東京人は隠れミーハー ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年2月20日 17時30分

遠くからでも見つけやすい大阪の有名人

「東京って有名人歩いてるんやろ?誰か会えた?」上京間もない頃、大阪に帰ると友人からこういった質問を受けることがしばしばあった。

ゴールデンタイムの有名人が一般人に混ざって街を歩く姿を想像するだけで「東京は凄い」との衝撃が走るのだろう。

大阪にも有名人はいる。質問された喫茶店を出てすぐ、自転車を猛スピードで漕ぐしましまんず・藤井輝雄氏がいたとき、大阪の方が有名人との遭遇率が高いことを知った。大阪の有名人とは関西をベースにしている、ほとんどが吉本の芸人さん達。たとえば上下パープルのゆったりとした格好で心斎橋筋商店街を歩く島木譲二氏は遠くからでも目についた。

東京で初めて会ったのは都営大江戸線勝どき駅でのヨネスケ氏。同業種という点でいえば大阪で出会う芸人さんに出会った時と驚きは然程変わらないはずなのに、強度のミーハー心が抜け切れなかったせいか「わっ!晩ごはんや!!」とワクワクと気持ちが昂りそのまま大阪への土産話になった。

その後、南青山のお洒落過ぎるクラブで某大物男性ミュージシャンが男性2名とご来店なさっている姿に「あの噂ほんまやったんや」と下世話な感情を隠せないまだまだカッペな私がいた。

東京人は有名人との(勝手な)付き合い方がなんとなくあることを知ったのはその頃だった。ヨネスケ氏も某大物男性ミュージシャンにも周囲の東京人は気付いていながら意図的とも取れる素知らぬ顔で目も合わさないのだ。

有名人の自由な時間を邪魔するような行為は野暮、そっとしておくことが当たり前で人として恥ずべき行為。そんな暗黙のルールを強いる雰囲気を感じた。

大阪だったら笑福亭鶴瓶氏の肩をバシバシ叩き「いやっ!鶴瓶チャンやないの!写真撮って~」とファンなのか友達なのかビリケン像へのお参りなのかよくわからないコミュニケーションで、出会えたことで天井まで上ったテンションのまま愛情を剥き出すオバチャン達の姿を目撃していたので東京人の暗黙のルールにやや驚いた。

東京で「いやっ!EXILEチャンやないの!写真撮って~」はアホ扱いされるだけであり得ないのだろう。

しかしながら東京人の神経は本当なのか?と疑う点がある。

以前、東京人の知人から「吉祥寺の小さなカフェで一流映画俳優Aのゲリラライブを観に行ってきた!」という話を自慢げに聞かされた。普段なかなか会うことのできないA氏が庶民的な店に来て、しかもライブなんて!と興奮冷めやらぬ雰囲気で話してくださったのだが、私には何が羨ましいのかちっとも解らなかった。

A氏が見たければもうちょっと身銭を切って舞台にも出ているA氏を劇場で鑑賞するほうが実力やオーラの凄さを感じ取ることが出来るのに、「顔が近かった」や「意外とフレンドリーだった」と喜ぶ姿が異様に見えた。

A氏や吉祥寺のカフェにはなんの悪気もない。珍しい環境だからといって突然ミーハー心をさらけ出す知人然り結局東京人はミーハーで、芸能人との距離感を保つ自分の行為に酔いを起こしているだけなのだろう。

ソーシャルの世界を覗いても思う。「私が誰よりも先に知った!」と有名人のスケジュールをミーハー丸出しに配信する人。そして有名人を見つけたと速報をツイートする人。

そんな人で作られた世界を知ると有名人が過ごしやすいように配慮するとかそんなルールやっぱり嘘だったんだと感じる。

今は照れが先行していても歳をとったら肩をバシバシ叩く中年の予備軍としか思えない。

鹿タカシ
しかたかし ライター・コピーライター・歌い手(バンド活動休止中)。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を専攻した後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京、また東京在住の人からみた大阪人について研究。

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