友情と絆に本気でぶつかる、仮面ライダーフォーゼ。

インフォシーク / 2012年7月10日 14時0分

友情を信じたがゆえに、親友にボコボコにされた江本教授。(第42話 仮面ライダーフォーゼより)

友情とはなんであろうか。

この問題に悩んだことのない者はいないだろう。

私のテキトーな調査によれば、どうにも性格ブスな彼女に童貞を捧げた親友が、翌日から彼女に尻尾と腰を振るバカ犬と化すパターンが、男にとって最もメジャーな友情台無し物語だ。

友情って一体なんなんだよ。

今、一貫してこの「友情」の在り方を提示し続ける硬派なドラマがある。

まさかの仮面ライダーフォーゼだ。

制服がブレザーの高校に転校してきた学ラン不良の如月弦太朗は、生徒全員とダチ(友達)になると宣言。さまざまな事件を乗り越えて、心通う友達を増やしていく。多くの友情を手に入れた弦太朗は、いまや友情パワーで最強の仮面ライダーに変身するのだ。まるでキン肉マン状態である。そう、いつだって日本人は、正義と友情に弱い。

とはいえもうすぐ最終回ともなると、友情も一筋縄ではいかない。第42話(7月8日放映)の強敵は、如月弦太朗にこんな深い言葉をぶつける。

「友を信じれば裏切られる。心の弱さになるだけだ」

こんな言葉も突きつけていた。

「友情などというくだらないものに引きずられると、進化への道を見失うぞ」

痛いところを突いている。かなり。大人なら、「あ、そうだよね!」と答えかねない。

今回のフォーゼは、絆という言葉にも意見を繰り出す。

「絆は力をくれる」

と叫ぶ弦太朗に対し、敵は

「絆など強大な力に必ず屈する」
「(私が体験したように)教えてやろう…何もできない己の無力さを」

ど、どっちが正しいんだ…。この問題は、今の日本にとって大事なテーマである。問題のターゲットを、政治に置くか、災害に置くか、原発に置くか、いじめに置くかなどなどは、人それぞれだろうが、闘うべき相手がわかっているのに、自分の無力さと仲間とのつながりの希薄さを感じて、無関心を装っている者だってけっこういるはずだ。

恐るべし、仮面ライダーフォーゼ。ありえない必殺技を繰り広げ、ドガッ!バガッ! としばきあいながら、かなりまっとうなセリフを言い合っているのである。

これを見て育った子供たちが大きくなったとき、これらの会話を想い出してくれると、うれしい。誰もが青春のジレンマを抱えるわけだが、そのときに弦太朗や仲間を思い出して「ひきこもり」や「リストカット」という内向きベクトルではなく、「いじめ」という姑息なベクトルでは絶対なく、今回のケンゴのセリフの如く「甘さも弱さもひっくるめて」大きな考え方を持って行動してくれると、フォーゼのスタッフやキャストは心底うれしいのじゃないかなぁ。そのとき、その子の隣に親友がひとりでもいてくれたら、きっと最高だろう。

まさかそのとき、隣にいるのが性格ブスでないことを祈るばかりだ。

イギリスの哲学者フランシス・ベーコンさんは、こんな主旨のことを言っていたらしい。

「友人がいなければ、世界は荒野に過ぎない」

仮面ライダーフォーゼ、侮れないぜ。

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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