ジャケ・ドローから新作「グラン・セコンド デッドビート」が日本上陸
IGNITE / 2016年3月3日 18時0分
バーゼルワールド2015で発表されたジャケ・ドロー(JAQUET DROZ)の新しいエントリーモデルが、いよいよ日本にも入荷される。
創業者のピエール=ジャケ・ドローは、時計師としてだけでなく、オートマタ(からくり人形師)としても世界的に知られた偉人。クラッシックで精巧な機構に現代的なエッセンスを加えたアイテム達は、いつも時計愛好家の心を掴んで離さない。
今回日本に上陸する「グラン・セコンド デッドビート」は、 18 世紀に全盛期を迎えた機構として知られている「デッドビートセコンド機構」に新作キャリバーを搭載し、新たな解釈を加えたアイコン的デザイン。心を揺さぶる、そのユニークな運針に注目してみよう。
一見シンプルなようでいて、ユニークずくめのこの時計は、世界限定カラー88本の貴重なタイムピースだ。
文字盤は艶やかなアイボリーで、高温で焼成されたエナメル製。その盤上にデザイナーは、巧妙な細工を施している。
この新作モデルでは、時分針を12時位置に置き、歴史的にオフセンターに配置されていた秒針が文字盤の中央に配されている一方で、 日付表示を通常の秒針の位置である6時位置に配している。このポインター式の日付表示は、扇形に運針をするレトログラードタイプ。日付表示が末日まで進むと、瞬時に針が1日へ戻る。
そして、センターに配された秒針が実にユニーク。通常の機械式時計の秒針は、流れるように運針するが、この時計の秒針は、1秒ごとに正確にジャンプする。このメカニズムは、クォーツ時計の秒針のような動きをする「デッドビートセコンド」と呼ばれる機構で、18世紀に創業者ジャケ・ドローが作った古典的な機構の復活となる。
「デッドビートセコンド機構」は、高い精度を誇る類まれな複雑機構として、啓蒙思想の時代に誕生した。この時代、ピエール=ジャケ・ドローは知的な発明に熱狂するヨーロッパを駆け巡り、自らが開発したタイムピ ースを王侯貴族に披露した。この機構技術によって、秒針は 単調な動きではなく、1 秒毎にジャンプして高い精度を生み出すことができると、その後間もなくしてクロノグラフ機構が誕生したのだ。
一度忘れ去られたこの小さな傑作に再び息吹を吹き込み誕生したのが、今回の新作「グラン・セコンド デッドビート」だ。シンボル的モデルの「グラン・セコンド」にこの歴史的な技術を採用することで、伝統の継承、限界を打ち破る意欲、卓越した技術、そして新たな価値を見出すセンスなど、ブランドに深く根ざしたアイデンティティを守っていると言えよう。
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