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ZOOMにも上席?遠隔時代のハラスメント防止/増沢 隆太

INSIGHT NOW! / 2020年9月7日 7時35分

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増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

1.リモート時代のハラスメント
ハラスメントを個人の価値観や思い過ごしで看過できた時代はとうに終わり、企業の危機管理、リスク管理の視点では、それらへの無対策は許されない時代となりました。パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)は、大企業では2020年6月、中小企業では2022年4月から施行を義務付け、開始が始まっています。

ハラスメントセミナーやハラスメント学習を実施しているから大丈夫というような形骸化した対策では許さない、強い政府の姿勢が見て取れます。会社は「知らなかった」「社員同士のトラブル」ではなく、そうした対応をしていないこと自体の責任を取らされるのです。

ほとんど昭和のドラマのようなハラスメント行為を働く人間はまず見かけなくなりました。しかしいつの時代も犯罪者は無くならないように、当然ゼロではありません。リモートワークの導入など、これまでなかった環境が生まれ、新たなハラスメントは起きています。本質的なハラスメント対策や、ハラスメント防止意識がない人間の中には「これまで無かった」ゆえに新たなハラスメントに及ぶ例も出ています。

2.ZOOMでの席次
すっかり定着した遠隔勤務やリモート会議。Web会議システムはどこでもフル稼働です。地方大学では就活学生がわざわざ交通費と時間をかけて東京や大都市に移動しなくても活動でき、新たな可能性が生まれるなどメリットも出ています。

一方で昭和脳から脱却できない管理職などがITを理解できず、馬鹿げたマナーや馬鹿げたリモート管理を強行する例があります。勤務中、会議でもないのにずっとカメラやマイクをONさせ、常時監視体制をとる看守のような管理者。リモート会議でも上司が退室するまで部下が待つような、トンデモマナーを唱える魔道マナー。自宅からの会議参加で、背後の風景や自室の中身のようなプライバシーをイジる土足野郎。

ZOOMの表示順位にこだわったり、他人のプライバシーをあげつらうなど、完璧なハラスメント成立案件です。ハラスメント行為自体の認識の無い人間が立場だけ管理職などに就いているため、また管理者を管理するその上の管理者の目が届かないため、やりたい放題の放し飼い状態となっている職場もあります。

3.遠隔時代のリスク
リアル職場でも、「稟議書のハンコは傾けて押す」の類いの謎習俗を「マナー」と信じる未開の人が野放しになっている職場は多々あるでしょう。しかし遠隔時代はそれが大きな組織のリスクになっています。

有名芸能人がZOOMで全裸になったことを週刊誌に売られた事件がありました。ITなので証拠が作りやすいのです。リモート環境を理解できない人物が管理者をやっていると、リスクはひたすら極大化します。ハラスメントに及びやすい環境がそのままで、さらに輪をかけてそのハラスメントを証拠に残すことも容易です。

こうした組織のリスクとしてのハラスメント対策はかなり注目されていて、私もさまざまな業界業種の企業でセミナーや、9/18のHR EXPOでも基調講演を行っています。リモート化やIT化がリスクなのではなく、環境変化を受け入れられない組織がリスクなのです。

管理職がハラスメントを理解しない組織が「新たな生活」環境に適合していけるとは、およそ考えられません。リスク対策、もはや待ったなしです。

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