まさか、夢をあきらめるとは思わなかった、仮面ライダーフォーゼ。

インフォシーク / 2012年5月22日 11時0分

意外と良い奴だった今回の怪人。

仮面ライダーフォーゼの第35~36話(5月13日、20日放映)は、かなり名作だった。

前半の第35話は、ミュージシャンという夢に挫折していたJK(ジェイク/高校生)が、中学時代の友人と共にある力を使えば夢が叶うと知り、夢を叶えたくて高校時代の友人を裏切るところで終わり、第36話でこの「悪い力を利用しようとしたJKが圧倒的に悪いぜ!」とは単純に言えない大人的夢儚い人生真っ直ぐには生きられない問題に、仮面ライダーフォーゼなりの結論を出すという構成。

ちなみに、今回JKをたぶらかした怪人が、決して根っからの悪人ではない、むしろ夢にまっしぐらなキャラクターであったことが、また深みのある話だ。

後半の第36話。もはやJKのライブは皆が狂喜乱舞。悪のメロディの前では、真実は何も見えなくなる。そう、なんとステージでギターを弾いているのは怪人そのものなのに、それすら見えなくなる洗脳具合だ。深い、深すぎるぜ、フォーゼ。洗脳ってこういうことだ。

そして仮面ライダーフォーゼが出した答。これに3度、驚かされた。

1度目は、主人公が下手くそなギターを弾きながらJKに伝えたメッセージ。色んな見解が出来るものではあったが、私は「友情の方が大事」とか、「悪の力はダメ!」とかいう単純明快勧善懲悪ではなく、「自分らしさこそ、本当の夢を叶えてくれる」という適切なメッセージに捉えられ、驚いた。

2度目に驚いたのは、「父は、夢を捨てた人生の負け犬」と考えていたJKが、だからこそ、悪の力を借りてでも夢が叶うことを選んだJKが、この事件を機に完全に夢をあきらめたことだった。

正確には、本人なりの「ケジメ」ということであった。

大人が夢を叶えるとき、それが決して子どもの頃に思い描いた夢とは限らない。

後天的に出来た夢、社会に出て色々なものにぶつかってから出来た夢が、結果的に人生においての「自分の夢であった」ことになるなど、よくある話だ。それでも、夢を叶えたときに彼は「成功者」となるのだろう。しっかりと。

ラストカットのJKの背中には、そんな、後天的には彼はきっと夢に成功するであろう雰囲気がしっかりと醸し出されていた。良いカットだった。

第35~36話の仮面ライダーフォーゼは、本当に良い話だった。マニアックな話だが、カット割りの工夫もたくさん感じられた。大人の皆さん、たかが仮面ライダーとバカにしてはいけない。大人も子供も見る仮面ライダーだからこそ、素晴らしいメッセージもときにある。

…あっ、3度目に驚いたことですか? それはJKの本名が「神宮海蔵」だったこと。…ダサすぎたぜ。

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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