大時代の1998年箱根駅伝で8区区間賞に輝いて優勝。「最速の地元民」を名乗る辻原は、親子優勝と区間賞という箱根駅伝史に残る快挙を目指す。

 誰よりも強い4区へのこだわりを持つ。辻原は4区の約6キロ地点、7区の約15キロ地点から、すぐ近くで生まれ育った。二宮中時代は箱根駅伝コースが通学路だった。「親に聞いた話によると、赤ちゃんの時から箱根駅伝を沿道で見ていたそうです。中学で陸上を始めてから、4区か7区を走ることを目指していた。僕にとって、あこがれは2区や5区ではなく、4区と7区でした」と笑う。

 中学時代の夢は1年目でかなえた。しかも、4区4位と好走。1年生としては歴代3位、1時間1分59秒の好記録だった。「地元の友達、知り合い、家族が沿道で応援してくれました。出場選手の中で僕が一番、応援が多かった自信がある」と、地元の声援が力強く背中を押してくれた。

 今回も希望するのは、やはり4区だ。「7区よりも主要区間の4区の方がいい。4年間、4区を走りたい。今回は2年生歴代最高(23年、青学大・太田蒼生=1時間35秒)、3年時は日本人最高(20年、青学大・吉田祐也=1時間30秒)、4年時に区間記録(23年、東京国際大・ヴィンセント=1時間)の更新が目標」と青写真を描く。具体的な目標タイムを持つが「一番の目標は国学院大が優勝することで、そのために区間賞を取りたい」と力強い。

 父・幸生さんは神奈川大時代に3年連続で箱根路を走り、2年時の98年大会では8区区間賞で優勝に貢献した。現在、辻原を指導する国学院大の前田康弘監督(46)は、当時2位に入った駒大で7区を走り3位だった。幸生さんと同学年で優勝を争った前田監督は「不思議な縁」と、しみじみと語った上で「今季、辻原は主力に成長した。優勝するために重要な選手です」と期待を込めて話した。

 親子2代の優勝、そして、国学院大の初優勝へ。「最速の地元民」を名乗る辻原は、2つの歴史的快挙を目指し、知り尽くした湘南を突っ走る。(竹内 達朗)

 ◆平林調整自信 〇…エースで主将の平林清澄(4年)が3冠と初優勝へ決意を示した。今季は出雲と全日本を制し、「誰もいないゴールに、国学院のタスキが帰ってくるところが自分の中で描けている」と箱根への調整に自信を見せた。「どの区間になっても区間賞を取る走りがエースとして求められる。変わらぬ準備をしていく」とキッパリ。さらに「箱根駅伝で優勝し、前田監督を号泣させたい」と恩返しも誓った。

 ◆主な箱根駅伝親子出場 54年の法大8区・伊藤文雄、84年の早大7区・雅弘の親子はそろって区間賞。16年、山梨学院大の上田誠仁監督の次男・健太が3区に出場し、史上初めて監督と選手の親子鷹となった。上田監督は順大時代に3度出場で2回優勝。法大でチームメートだった黒田将由と徳本一善の息子は、現在青学大在学中で黒田朝日(3年)、弟の然(1年)は今回、登録メンバー入り。徳本陽(1年)は次回以降のメンバー入りを目指す。

 ◆辻原 輝(つじはら・ひかる)2004年9月20日、神奈川・二宮町出身。20歳。二宮中時代から陸上を始める。23年、藤沢翔陵高から国学院大文学部に入学。学生3大駅伝は1年箱根4区4位、2年出雲3区4位、2年全日本3区3位。自己ベストは5000メートル13分43秒35、1万メートル28分27秒93、ハーフマラソン1時間2分37秒。尊敬する選手は青学大の太田蒼生(4年)で「今回、同じ区間で勝負したい」。180センチ、56キロ。

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