アンチ・ハリウッド? 3D映画の“言語”とは

ハリウッドニュース / 2012年2月20日 16時25分

学生を前に、熱く語ったヴィム・ヴェンダース監督

「3D映画」と聞いて何を思い浮かべるだろうか? ダイナミックなアクション? 美麗な描写力? 立体的な表現力? このたび2月25日に日本公開されるアート系3D映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は、ハリウッドで展開される3D映画のイメージとは異なる、あるいは定義し直す作品だ。

手がけたのは、『ベルリン・天使の詩』(87)や『パリ・テキサス』(84)などで知られるヴィム・ヴェンダース監督。彼は昨年秋に来日し、東京藝術大学美術学部の学生たちの前で講演した際、3D映画について次のように語った。

監督によれば、「大手映画会社はまだ“3Dの言語”を手に入れてない」という。

今作が初めての3D作品になる監督は、「(3D映画は)これまでの映画のコード(文法・手法)を守って作るというより、まったく新しい言語、別のリアリティーがある。まったくの別物。まだ確立されていないのです」と話した。

そして、「アクションとかではなく、地球上のものをまったく別次元でリアリティーを伝えることができる。そのあとに、フィクションができるのではないかと思う」「これまで私が“3Dが必然である”というものはまだ見ていない」と語った。つまり、大ヒット3D映画『アバター』は必然ではなかったと暗に言い切った。

「(3D映画は)これまでの映画がやってこなかった“ボリュームの表現”、空間と奥行、丸みのある人間がそこにいる、という表現ができるのです。私は『初めから勉強しなおさないといけない』と思いました」と、現在66歳の監督は初心に戻って“3Dの文法”に取り組んでいきたいと表明した。

「以前シネマテークで、100年前にリュミエール兄弟(映画の祖とでも言うべき映画製作者)の映画を見る機会がありました。彼らは、3D映画を作ろうとしていた。人間が目で見るまま(奥行きを表現したままの映像)を作ろうとしていたのです。(中略)人間の視覚はまだ解明されていませんが、動くものをありのまま映し出すこと、というのが重要だと思いました」。

一方で、“3Dが一番良い”というつもりはないとも話した。

もはや隠された秘密兵器ではない3D技術だが、これをどのように使って表現するのかが問われるようになってきた。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』自体は、ダンサーの故ピナ・バウシュ氏の芸術を収めたドキュメンタリーだが、この映画の鑑賞後、もしかするとハリウッドの3D映画の見方が変わるかもしれない。【ハリウッドニュース編集部】

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