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熊野古道、温泉が湧く川のほとりに佇む「川湯温泉 冨士屋」を訪ねて

IGNITE / 2015年6月15日 21時7分

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世界遺産の熊野古道は熊野三山へと通じる参詣道の総称で、紀伊半島にある。

川湯温泉は熊野古道の伊勢路と小辺路(こへち)、中辺路(なかへち)が交わるあたりに位置し、熊野本宮温泉郷のひとつとして名を馳せている。毎年10月には熊野本宮大社へ献湯が行われているという。

川湯温泉で有名なのは、川をせきとめた野趣あふれる大露天風呂の「仙人風呂」だ。

冬季限定で設えられるのだが、川の中ほどに簾がかかっており、簾の向こう側から湯気が立ちのぼっている。流れている川に巨大なくぼ地が掘られ、川底から湧き出す高温の源泉と熊野川の支流である大塔川の水と混ざり合ってほどよい温度の温泉として浸かることができる。

川の温泉は仙人風呂がある場所だけではなく河原のどこでも掘ると温泉が沸いてくるというから素晴らしい。

早速河原に腰を下ろし、誰かが掘ったくぼみに足を入れ、足で小石を押し除けてみる。だんだんと足元の水が熱くなってくる。スコップの貸し出しもしているので好きなところに自分専用の露天風呂を作ることもできるという。

今回紹介する「冨士屋」はその仙人風呂の目前に建つ老舗旅館である。

客室はすべて大塔川に向いており、どの部屋からも川から湯煙が上がっているのが眺められる。おちおち河原露天風呂に入れないと思うなかれ、宿では露天風呂で着用可能な和風水着を貸し出している。

筆者の宿泊した部屋はリニューアルされて間もない温泉露天風呂付のモダンルーム。温泉旅館であるが、モダンルームに畳はない。熊野の杉が使用されている板張りに、米国のベッド業界を牽引するブランド「シーリー」のセミダブルベッドが並ぶツインルーム。

大塔川と川に迫る山裾を眺められるベランダに、高野槇の露天風呂が設えられている。湯船の中に足湯として利用できるようテーブルが設えてあるので冷えたビールなど飲みながらの温泉は最高だ。

夕食時、個室の食事処にゲストの名前が掲示されていたが、隣の個室は外国からの観光客のようだ。世界遺産と河原の大露天風呂、海の幸・山の幸が並ぶ宿の贅沢な食事、ここは日本人ではなくてもわざわざ訪れる価値がある。

翌朝、部屋の露天風呂に浸かっていると二頭のバンビを引き連れた母鹿が山の斜面に見え隠れする。頭上には大きな弧を描く鳶。川湯温泉はなんと豊かな自然を身近に感じられることか。夢心地の湯浴みを楽しめる宿である。

住所:和歌山県田辺市本宮町川湯1452
電話:0735-42-0007
サイト:冨士屋について | 和歌山 温泉 旅館 川湯温泉冨士屋(貸切,仙人風呂,熊野古道,世界遺産

(小椚 萌香)

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