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情報に溺れぬように絵を描く/泉本 行志

INSIGHT NOW! / 2017年2月28日 7時15分

写真

泉本 行志 / 株式会社アウトブレイン

プロジェクトの初期段階で行なうことの多いヒアリング。
一般的には相手の話を聞きながら必要な情報を抽出し、足りない部分はこちらから質問していくという流れで行なっていきます。
しかし実際は、業務目的、手順、業務上の問題、人間関係、苦情、不満。。。
様々なカテゴリーの様々なレベルの話がぐちゃぐちゃに飛んでくることはよくある話です。 ヒヤリング対象者が同時に複数人いるとなると、さらに話の矛先があちこちに散乱します。

相手の言葉を拾いながら、何とかロジックでつないで理解していく作業も、リアルタイムで扱える量もスピードもやはり限界があります。

これをいかにスムーズにこなすか?

私は翻訳者の方のスキルを参考に、ある技を身につけてきました。

それは、

+++++++++++

「絵を描く」
+++++++++++


かつて翻訳作業をやっていたときです。
当時英語のビジネス書とebookの2冊の翻訳を同時進行でやっていました。
なるべく自然な日本語に意訳しながら進めていましたが、とても時間がかかりました。本業の合間でやっていたこともあり、なかなか時間が取れなくなり、ebookは途中でプロの翻訳家のお力を借りることにしました。

そして、最終的に、途中まで自力でやった自分の翻訳と、プロの方にやってもらった翻訳を比較してみました。すると、自分ではうまい意訳を意識した日本語訳のはずだったのですが、プロのそれと比べるとやっぱり日本語のナチュラルさに白旗を上げざるを得ませんでした。

そこで翻訳が終了して間も無く、私はその翻訳家の方に無理を言って会いに出向き、 なぜそんなに早くかつナチュラルな日本語に翻訳が出来るのか?
コツを教えてくれ!と迫りました。

すると、

「絵を描く」

という言葉が出てきました。

その翻訳家曰く、

「英語を日本語に訳すのではなく、読んだ英語から頭の中に絵を描き、それを見ながら日本語で記述していく

これがコツだということでした。

この話を聞き、ピンときました。

それって外国語を日本語に翻訳するだけでなく、日本語を日本語で理解するのにも役立つのでは?と。

ここでいう「絵を描く」とは、相手の話していることを、絵や図解として頭の中にぼんやり描きながら話を聞く方法です。

「人の話を理解する」
というのは、相手の言葉を自分の言葉に翻訳することに他ありません。
だとすると、「相手の言葉」を直接的に「自分の言葉」に繋げ、いきなり理解しようとするより、いったん イメージで受けとめておく(=絵を描く)方が、処理スピードが早く済むのではないかと考えました。

私たちの多くはイメージより言葉を使うことに慣れています。
頭の中でイメージを描くことが得意な人とそうでない人もいます。
実際私自身はイメージより言語で考えるタイプです。
それでも、頭の中にイメージすることを意識することで恩恵を受けることが増えました。

私がヒアリングをしている時、どのように絵を描いているか?と言うと、 頭の中に絵や図を留め、話を聞きながらそれをさらに発展させていく感覚です。

あちこちに飛びまくる話のトピックも絵を描くことで、「位置情報」として頭の中で切り分けてコントロールすることが出来るようになります。

イメージは鮮明である必要はありません。あくまで ぼんやりです。実際、話の内容というのは、具体的なものもあれば、抽象的なものもあります。

具体的なものは内容の状況描写・相手の観ているものをイメージする感覚で。
抽象的なものであれば、描写というよりは図、フレームワークを描いてそこに話の内容を分類しながら置いていく感じです。

紙に書くようなはっきりしたものを描けるわけではありません。
相手が発した情報から、その輪郭を頭の中でふわっとしたイメージで捉え、
話を聞きながら、その輪郭に少しづづパーツを置き足していく感覚です

こういった頭の中の作業は、誰もが多かれ少なかれやっていることです。
それをもう少し意識して行い、コントロールしてやろうという試みです。

ぜひ試しにやってみてください。

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