DMはリサイクルしやすさを考えよ/日沖 博道
INSIGHT NOW! / 2014年12月24日 10時12分

日沖博道 / パスファインダーズ株式会社
世の中にある「折角なのに惜しい!」シリーズ、今回はダイレクトメール(DM)。ただでさえ迷惑がられやすいのに、処分に手間を掛けさせて嫌がられては目も当てられない。
今年もクリスマス、そして歳末売り出しの季節がやってきました。この時期にさらに増えるのがセールス案内や請求書などのDM封書です。普段でも閉口するほどなのに、この時期には倍増するため、2~3日放っておくとテーブルの上がぐちゃぐちゃになってしまいます。小生も意を決して片っぱしから開けては、要・不要を即決し、必要な書類でも本体以外は捨てるなど、なるべく量を減らすようにしています。このときに往々にして困るのが、受け取る側のことを考えていないDMです。用件と中身は千差万別ですが、受け取る側に開けてもらって、快く読んで欲しいはずなのに、そうした配慮が足らないDMは少なくありません。まず論外なのは、糊を隅から隅まで貼ってあるために開けること自体にひと苦労する封書。たまにあるのですが、「開けて欲しくないんかい!」と言いたくなります。封書を受取った側は、封筒もしくは中身の書類が用済みになれば当然、捨てます。しかし受取人の住所・名前など個人情報が印字されている部分をそのまま捨てるのは避けたいですね。例えば我が家では、"消しポン"を使って読めなくした上で、紙リサイクルに出すか、(リサイクルできない場合は)ゴミとして捨てるかします。ところがこの宛名などの印字にも、配慮がある会社とそうでないところとの差はしっかりと出ます。住所と名前、そしてそれ以外の銀行口座などがばらばらに離れて印字されているために、消しポンを数回押さないと個人情報が隠せないDM類が意外と多いのです。ちょっと変わったケースでは、宛名が妙に大きくしかも太字で印刷されていて、何度も「消しポン作業」を余儀なくされます。きちんと考えてくれている会社の場合、大判の消しポンなら1回で済みます。この差は、大量のDMに悩まされている家庭では意外と大きな違いです。最近は環境配慮がやかましく言われるため、DM発送主も印刷業界も少しずつ進歩しているようです。封筒には宛名を印字したシールを貼らずに、中身の書類の宛名部分が封筒の外側から見えるようになっている封筒が主流になりつつあります。これですと宛名シールが不要となるため発送側のコストが減らせるだけでなく、受け取って処分する側も手間が省けます。意味のある進歩だと思います。しかし中には感心できないケースもあります。封筒自体を解体する際、紙以外がくっついたままではリサイクルに出せないので、宛名部分が透明ビニールになっている封筒はいちいちビニール部分を引きはがさなくてはなりません。ところがこれが難しい封筒は少なくありません。安物のせいか透明ビニールがすぐ裂けてしまい、何度もやり直しを強いられ、結局大きく破り捨てることもしばしばです。手間を掛けさせられた上に、リサイクル意識からするとちょっとした罪悪感をもたらしますし、その原因を作ったDM送付元に好感情は抱けません。せっかくの「宛名シール不要」ソリューションなのに、中途半端なコスト意識がかえって不評を呼び込む構造です。この不満に対し、新たな解決法も出ています。宛名部分に(ビニールではなく)半透明の特殊な紙を使っており、そのまま紙リサイクルに出せる、優れ物の封筒を使っているケースが時折あります。これは好感度、高いですね。受け取り側に対する配慮がにじみ出ています。ついでに言わせていただければ、数枚程度の印刷物・書類なのにホッチキス(は商品名なので、本当は「ステープラー」ですね)を使ってしまっている会社も「残念!」です。用済みになった時点でいちいちホッチキスを外す作業もまた、量が多くなると煩わしいものです。配慮が行き届いた会社・組織からの送付物は極力ホッチキス留めしないようになっています。 DMを多用する会社は是非、他社のDMの体裁を研究した上で、環境と受取人に配慮していただきたいものです。
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