ラグビーのタックルと、脳振盪などの頭や首の外傷との関わりとは?
IGNITE / 2018年5月16日 22時30分
近年人気が高まっているラグビー競技は、他競技に比べて頭頚肩部外傷の多いスポーツだ。以前はスクラムで脊髄損傷が多く発生していたが、バイオメカニクス研究などをもとにルール改正が繰り返され、その発生数は大きく減少。
一方、頭頚肩部外傷はタックラーに多く発生するとも報告されている。これまでマウスガード、ヘッドガード、肩パッドなどの防具が開発されてきたが、それらの効果は一定の見解を得ていない。
そこで順天堂大学の研究グループは試合映像を解析し、タックルする選手の頭部位置によって異なる頭頚肩部外傷の発生頻度を調査した。
■研究内容
ランダム抽出した試合映像より、全3970タックルを分析。1つは相手選手に対し、横もしくは後ろに位置するもの(順ヘッドタックル 図1A)、もう1つは相手選手の進行方向に位置するタックル(逆ヘッドタックル 図1B)という2つに分類。そして各チームの外傷記録と照合し各タックルの外傷発生頻度を計算した。
その結果、逆ヘッドタックルは317タックル(8.0%)を占め、その内、22タックルで頭頚部や肩関節の外傷が発生。一方の順ヘッドタックルは3653タックル(92.0%)中、10タックルで外傷が発生している。
外傷別にみると逆ヘッドタックルにおける脳振盪、頚部外傷、バーナー症候群、鼻骨骨折の発生頻度は、順ヘッドタックルと比較し20〜30倍も高いということがわかった。
本研究により、逆ヘッドタックルは順ヘッドタックルと比較し、脳振盪を含む頭頚部外傷が30倍も多く発生することが明らかとなった。まずはこの結果をラグビー指導者、コーチ、選手に啓蒙していき、ラグビー競技における頭頚部外傷の減少や発生の予防に大きく貢献できるものと期待されている。
本研究成果はイギリスのスポーツ医学雑誌「British Journal of Sports Medicine」で2017年11月21日に公開。
掲載誌:British Journal of Sports Medicine
DOI:http://dx.doi.org/10.1136/bjsports-2017-098135
(田原昌)
この記事に関連するニュース
-
親猫にはない新規の遺伝子変異により筋ジストロフィーを発症したネコの症例を報告
PR TIMES / 2024年4月18日 12時43分
-
運動様筋肉刺激技術に関する研究成果が科学雑誌「Journal of Sports Sciences」に掲載
PR TIMES / 2024年4月17日 12時15分
-
わずか40秒の運動で身体に起こる劇的変化
共同通信PRワイヤー / 2024年4月12日 11時5分
-
ジャパンラグビー リーグワンの2チームとFOVEがオフィシャルサプライヤー契約を締結
@Press / 2024年4月1日 10時0分
-
50代女性「股関節の痛み」は放置NG!悪化すると激痛&歩けなくなることも…病名は?
ハルメク365 / 2024年3月24日 22時50分
ランキング
-
1上方修正の「ビックカメラ」下方修正の「ヤマダデンキ」何が家電業界トップ2の明暗を分けたのか
MONEYPLUS / 2024年4月18日 7時30分
-
225卒が行きたくない会社、2位「転勤が多い」、1位は?
マイナビニュース / 2024年4月18日 9時3分
-
3突然やってきた"大手業者"に給湯器を点検させてはいけない…高額を騙し取る"点検商法"の常套句3パターン
プレジデントオンライン / 2024年4月18日 9時15分
-
4プーチン氏が“やられると困る”作戦とは? 「第三国でも攻撃するぞ」発言の真意 ウクライナのF-16登場を前に
乗りものニュース / 2024年4月18日 6時12分
-
5大損害受けたロシア軍、極東から増援かき集めてウクライナに投入か 太平洋艦隊の人員も
乗りものニュース / 2024年4月18日 11時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください