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アカデミー賞選出! 『Playground/校庭』公開日が3.7に決定、特報&ビジュアル公開

クランクイン! / 2024年12月11日 15時0分

 「この作品の目的は、イジメの原因を追及することではない。誰かを非難することでもない」。そう語るワンデル監督は、社会の縮図でもある学校をあたかも戦場のように描き、そこでサバイブするためにはもう純真無垢ではいられない子供たちの葛藤と恐怖、そして幾多の苦難の果てに変化、成長を遂げていく姿を映し出した。

 ドキュメンタリーと見まがうほどの迫真性に貫かれた本作は、ヴィジュアルも音響もすべてが緻密に構築されたフィクションである。ワンデル監督はあらゆるショットを子供の目の高さに設定し、被写界深度が極端に浅く(ピントがあっている範囲がとても狭い)、視野の狭い映像によって、観る者にノラが見聞きすることを疑似体験させる。そうして100%ノラの視点で撮られたこの映画は、親や先生といった大人は子供の目にどう映るかという描写も盛り込まれ、多くの発見をもたらすサスペンスフルな一作に仕上がっている。

 なお、一切の無駄をそぎ落としたシャープな作風が印象的なワンデル監督は、ベルギーの偉大なる先達であるダルデンヌ兄弟はもちろん、アッバス・キアロスタミ、ブリュノ・デュモン、ミハエル・ハネケ、シャンタル・アケルマンの作品にインスピレーションを得たという。ダルデンヌ兄弟が製作を務める次回作『L'intérêt d'Adam』の完成も楽しみな才能だ。

 主人公ノラにふんしたマヤ・ヴァンダービークの演技も特筆もの。キャスティングのセッションに参加した約100人の中から見出された小さな主演女優が、このうえなく繊細にして豊かな感情表現を披露する。そして『あさがくるまえに』『またヴィンセントは襲われる』のカリム・ルクルーがパパ役、『神様メール』『ハッピーエンド』のローラ・ファーリンデンが担任教師役で映画に奥行きを与えている。

 特報は、7歳のノラが校内を歩く後ろ姿を、子ども目線の低い位置から捉えたシーンが連続して展開していく。本作全体を貫く低い位置からのカメラワークにより、観る者を小学校の校内へと引き込み、ノラの経験を追体験させる。果たして小さなノラは何を目撃し、心に抱え、どう行動するのか? 「優しくも、残酷な<世界>」を生き抜く姿を垣間見せる特報に仕上がった。

 ティザービジュアルは2種。ひとつは「あなたは再び、<あの世界>を体験するー」というキャッチコピーとともに、ノラが振り向く姿を切り取ったもの。もうひとつは「世界にふれる」というキャッチコピーとともに、ノラが目隠しをして遊んでいる姿を捉えたもの。どちらもフランス語の原題『Un Monde(ある世界)』が表す、子どもたちにとって学校は初めて触れる広い世界であり、大人になるための入り口であるというメッセージが込められたデザインとなっている。

 映画『Playground/校庭』は、2025年3月7日より全国公開。

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