吉高由里子、猛特訓の成果出し切り1年半の撮影で一番泣いた日…大河ドラマ「光る君へ」15日最終回
スポーツ報知 / 2024年12月14日 7時0分
女優の吉高由里子(36)が主演するNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)が、15日に最終回を迎える。「源氏物語」の作者・紫式部/まひろの半生を演じた吉高がこのほどスポーツ報知などの取材に応じ、約1年半の撮影を回想。猛特訓を重ねた書のシーンの苦労や、ソウルメートとして描かれた藤原道長役の柄本佑(37)についての思いも語った。(宮路 美穂)
平安の時代を駆け抜けた吉高の日々が、まもなくフィナーレを迎える。1000年愛されるベストセラー「源氏物語」を残した紫式部。クランクアップよりも、より吉高が「終わり」を実感したのは書くシーンだったという。「セットで最後に(文字を)書いた日が一番泣いたかもしれないです、私。やっと書が終わったっていう安堵(あんど)感というか…」と振り返る。
普段は左利きの吉高は同作のため筆を右手に持ち替え、書を猛特訓。「書って感情の話でもないから、誰かと話し合えるわけでもない。孤独だったんです。でもその孤独があってこの役だと思っていた。顔はブスでもいいから、字は美しく撮ってほしいって思ったりとかもしていたので、終わった瞬間、削ぎ落とされた感じがこみ上げてきました」
クランクアップの2日後、別の用事でNHKに足を運んだ。「スタジオをのぞいたらもう『もぬけの殻』っていうか、こんなに余韻ないんだっていうぐらい空っぽになってて…」とショックを受けたという。「前室(撮影前の待機スペース)もみんなの写真や視聴者の方のお手紙とかいっぱい貼ってあったんですけど、それすらもない。知らない部屋みたいな感じになっていて。私たちの思い出が、青春が一瞬にして消されてるって思って、本当に『もののあはれ』【注】だと思いました」
脚本家大石静氏の世界観の中でソウルメートとして描かれた藤原道長と紫式部。「2人は月を見上げる描写が多かったと思うんですけど、それは『イコールまひろ』『イコール道長』ですよね。月が出ない日がないように、(心に)いない日はないぐらい、お互いの生きがいだったんじゃないかな」と心を重ねる。
道長との関係性の中で生まれた「源氏物語」についても「物語を書くことで、まひろはまひろでいられたと思います。自分とちゃんと対峙(たいじ)して、書いている瞬間だけは自分を大事にできてる時間なんじゃないか」。共に歩んだ柄本に対しても「本当に佑くんが道長でよかった。表に見えている自分と内に秘めている自分の差、そういう人間の生々しさも表現できてる役者さんの芝居を1年半も近くで見れていたのは、すごくぜいたくなこと」と感謝した。
最終回でまひろはどんな選択をするのか。「解放感もありますけど、まだロスっていうほど安心はしてないんですよ。最後まで走り抜けられたらいいなと思っています」と吉高。最終回のその瞬間まではまだ「光る君へ」モードだ。
【注】しみじみとした情感を表す、平安時代の自然観や文芸の理念を指す言葉。江戸時代の国学者・本居宣長が「源氏物語の本質」と唱えており、「源氏物語」は「あはれの文学」と呼ばれる。これに対し、清少納言の「枕草子」は「をかしの文学」とされる。
◆14日にファン感放送 〇…きょう14日の午後3時5分からは、今月2日に開催された「光る君へ ファン感謝祭」の模様が放送される。約2万8000通の観覧応募が殺到し、倍率18倍となった同イベントは観客から「もう一度見たい 名場面ベスト10」を募集。放送で印象に残ったさまざまな場面について裏話を語り合ったほか、印象的なシーンの“実演”、客席からの質問コーナーなどで、吉高ら出演者はファンとの交流を楽しんだ。
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