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緊急事態終了を遅らせるバカにつける薬/増沢 隆太

INSIGHT NOW! / 2020年4月28日 7時45分

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増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

緊急事態宣言終了の目処である連休明けに向け、ここ数日は政府からしきりにその解除ができない、延長になりそうな匂わせが出始めた。今、日本人は見事に2種類に分けられたのではないか。公務員や大企業以外のほとんどの産業が生死をさまようほどの打撃を受けつつも、家にこもって耐え忍んでいる多くの日本人がいる一方、「コロナ疲れ」とか「ストレス解消」「子供がかわいそう」とのことで正に不要不急のための外出をしている者がいる。これこそが緊急事態宣言解除を遅らせる、悪意なき無自覚集団といえる。

・人であふれる駅前
都知事からスーパーでの買い物指導が出るのも、緊急事態宣言後、老人と家族のレジャーランドかというほどの状況が続いているからだ。ターミナル駅・大都会への人出が減ったにもかかわらず、山手線内のその他駅前では一日中人々が歩き回っている。

仲良くおしゃべりしながら買い物に出歩く者、公園に集まったり、使用禁止公園そばの路上でて子供たちを遊ばせる親、ドラッグストアに毎日通って行列する老人、スーパーでていねいに野菜や食品をベタベタさわりながら吟味する夫婦。一人で買い物をしているのかと思えばスマホでテレビ電話をしながら、売り場の動画を送って大声でしゃべりながら店内散策をする者もいる。

サーフィンを楽しむ県外車で路上が埋まり、パチンコ屋には密集大行列。遊具やベンチが使用禁止になった公園では、そばにビニールシートを敷いてグループで仲良くピクニックが行われている。体調不良のままスポーツクラブに行き感染してしまった栃木の老人まで出現した。

コロナが広まり世界中がたいへんな状況担ったにもかかわらず、このような不要不急外出を止められない者たちが今、街にあふれかえっている。これは政府や自治体の広報不足ではなく、もはや理解能力の欠如した集団への対策が必要と考えるべきではないだろうか。

・認知能力欠如者への伝達
緊急事態解除を遅らせるのは、そもそも「スーパーに家族みんなで出かける」からではなく、その行為が及ぼす根本的なリスクを理解できないからである。すでに知事会見だけでなく、ニュースを見さえすれば毎日その危険についてはあふれるほどの情報が送られている。

今街を占拠している不要不急出歩き集団は「情報を持たない」のではなく、情報を理解する「能力を持たない」のである。その前提での不要不急集団対策が必要だと考える。「自粛」の意味を理解できない輩に婉曲な示唆は意味をなさない。直接的に一挙手一投足を指示されなければ自分の頭で考えることができないからだ。

スーパーも、買い物指導の成果が出ていない店はいくらでもある。「お控え下さい」では意味が通じないのだから、店内放送でひたすら注意連呼すべきだろう。吞気なBGMは止め、かつての昭和天皇崩御の日の如く音曲は禁止。代わりに、事態を理解できない者への注意喚起をえんえんと流し続ける必要があるのではないか。

「マスクは自分を守るため」としか理解ができない者に、マスクが無症状者かも知れない自分からから「他者を守るため」であることをわからせるには、外国並みにマスク非着用者の出入りを禁じるしかない。マスクがないと反論できないよう、マスク不足な状況でも飛沫感染を抑制するためタオルなどで口を覆うなどの代替対応している人は、もちろん入店できるようにすべきだろう。

・戦時にレジャー
GWにこの環境下でも旅行を計画している者がいるとのこと。「呼びかけ」のような広報は、心ある人にしか通用しない。直接的な抑止力を発揮できる措置をぜひ自治体には発動してもらいたい。GWの高速料金は危機対応経費負担のため通常の5倍。航空・船・列車料金も同じく5倍として、不要不急ではない緊急な人の使用への道は残す。必要不可欠な移動であれば、特別料金も我慢してもらう。もちろんホテルなど宿泊施設、駐車料金も同様に5倍以上の特別料金とすべきである。

「観光地が悲鳴」というバランスによる報道は無意味である。観光地以外も、都心部の飲食店、レジャー業、中小企業はとっくに悲鳴をあげ尽くしている。観光地だけではなく、日本中・世界中が悲鳴をあげているのが戦時の今なのである。

たった1ヵ月かそこらも我慢できない、「コロナ疲れを癒やす」「子供のため」「自分へのごほうび」と言っている者たちを野放しにする限り、一旦東京の感染者数が減少したとしても、早ければ連休中にでも再び盛り返すことは容易に想像できる。ソーシャルディスタンスが問題解決になるかどうか、ホリエモン氏が否定しようが何だろうが、現時点で他の選択肢がない以上、社会を少しでも早く正常化するために、メッセージは理解不能社に向けた単刀直入なものでなければならない。

要は「外に出るな」「外でしゃべるな」である。

それには例外があって・・・という説明は、すでに行動抑制をしている人は十二分に理解している。今、他人への感染リスクをふりまくことに無自覚な出歩き集団に、細かい説明は理解できないと考えるべきだ。残念ながらていねいな説明を理解できず、自分中心の行動を変えられないバカにつける薬はない。

「マスクをしないでがんばる」と宣言した老人政治家同様、事態の理解力のない人間だけを隔離はできない以上、真剣に対策していただけないものだろうか。

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