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「中谷(潤人)選手とやりたい」戦国バンタム級 西田凌佑初防衛導いた元アマ全日本王者妻の言葉

スポーツ報知 / 2024年12月16日 5時45分

アヌチャイ・ドンスア(手前)を圧倒し、初防衛に成功した西田(カメラ・朝田 秀司)

◆プロボクシング UーNEXT BOXING ▽IBF世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・西田凌佑(KO7回1分37秒)同級14位・アヌチャイ・ドンスア(15日、大阪・住吉スポーツセンター)

 IBF世界バンタム級王者・西田凌佑(28)=六島=が、挑戦者で同級14位・アヌチャイ・ドンスア(28)=タイ=を7回KOで退け、初防衛に成功した。5回に最初のダウンを奪うと、7回に左ボディーで仕留めた。19年10月のデビュー戦(TKO)以来、約5年2か月ぶりとなるキャリア2度目のKO勝ち。プロ10戦全勝で節目を飾った。バンタム級は主要4団体すべてが日本人王者で、その座を守った。(観衆3000)

 終始優位に試合を進めた。西田は5回に相手のパンチをかわし、カウンターの右フックでダウンを奪う。7回には左ボディーで挑戦者を沈めた。初防衛に「内容はプロキャリアで一番悪かった」と、まず反省。そして「チャンピオンで年を越せてよかった」と安ど。記憶に残るKO勝ちだった。

 不安にもうち勝った。3週間前のスパーリング中に右あばら付近を打撲。通常200回打ち込むスパーリングは70回にとどまった。「パンチを出す強さも、調整もきかなくて、(あばらを)打たれたらどうしようと不安だった」。メンタルは弱っていた。それでも強気にリーチの長さを生かして攻めた。「(パンチを)もらいすぎてショック」と苦笑いを浮かべつつ、腫れた顔も王者の勲章だった。

 家族の支えがあった。昨年3月に結婚した妻・沙捺さん(旧姓・河野、28)は近大ボクシング部同期で元アマ全日本王者。対戦相手の映像は必ず夫婦でチェックした。減量が順調でも決して油断せず。西田は「『試合はまだ終わってないよ』と声をかけてくれる。負けられない」と妻の言葉で奮起。沙捺さんは「無事KOで勝ててよかったです」と会場で勝利を見届けた。

 今年3月に第1子の長女・莉奈ちゃんが誕生し、写真を眺めるのが日課。その癒やしも試合前は「集中するため」と我慢した。家族に日頃の感謝を伝えるため、海外旅行を計画中。「妻が韓国に行きたいと。楽しんでもらえたら」と最愛の人の喜ぶ顔を思い描いた。

 今後については「強いと言われている(WBC王者の)中谷(潤人)選手とやりたい」と統一戦を熱望。全勝王者はリングに立ち、まな娘を誇らしく抱きかかえた。(森脇 瑠香)

 ◆西田 凌佑(にしだ・りょうすけ)1996年8月7日、奈良・香芝市生まれ。28歳。香芝中では陸上長距離選手。王寺工でボクシングを始め、3年時に国体フライ級優勝。近大時代を含めアマ37勝16敗。2019年10月、タイでプロデビュー。今年5月にエマヌエル・ロドリゲスに判定勝ちし、IBF世界バンタム級王者に。身長170センチ、右利きの左ボクサーファイター。家族は妻と1女。

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