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サービスビジネス成功の4つの秘訣/松井 拓己

INSIGHT NOW! / 2015年1月15日 1時47分

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松井拓己 / ワクコンサルティング株式会社

サービス向上やCS向上を効果的に進めるための勘所から、今回は少し視点を広げて、サービスビジネスを成功に導くための4つのポイントについて、サービスサイエンスの理論を交えながら触れてみたいと思います。

これまで、サービス向上やCS向上を効果的に進めるための勘所を、サービスサイエンスの理論を交えながら押さえてきました。今回は、少し視点を広げて、サービスビジネスを成功に導くための4つのポイントについて触れてみたいと思います。 サービスビジネスであれば、「サービスでお客様に満足していただくこと」に努力していない会社はないと思います。しかしそれでも、サービス事業が立ち行かなくなってしまうことが多々あります。ただ単に「サービスで満足していただく」だけではダメだということなのです。お客様に喜んでいただくためにサービスを磨いていても、お客様が来てくれなければサービスを提供することすらできません。つまり、まずはじめに、「サービスを受けたいと思っていただく」必要があるのです。サービスを受けたいと思って頂く言われてみれば当たり前ですが、実はこれが想像以上に難しいのです。サービスは目に見えないので、期待に合ったサービスかどうかは受けてみないと分からないという特徴があります。ゆえにお客様は、期待と不安の入り混じった中でサービスを選んでいます。「サービスを受けたい」と思っていただくためには、この期待や不安に寄り添わなければなりません。 例えば外食店や小売店、美容院などの店舗型のサービスでは、店内が見えない、メニュー表も表に出ていない、ホームページも見当たらないとなると、お客様は不安で、とてもサービスを受けたいとは思わないであろうことは容易に想像できます。 これほどではなくても、努力の内容がお客様の期待や不安にマッチしていないことはよくあります。お客様が居心地を期待しているのに、ホームページに店内やスタッフの様子が掲載されていない。店内の様子を見てから決めたいお客様がガラス越しに店内を覗こうと思ったら、スタッフがすかさず「いらっしゃいませ!」と声をかけるので、お客様が去っていってしまう、フラッと小売店やデパート立ち寄ってら店員がベッタリついてくるので気軽に立ち寄れなくなったといった具合です。 サービスを受けたいと思っていただくためには、お客様のどんな期待や不安を意識しなければならないのか、明確に定義しておく必要がありそうです。そこそこの満足ではリピーターは増えない さて、うまく「サービスを受けたい」と思っていただけるお客様が増えたとします。しかし、そのお客様がリピートしてくれなければ、事業はうまくいきません。毎回新規のお客様を開拓し続けることは至難の業ですよね。つまり、サービスビジネスを成功させるためには、サービスを受けたお客様に「リピートしたい」と思っていただく必要があるのです。「そんなことは百も承知」という方も多いと思いますが、実はここでも苦戦している企業が多いのです。顧客サービス向上やCS向上には取り組んでいるのに、リピーターやロイヤルカスタマーの獲得になかなか繋がっていないのです。 「リピートしたい」と思っていただくためには、そこそこ満足してもらうだけでは意味がないのです。なぜならば、CS調査で「やや満足」と答えた方の約97%以上が「リピートしない可能性がある」という調査結果があるからです。お客様に「リピートしたい」と思っていただくためには、「大満足してもらうしかない」ということを肝に銘じる必要があるのです。(詳しくは、以前の記事「CS向上の盲点②顧客満足調査、平均値が大事なことを目隠しする!?」をご覧ください)オススメしてもらうには、大満足だけではダメ 最後のポイントは「サービスを誰かに勧めたい」と思っていただくことです。これは、お客様自身にリピートしていただくだけでなく、リピーターやファンのお客様に、次のお客様を連れてきていただくというものです。 「サービスを誰かに勧めたい」と思っていただくことは、もちろん簡単ではありません。「紹介してくださいね」とお願いしたり、紹介カードを渡すだけでは、大事な友人にお勧めするところまではいかないものです。ではどうすれば勧めてもらえるのか。それには、大満足だけでは不十分で、そこに「面白さ」や「驚き」「友人に対して鼻が高い(優越感)」などのプラスアルファの付加要素が必要です。 最近は、クチコミサイトやソーシャルメディアが普及したことで、不特定多数へクチコミ情報を発信しやすい状況になりました。このクチコミは、大切な友人を紹介するというほどのものではありませんが、クチコミ情報を見ることで、1つ目のステップである「サービスを受けたい」と思っていただけるお客様が増やせる可能性は大いにあります。 普段顧客紹介というテーマに馴染みのない業界や企業ほど、このテーマでの取り組みをしてみると、今までにないアイデアが出てきたり、他社に差を付けるきっかけになることが多いので、是非一度議論してみて頂くと価値があると思います。 さて、今回ご紹介した4つのポイント「サービスを受けたいと思っていただく」「サービスで喜んでいただく」「リピートしたいと思っていただく」「誰かに勧めたいと思っていただく」は、BtoCサービスには馴染みが良いと思います。しかし実はBtoBビジネスにおいても大変有効だということが分かっています。もし今までこういった視点で議論や努力をしていなかったのであれば、むしろそこに伸び代があると捉えて、是非実務に生かしていただけたら幸いです。


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