仮面ライダー鎧武を見て思う、センスという問題。

インフォシーク / 2014年2月18日 17時30分

今回出てきた仮面ライダーは、ボクシングスタイルでカッコいい! 仮面ライダーナックル!

若い頃、大阪ミナミのラーメン屋で深夜働いていたとき、友人とそのラーメン屋を舞台にした自主映画を撮った。

友人が監督、私が主演だった。

私の他にメインとなる男性キャストが2名いて、それぞれの恋人役がいた。男女合計6名。そう、それはまるで、男女7人夏物語秋物語的な、しかしそれよりも悲しいほどに男おいどんサルマタケ4畳半的な、男女6名ダメ物語。そんな青春群像映画であった。

ちなみに映画のタイトルは、「YO! RA-MEN!」!

…な、なんなのだ…B級感が拭えない…。

このタイプの映画はセンスが問われる。

例えばアクションものだと、そもそものスタートが非現実的であるからして、もうここはキャストスタッフ共に尖った感性と挑戦心と肉体ギリギリの勝負! となっていく傾向もあるが、現実世界に近い若者青春映画となると、フツーに作って下手な自己満足、ちょっと工夫してせいぜい良質な日記、頑張って作ってどこかのテレビドラマ、それ以上のその上の隙間あたりをピンポイントで狙ってようやく良い映画、というわけで、やりすぎたら大バカコメディ映画になるのである。

今回の男女6名ダメ物語は、それぞれのエピソードに監督のセンスが味の素のようにサッサと振りかけられながら、初めて6名が集合するクライマックスこそが映画全体の完成度となる!…という作りになっていた。

強いプレッシャーを感じながら、友人監督が考え出したクライマックスは、こういうものだった。

恋愛的に傷ついた男女6名が、深夜のラーメン屋に集う。

大鍋に作った特大ラーメンを仲良く食べる。

美味い美味い、ズルズルズルズル…!

6名が言い争いを始める。

ラーメンを手で掴む!

投げつける!

飛び交う麺!

しぶきをあげる、スープ!

響き渡る嬌声!

男女6名、体がラーメンだらけ。

カップル同士、見つめ合い…

キス。

頭には、麺。

ラーメン屋の床で、

みんな眠る。

常人離れしたセンスである! しかも、これを長回しの1カットで撮るというのだ! ストロングな友人である!

もはや私には、良いのか悪いのか、判別すらつかなかった。コブラツイストと思っていたら卍固めで、と思ったらいきなりブレーンバスターを食らったような衝撃だったのだ。

数日後、完成した映画を見ながら、私はつくづく考えたのだ。

センスって何なのだろう…

センスには、学校の勉強のような答は無い。そういう意味では、どこか残酷で怖いものでもある。

2月16日(日)、仮面ライダー鎧武の第18話を見た。街のダンスチームたちは、今、街中から嫌われている。街に出現する怪人は、彼らの縄張り抗争の果てに生まれた悪の権化ではないか…! と疑われているからだ。

真実とは違う、このままではいけない! と、主人公が所属するダンスチームは、抗争終結を宣言するために、合同ダンスイベントを行おう! と各ダンスチームに呼びかける。それでも、バラバラな思いのダンスチームたち。

しかし彼らは、思い直し、合同ダンスイベントに参加して、全員で踊り、疑いを晴らすのだった。

バラバラだった者たちが一つになる。これは、ドラマのパターンの一つで、仲の悪い不良たちが一致団結! 大喧嘩で勝利! なんてクローズ的ドラマもあれば、女子高生がバンドを組んでリンダリンダ~リンダリンダリンダ~! 決して負けない強い力を僕はひとつだけ持つ~! 的キュンとくるドラマもある。

(念のために書いておくが、我らが「YO! RA-MEN!」も同様のパターンである!)

この「結果、みんなが一つになる」ということにおいて、第18話のポイントは、合同イベント参加を決意する、その心のキッカケであった。

それは、やっぱりオレたちはダンスが好きだ! という原点的思いであったのだ。

この設定もセンスなのだろう。正直、合同イベント自体は、少し学芸会っぽくて、恥ずかしい思いで見ていた。しかし「やっぱりダンスが好きだ!」というポイントがあったことで、その全てをチャラにして、第18話をとても良い話に昇華させたのである。

日常的に、会社や学校やサークルで、「みんな一丸となるぞ! …なんで一丸となってないんだ、オレは許せねぇ!」なんてバカバカしい場面があると聞く。映画とは違うのだが、まぁ、こういうのはまるでセンスが無いのである。話にならないのだ。

センスとは、特殊な力や思いと共に、他人に対する感受性で出来ているのかもしれない。

あ、最後に。「YO! RA-MEN!」のストロングな、コブラツイスト的卍固め的ブレーンバスターのクライマックスだが、なんだかんだ言って、私は大好きである。

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ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。MC。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「 ガッケンターサイト」、フリーペーパー「ガッケンターニュース」、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)を展開。

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