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由仁町を拠点に活躍 異色のラッパーに密着 地元で生きていくことを 決めた2人

HTB北海道ニュース / 2024年9月26日 10時35分

(c)HTB

特集は由仁町を拠点に活動する2人のラッパーのお話です。

都会に出ていく同級生たちがいる中、家業を継いで地元で生きていくことを決めた2人を追いました。

寺の中から聞こえるラップミュージック。

歌っているのは、幼なじみのユニットJOKEMIC(ジョークマイク)

JOKEMIC yokoiiさん「街に羽ばたいていく若者や同級生たちをうらやましいなと思いながらも僕らそういうことはできないから」

地元に戻ってきた2人。本業は、農家に、僧侶!?生まれ育った町で生きていくことを決めた、異色のラップユニット。彼らの素顔に迫ります。

8月、由仁町の夏祭り会場。

準備しているのは、地元出身のラッパー2人です。

JOKEMIC Daijunさん「あんまり何もないと言われる町なんですけど、楽しいことは作れるから見出せるから」

由仁町を拠点に活動しているラップユニット「JOKEMIC」

daijunこと山川大順さん39歳と、yokoiiこと横井康弘さん41歳。

2人は幼稚園の頃からの幼馴染。

週に1度、札幌のラジオ番組でDJも務め、地元ではその名を知らない人はいないほどの人気者です。

大順さんの本業は、寺の副住職。

由仁町でおよそ130年続く常福寺に生まれました。

地元の高校を卒業後、東京の大学に進学。

友人主催のクラブのパーティーでラップと出会いのめり込みました。

山川大順さん「(寺を)継ぐ気もなくて東京にいたんですけど、音楽もやっていたしそれで食えるようにと思っていた」

しかし、本格的に音楽活動を始めた矢先、実家の母親が病気に。

「ラッパーとして生きていく」という夢を一度諦め、由仁町に戻りました。

山川大順さん「親孝行したいなって、母がもう亡くなったんですけど病気して、いよいよやばいっていう時に親孝行した方がいいなってなったんですよね。その中でお寺継ぐことかってなって」

住職になるため、修業の毎日。周りの支えもあって、今も音楽活動は続けています。

山川大順さん「お経も韻を踏むものだし。毎日声出してライブみたいな感じですよね。だんだんラップがお経の声っぽくなってきたねって言われることもありますね」

3年前からは、地元の保育園で園長も務めています。

2児の父でもある大順さん。子どもと触れ合う時間が日々の癒しになっています。

横井康弘さん「麦を刈った後の藁をロールして牛の敷き藁とかに使ったりします」

横井さんの本業は、由仁町で代々続く農家の4代目。

この時期は小麦の収穫が終わり、およそ3ヘクタールの畑一面に落ちた麦わらを集めて道内の牧場に出荷します。

横井康弘さん「全部肉牛ですね」

父の代からは和牛の生産も始め、今ではおよそ60頭を飼育しています。

横井さんは2015年、畑の隣にハワイアンカフェをオープン。

精力的に仕事の幅を広げてきましたが、農業を始めた当初は、漫然とした気持ちだったと言います。

横井康弘さん「このまま家を継ぐんだろうなという気持ちの方が大きかったですね。自営業やりながら音楽活動も続けられるかな、という結構安易な気持ちで農業を始めました」

しかし、30歳の時人生を変える出来事が…。

横井康弘さん「農作業で事故をして指1本なくなったんですよね。裂けて指1本なくなって、死んだら何もできないなっていうところからやりたいことをやろうという気持ちに切り替わって色々やるようになりましたね」

それぞれ大学時代にラップを始めた2人。

東京で夢破れた大順さんが由仁町に戻り、農業を始めていた横井さんと再会し意気投合。

2011年、JOKEMICを結成しました。

yokoiiさんとDaijunさん「せっかくだから決めちゃいましょ曲」

「今のいいじゃん、ブリージンとトマトジュースやった方がいいんじゃない」

この日は、1カ月後に迫った夏祭りのステージに向けパフォーマンスを仕上げていました。

yokoiiさんとDaijunさんQ音楽を続けられてきた理由は?「ヒップホップがかっこいいからじゃないですかね。かっこいいものが好きなんで」

「かっこいいなそれ、同じっす」

yokoiiさん「僕らを通して由仁町を知ってもらえればいいし、由仁町といえばJOKEMICだよねと言ってくれたらすごく嬉しいしそういうきっかけに今後なっていけば嬉しいです」

「かっこいいこと」で、生まれ育った町を盛り上げたい。

3年前、人口減少や新型コロナの影響で、由仁町の夏の一大イベント、盆踊りが廃止に。

2人は、地元商工会青年部のメンバーとして、盆踊りに代わる夏祭りを企画したのです。

会場には、10台以上のキッチンカーが出店。

大人も子どもも楽しめるイベントを目指しました。

JOKEMIC「ちょっと何曲かやりますんで聞いていってください」

トマト農家のことを歌った「トマトジュース」を披露。

そして、最後の曲に選んだのは…。

yokoiiさん「家業をついで、街に羽ばたいていく若者や同級生たちをうらやましいなと思いながらも僕らそういうことはできないから何とか頑張って行こうって歌を1番最初に作ったんですよね僕たち」

生まれ育った由仁町で、ずっと生きていくと決めた2人が初めて作った曲。

「これから頑張っていこう」。

自分たちへの応援歌です。

JOKEMIC「みんなで頑張ったかいがあったなと思いますけど、まだまだ伸びしろがある小さいイベントなんで頑張っていきたいな」「アーティスト活動はこれからもしっかりと」「曲つくりましょうね」

農家と僧侶の異色のラッパー。

これからも2人で韻を踏んで、この町を盛り上げていきます。

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