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世界遺産・高野山で唯一、天然温泉に浸かれる寺「福智院」を訪ねて

IGNITE / 2016年6月28日 20時0分

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仏教寺院などで僧侶や参拝者のためにつくられた「宿坊(しゅくぼう)」。

紀伊山地の霊場で世界遺産でもある和歌山県の高野山には、50を超える宿坊寺院が存在する。今回は高野山唯一の天然温泉を有する宿坊「福智院(ふくちいん)」を紹介しよう。

福智院のご本尊は、愛染明王(あいぜんみょうおう)という福徳円満所願成就のご利益のある仏様。

院内には桜田門外の変で有名な井伊大老をはじめ、ゆかりの諸大名の遺品、古くは奈良時代の美術品など必見の宝物が並ぶ。

玉砂利が敷かれた福智院の駐車場に車を停め、門前へ進むと奥に緑濃い日本庭園が垣間見える。

門をくぐると重々しく反り返った屋根の建物が目に入る。まさしく長い歴史を刻んできた寺院という迫力である。

受付が済むと部屋に案内される。廊下のここかしこに、いにしえの貴重な品々を展示している。部屋にはエアコンも付いていたが、窓を開け放つと涼しい風が吹き抜け、滞在中は使用せずに終わった。

宿の浴衣に着替え、愉しみのひとつである温泉に向かう。まずは「畳の湯」。よくあるビニール製の畳ではなく井草の香りがする本畳敷きの湯である。こじんまりとしているがほっとする湯である。

途中の広間の襖絵や調度品に目を奪われながら、女性用の浴場「天女の湯」に向かう。

脱衣所の一角に宿坊であることを忘れそうなパウダールームが控えており、ティッシュやドライヤーを備え付けてある。

高野槇(こうやまき)の内湯浴槽と露天岩風呂には滔々と源泉を掛け流し、驚いたことにその両方にジェットバス部分が2か所あった。

さらに驚いたのは、サウナを設置していたことだ。筆者の中の「宿坊」のイメージは、(もちろん良い方へ)ガラガラと崩れていったのである。

福智院には「蓬莱遊仙庭」「愛染庭」「登仙庭」のそれぞれ趣きのことなる3つの美しい庭園がある。

静かに眺めていると心が落ち着き穏やかな気持ちになってくる。

食事は部屋まで運んでいただける。

内容は地産の旬の野菜を使用した精進料理であるが、手の込んだそれぞれの料理が彩りよく盛られ、「これは肉ではなかろうか」と思わせる食感の料理も技の賜物だろう。精進料理のイメージを覆すような多彩な味にすっかり満足。しかもまたもや驚かされたのはアルコールも用意されているのだ。

院内には珈琲コーナーも用意されている。庭園を眺めながらの一服の珈琲はまた何とも言えない贅沢な気分。

翌朝は本堂での早朝勤行(ごんぎょう)。参加は自由だが、ぜひ参加をおすすめする。欧米人の観光客も多く参加しているので正座せずに拝聴しても浮かないのが有り難い。

初心者でも臆すことなく泊まれる「福智院」。宿坊デビューにぴったりの宿である。

住所:和歌山県伊都郡高野町高野山657
電話:0736-56-2021
サイト:http://fukuchiin.com/

(小椚萌香)

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