大阪人が嫌いな大阪人 ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年12月4日 17時30分

大阪・梅田

東京で数年生活した後、地元へ戻る人がいる。

「農業を継ぐ約束をしていた」と東北に戻った会社員や「故郷で店を出す夢が叶った」と沖縄に戻った店主など、東京を出た人に数名出会ってきた。誰からも後ろめたさは感じなかった。

だが大阪人が東京から地元に戻る場合、美談はほぼ通用しない。

自分の居場所を改めて考えた大阪人が浮かぶ選択肢は「東京続行か地元」ではない。「大都市か温かく出迎えてくれる街」の二択になり、後者を選べば大都市から一度捨てた都市に戻ることになる。明らかな都落ちだ。

よって最も地元に戻りづらいのは大阪人だといえる(京都・神戸が地元の関西人も含むが以下も「大阪人」とする)。

そもそも、東京へ移住することが理解できない大阪人は多い。最新の文化が揃っている、商業施設がでかい、交通機関が潤沢、東京より確実に人が面白い。大阪で暮らし続ける大阪人はこのように思い込むぶん、東京へ行く必要性がわからない。確かに不自由な場所ではない。わからなくもない。東京で暮らしたい大阪人に必ず「なんでわざわざ東京行かなあかんの?」「大阪でも出来ひんことないやろ?」と聞くのは素直な気持ちからなのだろう。

そんな東京に少なからず対抗意識を燃やす地元民に啖呵を切って出てきた街に戻るなんて、ただの負けなのだ。

「家業を継ぐ」という理由ならまかり通るか。それもダメだろう。田畑の少ない大阪人が農家を継ぐためにUターンすることはほぼないし、農家以外でも「何故わざわざ東京に越したのか」が疑わしい。家業を継ぐ覚悟が元からあるのなら、親の近くで修行を重ねる。渋谷近くで住むほうを選んだのだからその時点でナンパだ。つまり突然「家業」を武器にするのはあやしい。浅はかな「転職先」の候補に過ぎない。また、今なんの役にも立っていない大学時代に専攻した科目をいきなり口にし出すことも、家業を継ぐ願望同様にあやしい。違う夢を持って上京したクセによく言うよ。

「東京で暮らす関西人は地元愛がないのか?」とある東京人から聞かれた。

いいえ違います。地元愛は盆と正月と甲子園球場に戻ったときに爆発すればいい。地元愛で転職できるなら苦労しない。わざわざ地元に戻らなければ出来ない仕事はない。むしろ減る。

「地域活性化」「原点回帰」という理由をつけ戻る関西人もいる。私には「東京では通用しなかったが関西でなら上手くいく」を言い換えたとしか思えない。私は、いや、東京で暮らす関西人全員同意見だと思いたいが、こういった、関西をなめた関西人が一番嫌いだ。

あるモデルケースを紹介しよう。

上京しイケイケ企業に就職。「お前そんな喋り方やったか?」と鼻につくニセ標準語で喋り始める。たまに会うと「六本木のクラブでさぁ~」だ「品川のラウンジでオネーチャンがさぁ~」と聞いてもいないオチなしの話が続く。その後「アイツ会社辞めたらしい」と耳に入ったので「地元帰んの?」と聞くと「せやねん。東京おる間あんまり遊べんくてゴメンやで。大阪帰ってくることあったら電話してや」と急にコテコテ関西弁に戻っている。

そしてfacebookやtwitterで近況報告を見る。「遂に夢が適った!」とかいって地元でパンを焼き始めたりする。傍らに山でジャム作ってそうな恋人が写り込んでいる。パンを食べている姿もパの字も聞いたことがないパン屋風情の主を見て「地元に帰るのが、夢?」とパン屋の夢実現に引く。

東京に居た頃より充実してるぞとばかり地元の祭や地元の恋人(早々に結婚)、地元の後輩などがやたらとSNSに登場。かける言葉がないので「いいね!」の外交が限界となり関係は遠くなっていく。気が付けばプロフィール写真が我が子に変わっている。

あいつ、地元でもイケてないのか。とそいつが飲まなかった泥水をガブガブ飲みながら東京で暮らす私は、全く笑えない。

とはいえ東京から出て行こうがパン屋になろうが地元の携帯電話ショップの男とデキ婚しようが、同じ関西出身者として次の人生を頑張って欲しいと思ってはいるが。

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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